ベルギービール会社が“世界最長のテラス”で無料ビールを提供したワケ

Case: The National Debate

2011年、ベルギーでは内閣不在の世界最長日数541日を記録。2019年の総選挙後には、オランダ語圏の北部とフランス語圏の南部とで、さらなる政治分裂が生まれ、両者は同じテーブルで議論をすることも拒否している状態です。

そんな中、ベルギーのビールメーカー・Leffeが、分裂した国を1つに統合すべく、ユニークな啓発キャンペーンを実施しました。

同社は、ベルギーの南北を分ける丁度間にあたる地点に、長さ400kmの世界最長のテラス席を設置。そこで市民に無料ビールを提供することにしたのです。

1000個のテーブルを用意し、オランダ語話者とフランス語話者それぞれ1000名ずつを招待。さらに、参加者に10点の政治的な質問を投げかけ、議論が促しました。

最終的に参加者の95%が和解。かかった時間は平均して17分ほどだったそうです。

本キャンペーンは人口の69%にリーチし、インプレッションは2400万。ウォールストリートジャーナル、ユーロニュース、ZDFをはじめとする国内外のメディアで取り上げられました。さらに、ビールの売り上げも13%増加したといいます。

センシティブな政治問題を、ビールというカジュアルなツールをもって緩和することに成功したキャンペーンでした。

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