ギフト文脈で書店価値を再編|講談社が花屋と共創する「サン・ジョルディの日」

スペインのカタルーニャ地方に伝わる、毎年4月23日に親しい人へ本とバラを贈る「サン・ジョルディの日」をご存知でしょうか。「読むための本」ではなく、「想いを添えて渡す本」を選ぶ日として親しまれており、書店にとっては“買う場所”から“贈り物を選ぶ場所”へと価値を切り替えるきっかけにもなります。

その文化を日本にも広めるべく、講談社は「サン・ジョルディの日キャンペーン 2026」を2026年4月18日(土)にスタートしました。全国の書店、電子書店、そして生花店が一体となった大規模なプロモーション企画です。

2025年に本格始動した本プロジェクトは、今年で2回目を迎えます。昨年の施策が渋谷でのサンプリングや新宿でのピールオフ広告といった都心を拠点としたイベントであったのに対し、今年は全国の書店や生花店、電子書店へと舞台を大幅に拡張しました。(昨年のPR EDGEの記事はこちら)。

全国の書店での特製ショッパーやステッカーの配布に加え、電子書店でも「誰かに贈りたくなるマンガ」をテーマにした特集企画がスタートしています。

この全国展開にあたり、生活者の日常動線に「本との接点」を組み込む新たな試みとして、生花店との連携が図られています。全国の対象生花店にてバラを購入した方に対し、「サン・ジョルディの日」特製試し読み小冊子(全4種)を1冊ランダムで配布。

対象店のひとつである第一園芸では、一部店舗で期間限定のローズフェアを開催しています。小ぶりなバラを特別価格で販売するなど、参加しやすい環境を整えて迎え入れる構えです。

デジタルシフトが加速する現代において、同社は「紙とデジタルそれぞれに特性がある」と考えているといいます。利便性の高い電子書店を推進する一方で、紙の出版物については「装丁や造本も含めた手触りの質感」といった、物理的な本ならではの特性に着目。本を読むという行為において、読者の選択肢を増やすためにも紙の出版物の存在は依然として重要であるという考えが、施策の根底にあります。

今回の取り組みは、経済産業省が主導する書店活性化プランや、読売新聞と共に発表した共同提言とも通底しており、街の書店が担う文化的な役割を後押しする姿勢を鮮明にしました。

2026年の元旦、同社は「人類の未来を守るために必要なのは、きっと本屋さんだ。」というメッセージを全国各紙に掲げました。(PR EDGEの記事はこちら)。

一時の販促活動にとどまらず、「本屋さんに行こう。」と書店の存在意義を真っ向から訴求するこの姿勢は、本屋という場所の公共的な価値を社会に浸透させ、文化の担い手としての企業ブランディングをより強固なものにしています。

本を消費物ではなく、大切な人への想いを乗せた贈り物へと昇華させる試みが、地域の文化拠点である書店を支え、次世代へと物語をつなぐ着実な一歩となることが期待されます。

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