世界はもっと先を行く!? 斬新な海外プロモーション事例30選【2026年更新】
PR EDGEは、広告PRパーソンの自由な発想を刺激する海外事例を積極的に配信しています。
今回は、さまざまな海外プロモーション事例の中から30事例をピックアップしました。
国内とはひと味違う個性豊かな海外プロモーション事例をお届けします。
1. 極限までシンプルを貫く ユーザー愛を表現した南米・スズキのCM
南米エクアドルで事業を展開してから実に30年が経過した自動車メーカーのスズキは、これまでのコミュニケーションを通じて、ただのメーカーとしてではなく現地の住民から愛される存在となっています。
そんなブランド資産を明快に描いたCMが、新型スイフトの発表のタイミングに合わせて公開されました。
CMタイトルは“Everybody Loves Swift(みんなスイフトが大好き)”というこの上なくストレートでわかりやすいもの。
セリフを極限まで削った映像では、街中に停車しているスイフトに思わず見惚れてしまったり、写真を一緒に撮ろうとするほどその惚れ込んでいる様子が描かれます。
スペックなどの機能性能ではなく、ブランド理念といった抽象度の高い内容でもなく、ただひたすらユーザーから愛されているという真っ直ぐなメッセージをミニマルでシンプルな映像で伝えた、真似できるようで意外と真似ができないCMでした。
2. 陰謀論から始まる観光広告? 定石を外し続けるIcelandairの新アプローチ
PR EDGEではこれまでも、Icelandairが手がける、皮肉とユーモアを巧みに織り交ぜた観光プロモーションを紹介してきました。
過去に取り上げたCMは、あまりにも美しい絶景が「AI生成画像ではないか」と疑われてしまう現象を題材に、AI画像が日常に溶け込んだ時代ならではのトレンドを軽やかに取り扱ったもの。
一方、今回のキャンペーンが扱うのは見た目の真偽ではありません。オーロラをめぐる陰謀論という題材を通じて、事実そのものが疑われる時代をユーモアで描き出す、さらに踏み込んだ視点が見られます。
この動画の秀逸な点は、オーロラの仕組みや観測条件といった、少し専門的でありながら思わず気になってしまう情報を、押しつけがましくなく伝えている点です。
通常であればテロップやナレーションで説明されがちな内容を、コメディー仕立ての会話に落とし込むことで、自然と頭に入ってくる構成になっています。
誤解や疑問をユーモアに変えながら解きほぐすことで、オーロラへの理解と関心が自然と深まり、やがて「本物を見に行ってみたい」という感情へとつながる設計。その巧みさが光る事例です。
3. 言葉で説明せずに伝える マクドナルドのストーリーCM
今回紹介するのは、オーストリアで公開されたマクドナルドのCM「A Big Big Rösti Story」。静かでありながら、深い余韻を残す1本です。
物語は、落ち込んだ様子の高齢男性と、彼を気遣う男性が並んで歩く場面から始まります。会話はなく、BGMと表情、仕草だけが手がかり。説明を削ぎ落とした演出です。
やがて映像は現在と過去を行き来し、2人は少年時代の姿に、そして再び老年期へ。人生の時間が折り重なり、観る側に自然と「記憶を追う物語」だと悟らせます。
最後までマクドナルドのCMだと明かされないため、「これは何の広告なのか」という問いを抱えたまま、視聴者は物語を見届けることになります。終盤、2人がたどり着く場所がマクドナルドだとわかった瞬間、それまでの歳月が一本の線で結ばれます。
ここで意味を持つのが、マクドナルドがオーストリアに進出したのが1977年だという事実。約半世紀にわたり人々の生活に根付いてきたからこそ、高齢男性の人生とブランドの時間軸を重ねる語りが成立します。
4. ユニリーバ×Google Cloudが挑む新たなマーケティング戦略

イギリスを代表するグローバル日用品メーカー・ユニリーバが、Google Cloudとの5年間の戦略的パートナーシップを発表しました。
両社が目指すのは、AIを核にした“次世代のコンシューマー体験”の構築。Google CloudのVertex AI(AIモデルの構築・運用基盤)を活用し、マーケティングやサプライチェーンの複雑なタスクをAIが自律的に判断・実行する仕組みを整備します。
これまでのデジタルマーケティングは、検索結果やSNSフィードの中でいかに視認性を獲得するかという競争でした。
しかし今後は、GoogleのAI(Geminiなど)が消費者の好みや状況を理解し、対話を通じて最適な商品を提案・購入まで誘導する世界が現実味を帯びています。
