洗剤メーカーが洗いたくないTシャツを開発! 英国EcoverのPR施策

大切な試合に勝ったときのユニフォームや、幸運な出来事があった日に着ていた服は、縁起がいいからと、洗うのをためらった経験がある人も少なくないでしょう。

英国の洗剤ブランド「Ecover」が、そんな心理に着目したユニークなキャンペーンを展開しました。

同ブランドが実施した調査によると、英国人の30%が幸運をもたらすと考えている服を、運が逃げてしまうことを恐れて洗わないと回答。また、54%が服装は運に影響すると考えていることも明らかになりました。

そこでEcoverが開発したのが、幸運を象徴する素材を使った4種類のTシャツ「The Unwashables」です。

Tシャツには、西洋で幸運の象徴とされる四つ葉のクローバーや馬蹄、願いの井戸の水、流れ星にまつわる素材を使用。四つ葉のクローバーをつぶして染料にしたり、さびた馬蹄を生地に巻き付けて染色したりと、それぞれの素材を実際に加工に取り入れています。

流れ星をテーマにしたTシャツには、約6,000年前の隕石を粉末にしたものまで使われました。

完成したTシャツには、素材に由来する独特の色むらや模様が施されています。洗濯表示のタグにも「このTシャツは流れ星のちりを使って作られました」といった説明が添えられ、幸運をまとった特別な服であることを印象づけています。

キャンペーンは、2026年9月のサステナブルファッションウィークに合わせて展開され、SNSではTシャツのプレゼント企画も実施されました。

一見すると、洗剤メーカーが「洗いたくない服」を作るという、矛盾した取り組みに思えます。しかし、その背景には、服を大切に扱い、長く着続けることの重要性を伝えたいというEcoverの考え方があります。

今回の企画で興味深いのは、迷信という非科学的なテーマを扱いながら、調査で明らかになった心理を出発点にしていることです。

幸運を逃したくないという気持ちを否定するのではなく、ユーモアのある商品へと発展させることで、衣服との付き合い方を考えるきっかけを生み出しています。

洗剤の機能を直接訴えるのではなく、あえて「洗わない」という発想を取り入れた今回のキャンペーンは、生活者の身近な心理を捉え、ブランドの価値観を意外性のある形で伝えています。

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