【速報】カンヌライオンズ2025「Strategy」部門グランプリ受賞作品まとめ

2025年6月にフランス・カンヌで開催中の「Cannes Lions 2025」。ユーザーインサイトを的確に捉えた優れた戦略とメッセージを継続的に発信し続けることで高い成果を生んだ事例を讃える「Strategy」部門において、長期に渡って計測可能な成果を実現した「Creative Effectiveness Lions」とクリエイティブを最高の結果へと導いた戦略を評価する「Creative Strategy Lions」の2つの賞におけるグランプリをご紹介します。

Creative Effectiveness Lions

Shot on iPhone（Apple）

10年ほど前にキャンペーンとして立ち上がり、以降定期的に新しい作品が発表されているApple・iPhoneの“Shot on iPhone”が見事グランプリを獲得しています。元々はiPhoneに搭載されているカメラの性能を訴求する目的で開始されたキャンペーンではありつつも、結果的には誰もが自分の作品を作ることができるという事実をAppleが“広告化する”という行為を通じてクリエイティブの民主化を成し遂げたことが評価されました。

日本でもOOHやTVCM、Web CMといった形で公開されている同シリーズを見たことがある方も多いのではないでしょうか。同社はフル尺の映画から大自然の雄大さを捉えた短尺動画、驚くほど繊細な静止画まで、さまざまな形式のUGC（ユーザー生成コンテンツ）と長期に渡って向き合い続けてきました。

それを世界規模で発信し続けるという高いコミットがあったからこそ、iPhoneが世界各国で使用されるスマートフォンになることができたのかもしれません。今後の作品や発展に期待が寄せられている、キャンペーンプラットフォームの代表格と言えるのではないでしょうか。

Creative Strategy Lions

Real Beauty: How a Soap Brand Created a Global Self-Esteem Movement（Dove）

20年にも渡って世間の美しさの定義と向き合い続けてきたDoveの大型キャンペーン“Real Beauty”が、その継続性や社会全体への影響度が評価されグランプリを受賞しました。

今年のカンヌライオンズのEngagement部門・Media Lionsでもグランプリを受賞した“Real Beauty Redefined for the AI Era”も、2023年には同じくMedia Lionsでグランプリを受賞した“#TURNYOURBACK”も、2021年にダブル受賞を果たした“Courage is Beautiful”も、すべてこのキャンペーンの一環であり、カンヌライオンズだけにとどまらない広告賞の常連とも言えるシリーズへと成長しています。

元々は「自分のことを美しいと思える女性はわずか2%しかいない」という発見に着目し、メディアが発信する美しさと人々の自己認識の間に大きなギャップがあることを課題と捉え、誕生したのがこのキャンペーンです。

今となっては欧米圏だけでなく、アジアやアフリカをはじめとした世界中の国で知られているDoveを代表する事例へと成長しました。変わりゆくメディア環境と発展していく技術に対してDoveがどう女性の美に対する自己肯定感と根本的な認識と向き合っていくのか、今後の切り口にも注目が集まるキャンペーンと言えるのではないでしょうか。

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