「限定」で終わらせない ハロウィンのPR・マーケティング事例10選
秋を代表するイベントとして定着しつつあるハロウィンは、季節感を生かした商品やメニュー、イベントを通じて生活者との接点をつくりやすいタイミングでもあります。しかし、施策が集中する時期だからこそ、定番モチーフを取り入れるだけでは埋もれてしまうことも。
本記事では、思わず誰かに話したくなる仕掛けや、足を運びたくなる体験など、各社が工夫を凝らしたハロウィン施策をピックアップ。季節イベントを自社らしく生かすアイデアから、企画や発想のヒントを探ってみましょう。
限定商品|季節感を「欲しくなる理由」に変える
1.「大人のおつまみ」を家族のおやつへ 個包装の配りやすさを生かしたハロウィン施策

株式会社なとりは、ドライソーセージ「ペンシルカルパス」の期間限定商品として、ハロウィン仕様のパッケージを展開。子どもをはじめ家族みんなで楽しめるおやつとして親しまれている同商品の特長を、家族や友人と楽しむハロウィンに結び付けています。
個包装には、ミイラやドラキュラの仮装をしたオリジナルキャラクター「ペンカルズ」を全7種類でデザイン。さらに、個包装の内側にメッセージを記載し、開封する瞬間にもハロウィン気分を味わえる工夫を加えています。
もともと個包装である同商品の“配りやすさ”を活かし、ホームパーティーやお菓子交換のほか、職場や学校などで気軽にシェアするなど、人に渡したり会話を楽しんだりするところまで接点を広げている点もポイントです。
既存商品の形態やキャラクターといった資産に、ハロウィンならではの仮装やお菓子を配る文化を掛け合わせることで、新たな楽しみ方を提案。商品の強みを季節の行動と結び付ける発想は、限定パッケージを企画する際の参考になりそうです。
2.不気味なハロウィンを心地よいバスタイムへ 五感で楽しむ全23種を展開

ラッシュジャパン合同会社は、ハロウィン限定コレクション全23種を発売。“ちょっと不気味で、気分がうっとり解きほぐされるバスタイム”を提案し、ハロウィンならではの世界観をLUSHらしいセルフケア体験へと落とし込んでいます。
魔女の手をモチーフにしたグミのような感触のボディソープや、ペスト医師の仮装から着想を得たバスボム、ゴーストを模したシャワージェリーなど、思わず目を留める造形を取り入れているのも印象的。不気味さのある見た目と、豊かな香りや色彩、ユニークな質感を組み合わせ、視覚だけにとどまらない楽しさをつくっています。
なかでもバスボム「ゴースティー」は、お湯に溶かすと虹色が広がり、ポッピングキャンディのはじける音までが楽しめる仕様。ハロウィンのモチーフを商品の見た目に取り入れるだけでなく、使う過程にも驚きを仕込み、バスタイムそのものを季節限定の体験へと変えています。
自社商品が本来持つ価値を起点に季節の世界観を再解釈することで、定番イベントにもブランドらしい切り口を生み出せることが伝わる施策といえるでしょう。
3.海外トレンド「Spooky Season」を雑貨に反映 ハロウィンを秋の日常へ広げる商品展開

Zebra Japan株式会社が運営する「Flying Tiger Copenhagen」は、全111種のハロウィン新商品の中から、「黒猫とおばけのハロウィン」シリーズ15種を展開。近年海外で注目を集める「Spooky Season」というトレンドを取り入れ、ハロウィン当日だけに限定しない秋の楽しみ方を提案しています。
「Spooky Season」とは、ハロウィンを迎えるまでの時間も楽しむ秋の過ごし方のこと。マグやライト、テーブルクロスなど、普段の生活で使える雑貨に黒猫やおばけのモチーフを取り入れることで、特別なイベントの日だけでなく、日常の中で少しずつハロウィン気分を楽しめる商品を展開しています。
海外発の新たな楽しみ方を紹介しながら、デザイン雑貨というFlying Tiger Copenhagenらしい商品へ展開することで、ハロウィンの楽しみを「当日」から「秋の暮らし」へと拡張。海外トレンドを自社の商品カテゴリと結び付け、新しい季節需要を提案しています。
限定メニュー|ハロウィンを味わう体験をつくる
4.限定スイーツを客室で楽しむ パーク体験の余韻をホテルステイへ

