世界で最も無視されるアートとは?ボルボの強烈な啓蒙施策
スウェーデンに本社を構える自動車メーカーのボルボは、近年はEV開発にも力を入れているリーディングカンパニーです。巨大産業を牽引する存在として同社は“自動車を売る”存在である以上に、世界中の運転手や歩行者の安全を啓蒙する活動にも精力的に取り組んでいます。
そんなボルボがインド市場に向けて横断歩道の大切さを“アート”という着眼点で訴求した統合キャンペーンを公開しました。現地で高い人気を誇るベテランアーティストの意外すぎる起用と一風変わったアウトプットが話題を呼んでいます。
“The Most Ignored Painting(世界で最も無視されている絵画)”というタイトルで公開された施策は、インドの大御所アーティストとして知られるSubodh Kerkar氏が自ら横断歩道を描くというもの。Kerkar氏の作品と銘打たれたものは通常であれば多くの人の目に止まり、まじまじと見られますが、なぜかそれが横断歩道になると見向きもされなくなってしまいます。
インフラが発達途中のインドにおいて、道路を横断したい歩行者のために車が停車しないケースが頻繁に発生しており、結果的に一部の街では道路を渡るというシンプルな行為が命懸けになってしまうことも。そんな状況を変えるためにわざわざ大物アーティストのインスタレーションとして横断歩道を描いてもらったのです。
良い自動車を作り、安く顧客に提供する……ビジネスのグローバル化やIT技術の発達に伴いこれだけでは物が売れなくなってきた昨今の自動車業界。自社の製品の品質の向上には努めつつ、それだけでは興味を持ってくれない潜在顧客に向けて“社会の安全”に対する哲学を落とし込んだ事例でした。
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