人気ゲーム「エルデンリング」の仕様を利用しフェイクニュースの危険性を訴えた欧・経済誌

マスメディアにWebメディア、SNSの発達によってさまざまな情報が錯綜する時代になったことで、正しい情報を選別することが未だかつてないほど困難になってきました。悪意の有無を問わず、誤った情報が広がることに恐怖を感じ、わたしたち一人ひとりがしっかりとソースを確認しながら何を信じて何を他者に伝えるかを常に意識しないといけなくなったと感じる方も多いのではないでしょうか。

そんな中、ハンガリーのブダペストに拠点を置く経済誌Budapest Business Journalは、そんなフェイクニュースの影響を浮き彫りにするためにゲーム配信者とタッグを組み、フロム・ソフトウェアが2022年に発売した大人気ゲーム「エルデンリング」において“偽の情報”を炙り出す施策を公開しました。

「狭間の地」と呼ばれる広大なオープンワールドを冒険しながら世界の王を目指すRPGである同作は、ゲーム内の仕様として全プレイヤーが任意の場所に“他のプレイヤーの冒険の指標となるメッセージ”を書き残すことができます。

道の先に待ち受ける強敵について警告するものから隠し通路の場所を告げるものまで、メッセージの内容はさまざまですが、プレイヤーが自由にメッセージを残すことができるため、中には他のプレイヤーを貶めるようなメッセージが見つかることもあります。

そんな状況を打破するためにBudapest Business Journalが企画したのは、国内で有名なゲーム配信者とコラボし悪意のあるメッセージの場所を特定し、世界中のエルデンリングのプレイヤーに向けて警告を発信してもらうという施策です。配信者たちの知名度も相まってこの施策は瞬く間にゲーマーの間で広まり、同社のWebサイトへの流入は施策前と比べて427%増加し、7200万インプレッションを獲得。正しい情報を発信し続けることが使命のメディアとして、フェイクニュースの関心を高めるとともに自社の名前をゲーマーの間で広めることに成功しました。

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