可能性は無限大! 世界のクレバーなO2Oプロモーション8選

Case:Successfully integrated Online and Offline Marketing

ここ数年で一気に広がりを見せたO2Oプロモーション。スマートフォンとソーシャル・メディアの爆発的な普及によって、オンラインからオフライン(その逆も然り)への垣根がぐっと低くなりました。

さらにGPSやAR、NFCなどの新しい技術を絡めれば、プロモーションの手法は無限大。今回はそんな大きな可能性を秘めたO2Oの事例をまとめてご紹介します。

1.韓国大手スーパー、Wi-Fiルータ内蔵の『空飛ぶお店』で新規顧客獲得に成功


[国名:韓国/企業名:Emart]

韓国大手スーパーマーケット・Emartによるプロモーション。韓国の人々は世界で最も長時間働くといわれ、その結果いつも時間に余裕がありません。必然的に日常利用するスーパーではアクセスのし易さを最も重視することになり、“近場の店舗を好んで利用する人”の割合が他の国々に比べても多いという現状があります。

Emartはそんな韓国人の購買行動により従来取りこぼしていた、“距離の離れたエリアにいる見込み客”を新たに獲得するためにこのプロモーションを企画しました。

同社は“お客さんが来てくれないのであれば、こちらからお客さんのもとに行けばいい”というコンセプトのもと、Emartの移動ショップともいえる巨大バルーンを制作。この風船の中には無料でWi-Fiに接続できるWi-Fiルーターが内蔵されています。

この『空飛ぶお店』を人が集まる街の至る所で飛ばし、興味を持った市民がWi-Fiに接続すると、Emartのクーポンがもらえます。そして、そのままオンラインショップに誘導するという仕掛けでした。この試みにより、オンラインショップの売上は前月比157%も増加したといいます。

2.北欧の街の小さな工具店、生き残りをかけたO2Oプロモーションで売上が25%UP


[国名:スウェーデン/企業名:Malmö Hardware Store]

スウェーデンにある街の小さな工具店Malmo Hardware Storeが、大規模なホームセンターとの差別化を図るために仕掛けたユニークなプロモーション。

お店の売上の大半が、ペンキやクギなどの「消耗品」から成り立っていて、大抵1,2回しか使用しないような電動ノコギリや電動釘打ちといった「専門工具」は大した売上になっていないという点に着目した同社は、専門工具を“無料”で貸し出す「Toolpool」という企画を実施。

ユーザーは「Toolpool」のフェイスブックページで会員になり、借りたい専門工具と日にちを選びます。すると選んだ専門工具を貸し出してくれる店舗が表示されるので、後はセレクトした当日にその店舗に行って借りられるという流れです。

店舗に専門工具を借りに来たお客さんは、ついでに消耗品を合わせて購入してくれます。これこそが企画の最大のポイント。この結果、お店の売上は25%も上昇しました。

3.マクドナルド、無料Wi-Fiの“ネットワーク名”を通じて見込み客の来店を促進


[国名:スペイン/企業名:McDonald’s]

スペインのマクドナルドでは無料のWi-Fiサービスを提供しています。しかしWi-Fiの電波は店の外にまで及んでしまうため、“顧客でない人にまで利用できてしまう”という、本意ではない使い方をされることがありました。

そこで同社はその状況を逆手に取った、ある方法を考案。スマートフォンやタブレットでWi-Fiの設定をオンにすると、近くで使用可能な無線LANネットワークの一覧が表示されますが、その一覧に表示されるマクドナルドのネットワーク名を、“利用する人へのメッセージ”に変えたのです。

具体的にはこんな感じです。

「2時です。コーヒーブレイクの時間ですね。」
「マクドナルド店内では無料Wi-Fiに加え、無料でサンデーもプレゼントしていますよ。」

店の外でマクドナルドのWi-Fiを使おうとする人を店内に誘導する、巧みなアイディアですね。

4.ギネスビール、世界初の『QRコードグラス』でBuzzを誘発

[国名:USA/企業名:Guinness]

黒ビールでお馴染みの「ギネス・ビール」が仕掛けたプロモーショングッズ、「QR code cup」。

バーで提供する「ギネス・ビール」を注ぐパイント・グラスの表面にQRコードを描いていますが、このQRコードはグラスが空の場合や、普通のビールでははっきりと表示されず読み取ることができません。ギネスの黒ビールでグラスを満たした時にのみ、スマホで読み取ることができるのです。