“広告枠を買う”という従来のマーケティング手法が通用しなくなる中で、どのようにブランドの“らしさ”をAIのアルゴリズムに刻み、消費者の信頼をとっていくのか。そんな新次元のマーケティングが求められています。
5. ラグジュアリー業界に潜む「見えない差別」を可視化|ロレアルのCSR事例
ラグジュアリーブランドの店舗は、誰もが平等に楽しめる場所のはずーー。しかしロレアルの調査が示したのは、ブラジルでは黒人生活者が思いがけない形で疎外感を感じてきたという現実でした。
調査によると、約91%の黒人生活者がラグジュアリー店舗で何らかの差別的経験をしていると回答。また、54%が「その店舗には二度と行かない」と答えています。
こうした状況を受け、ロレアルのラグジュアリー部門が業界として初めてとも言える明確なアクションを起こしました。黒人生活者が店舗で尊重され、安全に買い物できる環境を整えるための行動指針の策定です。
特徴的なのは、問題の多くが「気づかれにくい慣習」として起きていた点に着目したこと。悪意のある言動だけでなく、無意識の対応や習慣的な扱いの差が排除につながり得ると指摘し、「何が不適切な行動か」を具体的に言語化しました。
6. Googleの一手に学ぶ これからのビジネス戦略に欠かせないCSRの視点とは

GoogleとAES Corporation が、テキサス州における大規模エネルギー契約を締結したと発表しました。その内容は、Googleが新設するデータセンターに対し、AESがグリーンエネルギーを供給するという長期契約です。
近年、ビッグテック各社はデータセンターの新設を加速させています。AIやクラウドサービスの拡大により、データ処理能力の需要は爆発的に増加。
データセンターは莫大な電力を消費し、広大な土地を必要とします。地域社会への影響や環境負荷をめぐり、世界各地で賛否の声が上がっているのも事実です。
そうした背景の中で、データセンターの運営をグリーンエネルギーで支えるという選択をとったGoogle。「拡大」と「配慮」を両立させようとする姿勢の表れともいえます。
テクノロジーの進化と環境問題への対応を切り離さないという意思表示です。
世界の巨大企業がこのレベルで環境配慮を前提にした事業設計を進めている現実を、日本企業も無視することはできません。
環境への取り組みは企業の”付加価値”から”前提条件”へと変わりつつある中で、自社はどう向き合うか。改めて問い直すきっかけとなる事例です。
7. 苦情をネタに「開けにくさ」を逆手にとったチュッパチャプスのマーケティング
「チュッパチャプスの包み紙は開けにくい」。そんな声を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。キャンディブランドのChupa Chupsが、この“開けにくさ”を逆手に取ったユニークなキャンペーンを公開しました。
今回発表されたのは、その名も「Impossible」(不可能)。ブランド史上“もっとも開けにくい”チュッパチャプスです。
動画では火で炙る、刃物で切る、油圧プレスで潰すなどの実験が行われますが、それでも簡単には壊れません。まさに“人間では開けられない”ロリポップです。
しかしこの施策の本当の目的は別にあります。チュッパチャプスは、長年指摘されてきた包装の課題を改善し、新しい開けやすいパッケージを導入。
そのローンチに合わせて、あえて“開けられない”商品を作ることで話題化を狙ったのです。
クレームを隠すのではなく、むしろネタとして活用する。チュッパチャプスの今回のキャンペーンは、ブランドのユーモアとSNS時代の拡散力を巧みに掛け合わせたマーケティング事例といえるでしょう。
8. 「羽の生えた羊」は本物? AI詐欺の危険を伝えるVisaのPR

金融ブランドのVisaは、詐欺師が使う手口を逆手に取り、AI詐欺の危険性を体験型で伝えるキャンペーン「The Feathered Lamb」を公開しました。
キャンペーンの入り口となるのは、一見するとSNSで拡散されそうな投稿。たとえば「羽の生えた羊を育てている先住民族を支援しよう」といったメッセージとともに、不思議な動物の画像が紹介されます。
「さすがに嘘だろう」と思いながらも、思わず「もしかして本当?」と感じてしまう絶妙なリアリティで描かれています。しかし、これらの投稿はすべてVisaが仕掛けたフェイクです。