「ザ パーク フロント ホテル アット ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」では、ホテルパティシエが手掛けるハロウィン限定スイーツを客室で楽しめる「ハロウィーンスイーツ付き宿泊プラン」を販売します。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで秋イベントを楽しんだ後も、ホテルでハロウィン気分を味わえる宿泊体験の提案です。
スイーツは、ジャック・オ・ランタンをモチーフにしたかぼちゃのムースや、目玉おばけを表現したモンブランなど4種類。ハロウィンらしい遊び心のあるビジュアルに、かぼちゃや栗、葡萄、紫芋といった秋の味覚を掛け合わせ、季節感を見た目と味わいの両面から演出しています。宿泊人数に応じて楽しめるスイーツの種類が増える設計もユニークです。
周辺で秋イベントを楽しむ宿泊客の行動に着目し、その余韻をホテルでの滞在へつなげた今回のプラン。ホテルが持つ「客室」と「パティシエ」という資産を季節イベントと組み合わせ、宿泊先として選びたくなる理由を加えている施策です。
5.アフタヌーンティーから大人のハロウィンナイトまで 3つの体験で来館のきっかけを創出

ウェスティンホテル横浜は、2026年のハロウィンシーズンに合わせ、館内のレストラン・バーを舞台に趣の異なる3つのハロウィンプロモーションを企画。
アフタヌーンティー、デザートビュッフェ、シャンパーニュメゾン「ヴーヴ・クリコ」とのイベントを用意し、気分やシーンに合わせて選べるハロウィンを楽しめる機会を設けています。
23階のロビーラウンジ「ハロウィンアフタヌーンティー」では、不気味さを表現したスイーツや秋の味覚を取り入れたセイボリーを提供。3階にある「パシフィック・テーブル」のデザートビュッフェでは、おばけやフランケンシュタイン、魔女の指などを表現したスイーツに加え、自らディップして楽しむ「吸血鬼のチョコレートフォンデュ」も用意し、にぎやかな体験へと広げています。
さらに、ハロウィン当日には「ヴーヴ・クリコ」の象徴的なイエローカラーとハロウィンを融合した「YELLOWEEN at The Westin Yokohama」を開催。シャンパーニュとDJによる音楽、みなとみらいの夜景を組み合わせ、昼間の企画とは趣の異なる大人向けのハロウィンナイトをつくり上げています。
1つの施設で同じ季節イベントを扱いながら、提供するメニューや空間、楽しみ方を変えることで、多様な利用シーンを生み出す今回の施策。ハロウィンという共通テーマを館内の複数の場所へ展開し、それぞれに異なる体験価値を持たせることで、幅広い来館のきっかけにつなげる参考事例といえるでしょう。
6.パークの世界観をホテルの食体験へ 複数レストランで「ディズニーハロウィーン」と連動

株式会社 ミリアルリゾートホテルズは、ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタ、東京ディズニーランドホテルの各レストランで、パークのスペシャルイベント「ディズニー・ハロウィーン」と連動したメニューを展開。パークで楽しめる期間限定の世界観を、ホテルでの食事にも広げます。
各レストランでは、それぞれの料理ジャンルを生かしながらハロウィンを表現。ゴーストをあしらったケーキや、ミッキーシェイプが描かれたカボチャのハニーバタートースト、黄色い三日月を表現したデザートなど、ディズニーならではのモチーフを料理に落とし込んでいます。
また、一部のメニューにはディズニーの仲間たちをデザインしたオリジナルチャームを用意。食べる時間だけで完結させず、持ち帰れるアイテムを加えることで、期間限定メニューを選ぶ楽しみや思い出として残る価値を高めている点も印象的です。
パークの公式イベントとホテルのレストランを連動させることで、「ディズニー・ハロウィーン」との接点を食事の時間まで広げ、パークとホテルを行き来しながら季節イベントを楽しめる導線をつくっています。
7.文字さがしやお菓子のつかみ取りで食べるだけで終わらせないビュッフェに

リーガロイヤルホテル京都は、「オールデイダイニング カザ」で「ハロウィンスイーツ・ランチ&ナイトビュッフェ」を開催。約70種類以上の料理と12種類のスイーツに、店内装飾やフォトスポット、参加型の企画を組み合わせ、食事の時間をハロウィンパーティのように楽しめる場に仕立てています。
スイーツには、おばけや目玉、棺などのモチーフを取り入れ、ディナー限定の「黒猫カップケーキ」は、食べると漆黒のクリームで口元が真っ黒になるユニークなひと品。見た目のインパクトに加え、思わず写真に収めたくなる仕掛けを盛り込んでいます。
さらに、店内に隠された文字から合言葉を完成させる「文字さがしゲーム」を用意し、参加者には“小さなご褒美”をプレゼント。土日祝には小学生以下の子どもを対象に「お菓子のつかみ取り」も行い、ビュッフェを楽しむだけでなく、店内を巡って探す・挑戦するといった行動にもつなげている点も秀逸。
平日は大人4名以上の利用で1名分が無料になるグループ特典も設けるなど、友人や同僚との来店を後押し。料理や装飾で季節感を演出することに加え、参加型企画や利用人数に応じた特典を重ねることで、家族からグループまで“誰かと行きたい”と思える来店のきっかけをつくっています。
8.サーモンをジャック・オー・ランタンに 寿司の色と形を生かしたハロウィン商品