コードを読み取ると、この『QRコードグラスの仕掛け』について、「Tweetする」、「Facebookで共有する」、「4squareで現在地のバーをチェックインする」、「インスタグラムでグラス写真を投稿する」のいずれかを選択して実行するように促されます。

SNSで拡散することで、お得なクーポンをダウンロードしたり、その“クーポンを友達にプレゼントして今いるバーに招待する”こともできます。お客さん達にもっと「ギネス・ビール」を好きになってもらい、彼らの話題にのぼることを意図して仕掛けたプロモーションでした。

5.“コーヒーカップの紙製ホルダー”にQRコード付ニュースを印刷


[国名:UAE/企業名:Gulf News]

中東の国UAEで英字日刊紙「Gulf News」が、購読者数のさらなる増加を図って大手コーヒーチェーンとタッグを組んで仕掛けたプロモーション。

お客さんがコーヒーショップでホットコーヒーを注文すると、店員は専用の印刷機でコーヒーカップのスリーブにニュースタイトルを印刷します。ここで面白いのが印刷されるニュースは、「Gulf News」のTwitterアカウントがTweetしたもの(全てWEB版のニュースタイトル)になっており、これにより常に最新のニュース・ヘッドラインをお客さんに提供することができるようになっています。

同時に該当のニュース記事にアクセスできるQRコードも印刷され、お客さんはコーヒーを飲みながら、ヘッドラインが気になった場合は携帯でQRコードを読み取って、記事の詳細を閲覧することができるという仕掛けになっています。

この試みの結果、開始2週間でニュースサイトへのアクセス数は41%増えて、新聞の購読数も2.8%アップという結果に至ったそうです。

6.顔認証技術を応用した“居眠り運転防止”アプリで、コーヒーショップへの来店を促進


[国名:タイ/企業名:Café Amazon]

“眠気覚ましにコーヒーを一杯”。洋の東西を問わず慣れ親しまれたそんな習慣に着目して、タイ最大手のコーヒーショップ「Cafe Amazon」が、自動車のドライバーをターゲットにしたプロモーションアプリ「Drive Awake」を開発しました。

使い方は至って簡単。アプリを起動し、自身の“眠くない正常な状態”の顔を認識させます。そして、iPhoneのディスプレイが自身の顔を捉えた状態のまま自動車を運転します。

運転中に眠たくて虚ろな目をしてしまうと…アプリに搭載されている顔認識テクノロジーが作動して、iPhoneからけたたましい鳥の鳴き声が鳴り響き、ドライバーの目を一時覚まさせてくれるという仕掛けです。

それでも目が覚めないドライバー向けに、アプリには近隣にあるCafe Amazonの店舗をガイドする機能が搭載されていました。「アプリを使って居眠り運転防止を啓発し、さらには店舗にも誘導してしまおう」という愉快な取り組みでした。

7.電車の待ち時間にスマートフォンでお買物

[国名:韓国/企業名:HomePlus]

韓国大手スーパーマーケット「Home Plus」によるプロモーション。地下鉄構内に“バーチャルストア”をオープンし、「Home Plus」の実店舗と同じように、様々な商品が陳列されているビジュアルのディスプレイを制作、設置した企画です。

ディスプレイにうつし出されている商品にはそれぞれQRコードが記載されており、地下鉄利用者はスマートフォンで各商品のQRコードを読み込むことで、該当する商品をオンラインで購入することができ、その商品を自宅まで届けてもらうことができます。

結果、スマートフォンを活用して10,287人のユーザーが新しくショッピングを行うことにより、新規顧客が76%、売り上げは130%増加したといいます。

8.レンタルする前にスマホで予告映像を視聴できる「チョイ見」サービス

[国名:日本/企業名:TSUTAYA]

日本最大手の音楽・映像ソフトのレンタルチェーン「TSUTAYA」が、渋谷店においてNFC対応スマートフォン活用した実証実験を実施しました。

「『タッチでチョイ見!』NFC体感コーナー」と名付けられた特設コーナーでは、NFC対応スマートフォンを店頭POPや商品パッケージの所定位置にかざすと、映画・ドラマ等の予告映像を視聴することができます。レンタルする前に作品の内容を確認できるため、顧客満足度のアップにつながるという訳です。

実店舗へ誘導後オンライン上の販促を展開、さらにリアルでの購買へと導くO2O2O(オフライン→オンライン→オフライン)を実践した事例でした。

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