投稿を信じたユーザーにはネタバラシの動画が届けられます。寄付や支援を装った詐欺の多くが、こうしたリアルな画像や動画によって信頼を装っていることを伝え、注意を呼びかけます。
AI技術が進化するなか、オンライン詐欺の手口も高度化しています。今回のキャンペーンは、そうした現代の課題に向き合いながら、Visaが掲げる「安全な決済」の価値を伝えるPR施策といえるでしょう。
9.「ほぼ何でも」届ける? Uber Eatsの言葉遊びCM
フードデリバリーサービスのUber Eatsが展開するキャンペーン「Get Almost, Almost Anything」は、英語の言葉遊びを巧みに使ったユーモラスなCMシリーズです。
Uber Eatsはこれまで、レストランの料理だけでなく食料品や日用品など、さまざまな商品を届けるサービスへと進化してきました。そこで同社が掲げたメッセージは「ほぼ何でも(almost anything)届ける」というもの。
今回のキャンペーンは、この言葉を文字通りに解釈した“勘違い”をコメディとして描いています。
たとえば「Hot Dogs」をテーマにしたCMでは、Uber Eatsで注文できる食べ物のホットドッグではなく、“魅力的な犬(hot dog)”が登場。プールサイドでくつろぐ犬の姿が映し出され、「それは配達できません」とユーモラスなオチがつきます。
あえて「何でも届ける」とは言わず、「ほぼ何でも」と表現。配達できないものもあることを前提にしながら、その“できないこと”を逆手に取る発想が、このCMシリーズのユーモアにつながっています。
10. “ばかばかしさ”が狙い AI生成動画を元に英・KFCが制作したピクルスジャケット
ピクルスが詰められたダウンジャケットーー。そんな一見奇妙なアイテムを、KFCが発表しました。食品ブランドが服を作るだけでも意外ですが、中身がピクルスとなればなおさらです。
透明な素材のジャケットの中には、何百枚ものピクルスと鮮やかな漬け汁が詰められており、着用者の動きに合わせて中身がゆらゆらと揺れます。
胸元にはチューブが通っており、ピクルスの漬け汁を直接吸い上げられる仕様に。ジッパーの引き手までピクルス型という細部へのこだわりからも、この企画が”やりきること”に価値を置いていることが伝わってきます。
突き抜けた発想が生まれたきっかけは、TikTok上に投稿されたAI生成動画でした。ピクルスまみれのジャケットを着た人物がピクルスを配るという映像で、「いいね」はわずか100件程度。それでも「本当に作ってしまおう」という意思決定につながりました。
KFCの担当者は「常軌を逸しているが、それこそが狙い」と語っています。合理性や実用性ではなく、「なぜこれを作ったのか」と思わせる違和感が人の注意を引きつけ、会話を生み出すのでしょう。メディア掲載とSNS拡散を最初から織り込んだ、現代的なPR設計の好例です。
11. 架空の“トウキョウ”を描いた英・BBCの東京2020オリンピックのCM
2021年イギリスの国営放送局BBCが、東京2020オリンピック競技大会(以下、東京オリンピック)を現地でPRするための架空の東京を描いたCMを公開しました。
商店街やゲームセンターといった日本独特の進化を遂げた景色に合わせて、ボーカロイドを活用しつつ雅楽を思わせるような演出を加えた音楽とともに、東京オリンピックを描いた動画は、多くのイギリス国民にとっては異国の地で開催されるオリンピックへの期待感を醸成する内容になっています。
12. 人間も野菜も見た目で判断してはいけない! ギリシャのNGOが世界食料デーに公開した広告

2021年ギリシャのNGO・Boroumeが、10月16日の世界食料デーに合わせて、見た目が美しくないことを理由に食料を廃棄してしまうことはナンセンスだと訴えるために、人間のようにも見えるいびつな形をした野菜を主役にしたビジュアル広告を公開しました。
ねじれ曲がったにんじんを紹介しているバージョンでは”MONSTER!(このバケモノ!)”、まるで男性の横顔のようにも見えるじゃがいもを紹介しているバージョンでは”UGLY!(醜すぎる!)”と書かれており、人間が対象であれば差別的にも捉えられるであろう汚い言葉を投げかけられている野菜たち。
その栄養価は店頭にならぶ野菜と大差ないのにも関わらず、見た目だけで不要と判断されてしまう業界の慣習に疑問を投げかけています。
13. トイザらスが問う「欲しいおもちゃがもらえる権利VS両親にめいっぱい甘えられる権利」子どもたちが選んだのは?

