「SHIRO」旗艦店が銀座にオープン 建物の記憶と街の歴史を体験と香りで紡ぐ
コスメティックブランド「SHIRO」を展開する株式会社シロは、新たな旗艦店「SHIRO 銀座本店」を2026年11月6日(金)にオープンします。「日本の再編集」をテーマに掲げ、建物の歴史を生かした空間設計や限定フレグランス、自然素材を用いた体験型ワークショップなどを通じてブランドの思想を体現する試みです。

出店先となるのは、1960年築の「銀座ビルディング」。建て替えではなく手を入れながら使い続けるというオーナーの想いに共鳴し、かつて同ビルに入居していたファッションブランド「45R」と大工集団「三角屋」が遺した木組みの技術を受け継ぐとともに、木材・石材といった建材を新たな空間づくりに再利用しています。
空間デザインは「DRAWERS」の小倉寛之氏が担当。耐震補強された梁や柱を残しつつ、経年で欠けた外壁タイルは多治見の窯元とともに型から再現しました。日本家屋の土間をイメージした1階は、引き戸を開放することで銀座の通りと店内が地続きになるエントランス設計です。
建物の歩みや先人たちの仕事を生かす手法は、同社が掲げる「捨てないお店づくり」という資源循環の姿勢を反映したアプローチといえるでしょう。通りとの境界をあえて曖昧にすることで、行き交う人々が気軽に立ち寄れるような場をつくり出しています。

店頭では、銀座本店限定のフレグランス「SHIKI FRAGRANCE」全4種を販売。日本の四季のうつろいとともに、春の柳や夏のショーウィンドウガラス、秋の煉瓦街、冬のガス灯といった銀座の歴史的背景を着想源に重ね合わせた香りを揃えました。
香りを通じて銀座の歴史や情景を感じられる、本店ならではのラインアップとなっています。

2階の「ポプリブレンダーラボ」では、体験型ワークショップ「フレグランスポプリ」を展開します。
北海道の造林地で苗木を育てる「下刈り」の際に刈り取られた草花や、廃棄されるはずだったロスフラワー®などの素材を自ら選び、限定フレグランスを吹きかけて仕上げるというもの。素材に触れて自ら調合を楽しむ時間を通じ、遠く離れた生産現場や森の循環を身近に感じる機会をつくっています。

あわせて、店内には改修前のビルに残されていた古いポストを再利用した「SHARE POST」を設置。限定フレグランスの購入者やラボの体験者へはがきを配布し、その場で手紙を綴って投函できる場を用意しました。
この取り組みの背景には、同社がこの場所に出店する際、ビルオーナーへ想いを伝えるために一通の手紙を送ったという経緯があります。その実体験や銀座に根付く手紙文化をもとに、便りをしたためる文化を体験へと落とし込み、大切な誰かを想いながら手書きの文字で言葉を届ける豊かな時間を提案する狙いです。

建物の記憶を継ぐ空間から限定フレグランス、自然素材の循環に触れるワークショップ、そして手紙を通じた手書きのコミュニケーションに至るまで、多角的なアプローチをひとつの場に集約。旗艦店を単なる販売の場にとどめず、ブランドの思想と土地の文脈を重ね合わせ、情緒的価値を深めていく拠点として位置づけたブランディング事例といえそうです。
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