2日間で1トン超完売の実績を次へ 角上魚類“活魚車”直売会の集客術
鮮魚専門店「角上魚類」を展開する角上魚類ホールディングスは、2026年7月11日(土)と12日(日)の2日間、埼玉県の狭山店で北海道産活ほたての直売会を開催。
店舗前の駐車場には全長12メートル・約12トンの巨大な配送トラック「活魚車(かつぎょしゃ)」が横づけされ、その場で水槽から引き上げた活ほたてを1枚250円(税込)で販売しました。
第2弾を後押ししたのは、前回の完売実績でした。同社は2026年6月27日(土)と28日(日)に草加店で同じ活魚車の直売会を開き、台風が接近する悪天候にもかかわらず早朝から行列ができたそうです。
初日は昼過ぎに、2日目は午前中に売り切れ、合計1トンを超える活ほたてを販売しました。「あの熱気をもう一度」という反響そのものが、次の開催を動かす原動力になっています。

角上魚類が掲げるのは「日本一の魚屋」という目標です。日本一とは店舗数や売上高などの規模ではなく、商品や店舗、働く人の質を指すと説明しています。海のない内陸の街へ市場の活気と鮮度を丸ごと運ぶ活魚車は、この価値観を目に見える形にした仕掛けといえるでしょう。
また、買う前から食べたあとまでが地続きになっている点も見逃せないポイントです。水槽から大きなタモでほたてをすくい上げる水揚げの実演は、子どもも大人も思わず見入る迫力。隣のキッチンカーからは焼きたての殻付きほたての香りが漂い、活ほたてだけを買うつもりだった来店客の手も、つい伸びてしまうでしょう。さらに、専門スタッフ「親切係」が、殻の開け方や刺身と焼きで変わる味わいの違いまで、その場で手ほどきします。

この企画の強みは、完売という結果を次の集客へ変えている点にあります。「売り切れました」という事実は、見方を変えれば機会損失の報告にもなるはずです。
ところが角上魚類は、それを「次は早めに行かなければ」という来店動機に変換しました。数量限定の希少感と、水揚げから試食までの実演を組み合わせ、買い物そのものを体験に仕立てたことで、一度の完売が次のにぎわいを呼ぶ流れが生まれています。
リピートを支えるのは、価格の手頃さだけではありません。市場さながらの活気と、魚のプロが寄り添う安心感という日々の売場の価値を、非日常のイベントに凝縮したからこそ来店意欲が積み上がります。
実演や試食を扱う小売の販促に幅広く応用できそうな、過去の完売を次の期待につなぐ体験づくりです。
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