2022年スペインのトイザらスは、子どもたちが本当に欲しいものは何かを描いたブランディング動画を公開。「子どもたちが本当に欲しいものは何なのか?
わたしたちはそれを見つけるために、小さな実験をすることに」からはじまるインタビュー風の演出で一見すると心温まる動画かと思いきや、最後には意外なオチが用意されています。
感動的な結末になるかと思いきや、子どもの純粋さにフォーカスすることで、“おもちゃがなんでも揃う場所”としての同社の存在感をアピールしました。
14. “Hey Siri”ではなく“Hey Wendy”でアシストされる、Wendy’sがPRのために制作したスマートフォン
For the chance to get yours, download the Wendy’s app, 💗 and screenshot your favourite Wendy’s order, then Tweet it out with #WendysPhone and #Contest. You can try again every day. Learn more about the phone here: https://t.co/sRHZ7UXUuF
Rules & Regs: https://t.co/8C1lzgZuM1 pic.twitter.com/MfVFMAgO0V
— Wendy’s 🇨🇦 (@WendysCanada) September 27, 2021
2022年、ファストフードチェーンWendy’sカナダが、自社アプリの全面リニューアルを記念して、オリジナルのスマートフォンを制作、数量限定でSNS上でのプレゼントするキャンペーンを実施しました。
The Wendy’s Phoneと名付けられたスマートフォンは、一般的な機能に加えていくつかのユニークな特長を備えています。それは近くのWendy’s店舗の位置を特定できるGPS機能や、「Wendy’sの広告を閲覧し、Wendy’sを注文し、Wendy’sを食べながら映像を見るのに十分」なバッテリー寿命、さらに「ベーコネーター(同社が提供するベーコン入りのハンバーガー)に入るベーコンよりも多くのピクセルで写真を撮影できる」前面および背面カメラです。
特設サイトもユーモア満載で、よくある質問のコーナーには「Q.なぜ携帯電話を作ったのですか? A.ただ作りたいと思ったから」「Q.電話はできるの? A.はい、電話ですから。」「Q.テキストは? A.電話だよ」というやりとりを掲載しています。
15. せーの、で退職! コンテンツクリエイター志望者を手厚くサポートするキヤノンの企画
2022年大手精密機器メーカーのキヤノンが、動画配信サービスの発展に伴いコンテンツクリエイターという職業が世界中で注目されていることを受け、いまの仕事を辞めてでもクリエイター志望者を全面的にサポートするキャンペーン「Ready. Set. Quit.(せーの、で退職)」を実施しました。
同企画はCanon Nordicが展開し、コペンハーゲンのUncle Greyがディレクションを担当。特設サイトに辞表を提出して応募すると、当選者4人に対し、キヤノンがカメラとレンズの提供、さらにプロによる指導「メンターシッププログラム」の費用負担を肩代わりする内容になっています。
16. 透明人間を相手にしている? 企業面接を皮肉たっぷりに描いた採用広告
自動車関連の金融業やリースビジネス分野でソフトウェア開発を行うベルギーのSoficoは、採用活動においてエンジニアたちのスキルと向き合うという企業姿勢をアピールしたCMを公開。動画の中では、架空の企業の採用担当2人が転職希望者の本当の姿を見ずに採用してしまう様子がユーモアを交えて表現されています。
企業の採用担当者がエンジニアのスキルを過小評価しがちな現状を皮肉たっぷりに揶揄しつつ、自社がいかに採用活動に本気であるかを力強くアピールしました。
17. “うんちを模したソフトクリーム”で、バーガーキングが伝えたかったメッセージとは
大手ファストフードチェーンのバーガーキングは、同社が提供するソフトクリームが人工添加物フリーになったことをアピールするために、今まで使用していた添加物をあえて根本から否定した限定商品とCMをブラジルのマーケットに向けて公開しました。
