【速報】カンヌライオンズ2026「Good」部門グランプリ受賞作品まとめ

2026年6月22日(月)から26日(金)まで、フランス・カンヌで開催されている「Cannes Lions International Festival of Creativity 2026」。世界中の広告・マーケティング・コミュニケーション領域の関係者が集まり、優れたクリエイティブを表彰する国際的なフェスティバルです。

今回は、社会通念を前進させるソーシャルグッドな作品に贈られる「Good」部門において、特定の文化に影響を及ぼした作品を評価する「Glass: The Lion for Change」、国や地域を超越して社会そのものの改善を図った作品を評価する「Grand Prix for Good」、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献する作品を評価する「Sustainable Development Goals Lions」の3つの賞におけるグランプリをご紹介します。

Glass: The Lion for Change

Nigrum Corpus(IDOMED)

社会全体で共有されている価値観や固定観念を変え、より公平な社会の実現を目指した取り組みを賞賛するGlass: The Lion for Changeにおいてグランプリを獲得したのは、カンヌライオンズ2025のIndustry Craft Lionsでもグランプリを手にしたブラジルの医療教育機関・IDOMEDが実施した“Nigrum Corpus(黒い身体)”でした。

※上記の動画は参考掲載です。IDOMED公式の発表内で紹介されたものではありません。

黒人・混血を含むアフリカ系住民が人口の過半数を占めるブラジルにおいて、医療現場における人種差別が深刻な問題としてしばしばニュースで取り上げられています。黒人だからという理由で医者が診察の順番を遅らせたり、そもそも診察しなかったり……結果的に多くの人の健康や、場合によっては命に影響を与えてしまっているのです。

そんな状況を変えるために発行された“Nigrum Corpus”は、美しくもどこかグロテスクな印象を受けるタッチで描かれたイラストが印象的な、医療従事者向けの書籍です。「白色しか認識できない眼の病」や「臓器移植の際に黒い身体の優先順位を下げてしまう病」など、実際に被害に遭ってしまった人の証言や体験談をもとに、医療従事者側に根付く偏見を痛烈な切り口で批判したのです。“Corpo Preto(黒い身体)”というタイトルの映像も公開され、書籍で示したメッセージをより広く発信しました。

単発での訴求に留まることなく継続的な発信を続けたことで、偏見という最も払拭しにくい部類のパーセプションと向き合い続けた姿勢が評価されたようです。

Grand Prix for Good

600K Network(Comando Con Venezuela)

社会全体にとって良い変化をもたらした事例にスポットライトを当てるThe Grand Prix for Goodでグランプリに輝いたのは、ベネズエラの野党連合・Comando Con Venezuelaが政治腐敗という大きな課題に挑んだ施策でした。

※上記の動画は参考掲載です。Comando Con Venezuela公式の発表内で紹介されたものではありません。

2024年のベネズエラ大統領選挙において、野党候補の出馬禁止や国際監視員の排除など民主的なプロセスが著しく制限される中、市民が透明性のある検証手段にアクセスできない状況が生まれていました。そんな中でComando Con Venezuelaが着目したのは、公式の投票集計シートに印刷されたQRコードの存在。市民がそれを独自にスキャン・送信することができれば、選挙管理当局の管理外に置かれた独立した“もう一つの真実”を作り出せる……その発想のもと、60万人以上のボランティアを動員・訓練し、普通のスマートフォンを民主主義の監視ツールへと変えた市民検証システムを構築したのです。

制度的な支援も安全の保証もない状況下で、ボランティアたちは全土の3万ヵ所以上の投票センターに展開。選挙管理当局が根拠を公表しないまま結果を宣言した際にも、野党連合は各投票所から収集したエビデンスを提示することで、後に国際機関や複数メディアによる分析でもデータの正確性が裏付けられたことで政権側は言い逃れが一切できなくなる状況を作り上げたのです。

十分な広告予算もなく組織的バックアップもない状況で、市民の行動力だけを武器に民主主義を守ろうとしたこの取り組みは、クリエイティブが社会に果たしうる役割の可能性を改めて問い直す事例として審査員たちの心を動かしたのではないでしょうか。

Sustainable Development Goals Lions

Paid Sick Leave for Cows(Too Good)

国連が掲げる持続可能な開発目標、いわゆるSDGsをクリエイティブの力で解決した施策を賞賛するSustainable Development Goals Lionsでは、ヨーグルトをはじめとする乳製品を販売するケニアの食品ブランド・Too Goodが実施した種族の壁を越えた斬新な施策がグランプリを獲得しました。

※上記の動画は参考掲載です。Too Good公式の発表内で紹介されたものではありません。

あらゆる乳製品の原料を生み出す乳牛たちは、健康維持を目的に定期的に抗生物質などの薬品を与えられます。その際に薬品の成分が牛乳に混入されてしまうという理由から、薬品の摂取から5日間は搾乳された牛乳を廃棄しなければならないというルールがあるようです。それにも関わらず、農家たちはその5日間の牛乳がもったいない、かつシンプルに経済的な損失であるとして期間中の牛乳を捨てることなくメーカーに販売するという事態が発生していたのです。

そんな事態を解決するために、Too Goodは抗生物質の摂取から5日分の牛乳の販売価格に相当する金額を農家に対して補償するという施策を実施。乳牛を人間と同じ労働者として捉え、定期的に5日分の有給休暇を与えるという解釈に変換したのです。内容としては至ってシンプルではありつつも、補償するという行為をユーモアたっぷりなアイデアを通じてフードロス問題を解決しつつ、農家にも喜ばれるWin-Winな構造が印象的な事例でした。

「カンヌライオンズ2026」関連記事はこちら
「Health」部門グランプリ受賞作品まとめ
「Entertainment」部門グランプリ受賞作品まとめ
「Craft」部門グランプリ受賞作品まとめ
「Creative Brand」部門グランプリ受賞企業
「Engagement」部門グランプリ受賞企業
「Strategy」部門グランプリ受賞企業
「Titanium」部門グランプリ受賞企業

その他の広告事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=24
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る