株式会社古市庵プラスは、2026年10月1日(木)より「詰合せ こてまりハロウィン」「詰合せ てまりハロウィン」の2商品を販売します。サーモンのてまり寿司をジャック・オー・ランタンに見立て、和食の定番である寿司にハロウィンらしい遊び心を加えたハロウィン限定商品です。
特別な素材に置き換えて季節商品を展開するのではなく、商品のもともとの色や形を生かしている点がポイント。サーモンの鮮やかなオレンジ色が、ひと目でハロウィンを連想できるわかりやすいビジュアルに仕上がっています。
さらに、てまり寿司や細巻、いなり寿司を一口サイズで詰め合わせ、家族での食事やハロウィンパーティーでシェアしやすい商品に。カラフルな寿司を盛り合わせることで、食卓を華やかに彩る役割も持たせています。
洋菓子やスイーツと親和性が高いイメージのあるハロウィンを、寿司という意外性のあるカテゴリに取り入れた今回の商品。既存商品の色や形から季節のモチーフとの共通点を見つけることで、大きく商品そのものを変えなくても、季節限定ならではの話題をつくれることが伝わる好例です。
イベント|世界観への参加を来店のきっかけにする
9.ホテル宴会場とサンリオキャラクターを掛け合わせ 残暑の9月にひと足早いハロウィンを

吉祥寺エクセルホテル東急は、同ホテルの宴会場で「ハローキティ・マイメロディ・クロミのHappy Halloween Party」を開催します。ハロウィン衣装をまとった「ハローキティ」「マイメロディ」「クロミ」と、ブッフェやステージショーなどを楽しめる1日限りのイベントです。
キャラクターが登場するだけでなく、オープニンググリーティングからクイズやダンスを交えたステージショー、各テーブルを回るテーブルラウンド、記念撮影まで、直接ふれあえる機会を複数用意。
さらに、自分で作った作品を持ち帰ることができるプラバンづくりなど、見る・参加する・思い出を残すという複数の楽しみ方を盛り込んでいます。
開催日をハロウィン当日ではなく、シルバーウィークの9月19日(土)に設定している点にも注目。ひと足早くハロウィン気分を楽しめることに加え、残暑が続く時期でも、屋内のホテル宴会場なら暑さや天候を気にせず過ごせるという施設の強みを生かしています。
ホテルの宴会場と人気キャラクターという掛け合わせに、ハロウィンの季節感を加えた本施策。キャラクターとの距離の近さや快適な屋内環境といったホテルならではの価値を組み合わせることで、シルバーウィークに足を運びたくなる理由をつくっています。
10.「1955年のアメリカ」×「ハロウィンの歴史」 ホテルの世界観を生かした収穫祭

1955年頃のアメリカがモチーフのホテル「1955 東京ベイ by 星野リゾート」は、2026年9月16日(水)から10月31日(土)まで、レトロアメリカンな空間で秋の収穫祭を楽しむ「OLDIES HALLOWEEN NIGHT」を開催します。ハロウィンの歴史やアメリカで親しまれてきた風習を、ホテルのコンセプトである「1955年頃のアメリカ」と結びつけた施策です。
ロビーには、アメリカの秋の風物詩「パンプキンパッチ」を再現。好きなジャック・オ・ランタン型のリーフレットを選び、仮面にして撮影したり、「Trick or Treat!」に参加したりと、現地のハロウィン支度を滞在中の体験へ落とし込んでいます。
「Trick or Treat!」が1950年代にアメリカ全土へ広がった背景を取り入れるほか、パンプキンパイやキャラメルアップルといった定番菓子もホテル流にアレンジ。ハロウィン文化と自社の世界観に共通する「1950年代のアメリカ」を接点にすることで、ホテルのコンセプトと季節行事を自然につないでいます。
「限定」で終わらせない ハロウィンのPR・マーケティング事例10選
今回紹介した事例から見えてくるのは、ハロウィンの楽しさを、商品そのものだけでなく、その先の体験へと広げる工夫でした。シェアする、秋の気配を楽しむ、非日常に浸る、ゲームに挑戦するなどハロウィンの“過ごし方”まで含めて提案することで、印象に残る仕掛けへとつながっています。
大切なのは、ハロウィンを単なる装飾や限定展開のきっかけにせず、商品やサービス本来の魅力を引き立てる機会として捉えること。定番のイベントだからこそ、「何を提供するか」だけでなく「どんな楽しみ方を生み出すか」という視点が、企画を考えるヒントになりそうです。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
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