その限定商品というのは、添加物を使用していない食品はクリーンであるというメッセージを込めた“POOP EMOJI ICE CREAM(うんちの絵文字ソフトクリーム)”という名前が付けられており、食品とは真逆のイメージを象徴したビジュアルに仕上がっています。
世間的なイメージから人工添加物が含まれていると思われがちなファストフードチェーン特有の悩みを、強いメッセージ性とそれを上回るほど強烈なインパクトのビジュアルで否定することで、ハンバーガーだけでなくソフトクリームの原材料にもこだわったブランドであるということをアピールしました。
18. 「わたしたちは技術オタクです」 複雑なサービスを支えるエンジニアたちを描いた、カナダの決済サービスのブランディング動画
カナダの電子決済サービスInteracは、ユーザーからすると一見シンプルなサービス内容も、実は複雑なプログラムによって支えられていることをユーモアを交えて表現したCM「We Geek Out(わたしたちは技術オタクです)」を公開しました。
架空のInterac社員を主人公にした動画は、一般人には理解が難しい単語をあえて羅列することでサービスを作り上げている技術力にフォーカスしています。店で食事をしていた女性客たちが会計をしようとして、店員に「お支払いはどうしましょう?」と問いかけられます。
それに対し、「「暗号化されたわたしのデジタルウォレットとあなたのPOSターミナルを繋ぐための近距離通信技術を活用した自分のお金で払うよ。もうしばらくすれば同じ技術を応用できるようになって、デジタル上であなたの個人情報だって認証できるようになるみたいだよ」と、技術的な用語を早口で返す主人公――。
自社の技術力の高さを社員と結びつけ、笑いを誘うやりとりで構成されたCMは、Interacのサービスを支える人々を最大限アピールしました。
19. 追いつけば「50%OFFクーポン」がもらえる“走るOOH”の正体とは?

世界的なスポーツウェアメーカーのアディダスが、ランナー専用に設計したイヤホンのプロモーションを行うために、割引クーポンのQRコードが配置されたポスターを背負ったランナーを街中で走らせるという“動くOOH”を公開しました。
ポスターを背負ったランナーは全員が訓練されたエリートで、50%OFFとなる大幅な割引を手に入れるためにユーザーは走りながらQRコードを読み取らなければいけないというチャレンジ要素を含んだ施策です。
購買ターゲットが明確な商品だからこそ、潜在的な購買層に直接アプローチをかけられる手法で割引クーポンを配布することに成功したようです。
20. 紙幣に書かれた人物、全員言えますか?遊び心あふれるVISAのOOH

2023年、クレジットカードの国際ブランドVISAが、自分たちこそがキャッシュレスの歴史を作ってきた存在であることを伝えるため、あえて“キャッシュ”を主役に置いたOOH「Cashless Since 1958(1958年からキャッシュレス)」を公開し、紙幣に書かれた歴史上の人物や場所すら思い出せないほどVISAはキャッシュレス決済を体現しているとアピールしました。
複数公開されたビジュアルはいずれも同じような構成となっており、中央部分が空欄になった紙幣と、そこに入るべきものは何かを問いかけた短いキャッチコピーだけで作られています。1万円札が主役のバージョンでは「東京駅か京都駅か」、5ユーロが主役のバージョンでは「窓か門か」という問いかけや……。
他の電子決済サービスと比べても一般的と言えるクレジットカード会社ならではのメッセージを、少し考え込んでしまうような構成にすることで興味を引くような内容に仕上がりました。
21. “小麦粉を投げる新婦の絵”?AIイラストツールで正しい綴りを知ることの大事さを描いた仏・出版会社
フランスで高い認知度を誇る辞書や文法参考書を出版するBescherelleが、単語の正しい綴りを把握することの大切さを描いたプリント広告を公開し、AIイラストツールの発達によって言葉だけで絵が描けるようになった現代において、綴りの間違いによって予想とは異なる作品が誕生する可能性をユーモアあふれるビジュアルで表現しました。
ビジュアルは5種類で、いずれのバージョンにおいても右下に「AIのおかげで言葉だけで絵が出力できるようになりました。正しい言葉が使えるといいですね」と皮肉たっぷりのフレーズが書かれており、中央には出力された絵と、その上には出力するにあたり元となった指示フレーズが記されています。
勉強机の上に乗った浮き輪が描かれたバージョンの上部には「教室で座っている浮き輪」との表記がありますが、よく見ると“buoy(浮き輪)”が“boy(少年)”の誤植であり、たった1文字の違いで本来描こうと思っていた内容とは別のものが仕上がってしまったことが伺えます。
わずかなミスが意味不明な絵を作り上げた例を示すことで、正しい綴りを知っておくことの重要性と自社の商品を買うことの直接的なメリットをストレートに表現しました。
22. あなたの愛はどれくらい?花瓶の大きさでパートナーへの愛の大きさを問いかけたセラミックブランド
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パリに拠点を構えるハンドメイドのセラミックブランドThree Sevenが、プレゼント需要を喚起するためのOOHを公開しました。繊細な色使いと力強いキャッチコピーを組み合わせたビジュアルは、愛する人へのプレゼントとして商品を描くことでターゲットを明確に絞っています。
“HOW MUCH DO YOU LOVE HER?(彼女のことをどれくらい愛していますか?)”というキャッチコピーと異なるサイズの3種類の花瓶が描かれたポスターは、優しい雰囲気とは対照的な言葉使いをすることでインパクトを高めており、通りがかりの人でも印象に残るような構成になっています。
23. 絶滅危惧種の数に合わせて少しずつ消えるフォントを開発したWWFの悲痛な叫び
国際自然保護連合が2019年に公開した絶滅危惧種の数は2万8338種類にも上り、年々加速する環境破壊に比例するようにその数は増えています。なかには実際に絶滅してしまったと言われている生物も決して少なくありません。
そんな絶望的な状況を打破すべく、世界自然保護基金(以下WWF)のポルトガル支部は絶滅危惧種にちなんだPC用フォントを開発し、一つひとつの文字で特定の生物がどれだけ絶滅に近いかを表現しました。
“The Endangered Typeface(絶滅危惧種のフォント)”というわかりやすいタイトルがつけられた施策は、専用のWebサイトで寄付を行えばフォントをダウンロードできる仕組みです。事実上フォントを購入しているのと同じで、代金はすべてWWFの活動資金へと充てられることになります。
24. あなたの“パスタワード”はなんですか?サイバーセキュリティ強化のためパスタ名のパスワードを提案した施策
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目まぐるしく進化していく人工知能や情報技術の発展に伴い、世界中の国々でサイバーセキュリティを強化する重要性が注目されています。大規模な情報流出に繋がりかねない企業はもちろんのこと、個人レベルでもパスワードをはじめとした認証システムを見直すことで悪意ある第三者から身を守る可能性を大幅に上げられます。
そんな情報管理の重要性を訴えつつ、一見すると関係のない自社商品をアピールすることに成功した一石二鳥な施策が大手パスタブランドBarillaから公開されました。
25. 死ぬ瞬間をツイートすればハリウッド女優からリプがもらえる!大人気“死にゲー”のPR施策

Activision Blizzardが全世界で販売するハックアンドスラッシュゲーム(バトルに主軸を置いたゲームのジャンルで、日本国内の有名タイトルとしては真・三國無双シリーズやベヨネッタなどが挙げられる)の代名詞的存在・Diabloシリーズから、完全新作となるDiablo IVが2023年6月6日に発売されました。
2012年のDiablo IIIから11年待ち望んでいたファンの気持ちをさらに盛り上げるべく、ゲーム内のとある瞬間を激写したスクリーンキャプチャを専用タグと一緒にSNSに投稿すると、人気ハリウッド女優Megan Foxから個別でリプライが届くSNS施策が実施されました。
26. 「これを飲むなら太った人の汗を飲んだ方がマシ」 アンチコメントを昇華したCM
アメリカの飲料ブランドLiquid Deathは、その斬新かつ挑戦的なコミュニケーション手法が原因でしばしばネットで炎上している企業として有名です(関連記事)。検索サイトやECサイトのレビュー欄には多くの辛口コメントが投稿されており、その一部には誹謗中傷に近いものもあります。
なかでも「Liquid Deathを飲むくらいだったら太っている男の背中の汗を舐めていた方がマシ」というコメントは、もはや根拠のない“アンチコメント”であると言えますが、この投稿を受けた同社が公開したのは「太っている男の背中の汗かLiquid Deathだったらどっちが選ばれるのか」というまさかの実証実験映像。
何も知らない一般人がLiquid Deathと太っている男性の背中の汗、両方を味見した上でどちらを選ぶのかというインパクト抜群の動画に仕上がっています。
27. KFCのフライドポテトが“死んだ”!?前代未聞のポテトの葬式配信
ファストフード大手のケンタッキーフライドチキン(以下KFC)は、オリジナルチキンが主力の企業ですが、一方でKFCカナダのフライドポテトの評判は決して高いとはいえませんでした。定番サイドメニューであるにもかかわらず、多くのユーザーから「ふやけている」や「味付けが薄すぎる」などの声が続出し、人気商品と呼べない状況だったのです。
それを真摯に受け止めたKFCカナダは、フライドポテトの大幅リニューアルを決行。味付けから調理法まで変えて生まれ変わった新しいフライドポテトのプロモーションにあたり、前代未聞の“古いフライドポテトのお葬式”をライブ配信しました。
2023年8月1日、現地時間の正午に配信された動画では、大量の古いフライドポテトが霊柩車で運ばれていく様子を放映。“葬式”という商品プロモーションとは一見相性の悪い表現方法に落とし込むことで、インパクトは抜群の内容に仕上がっています。
28. Appleは90年代の技術を使い回している!?衝撃的なAndroidのCM
「アンドロイドとiOS、どちらが優れているのか?」という問いは日本国内でもしばしば話題に挙がるトピックですが、これは日本だけに限った話ではなく世界中の人々の関心事でもあります。
iPhoneユーザーが多い日本に対して世界の市場シェアではアンドロイドが優勢で、両社は常に互いのユーザーを取り込もうとさまざまな施策を展開しています。
そんな中、アンドロイド側は2023年、iPhoneで使用されているSMSの技術は1990年代に使われていた古の技術であるというメッセージをアップル風の演出が満載の映像で皮肉たっぷりに打ち出したCMを公開しました。
29. 普通の人に普通の服を!Googleストリートビューを活用したフランスのOOH
いわゆる“定番商品”を販売するブランドの多くは、定番だからこそ訴求するメッセージがどうしても幅広いものになってしまう課題を抱えています。誰もが気軽に使えるブランドであればあるほど、ターゲット層が広くなってしまい、その分受け手側が自分ごと化しにくいものになってしまいます。
フランスのファストファッションブランドCelioも例に漏れず同じような悩みを抱えていましたが、あえて“汎用的である”ことを多くの人が共感できるようなフレームに落とし込むことで、普遍性を保ちつつもどこかパーソナルな印象を受けるOOHキャンペーン公開しました。
30. これが最先端ファッション!?クノールが発表した世界最小級のバッグ
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2023年、Gigi HadidやCardi Bをはじめとしたさまざまなハリウッドセレブがきっかけとなり大流行となった極小サイズのハンドバッグ。「そんなに小さいバッグの中に何が入るの?」と聞きたくなるような代物ですが、さまざまなハイブランドが発売することで利用者も増え、日本国内でもしばしば目にするようになりました。
一連の中で、特に異様だったのは大手食品メーカーのクノールです。“The Bouillon Bag(ブイヨン専用バッグ)”というタイトルで2024年発表されたのは、指先でしか持てない極小サイズの“コンソメ専用バッグ”でした。
国内とはひと味違う海外プロモーション事例30選まとめ
文化や予算規模など国内とはスケール違いのものも多くありますが、届けたいターゲットの選定やそこへ訴求するための工夫の方策には、国内向けのプロモーションにおいても参考になる事例もたくさん含まれています。
人々の心を揺さぶるメッセージ性は世界共通。受け取り手が、「してやられた……」と思わせられる施策アイデアを、生み出してみたくなるようなワクワクする事例集となりました。
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