ミシュランシェフの店で出てきたのは学校給食? 英国で仕掛けた驚きのレストラン

英国で、子どもたちの食環境について考えるきっかけをつくるユニークなキャンペーンが行われました。

仕掛けたのは、学校給食の改善に取り組む「The School Food Project」。ミシュラン星付きレストランを率いる英国の著名シェフ、Angela Hartnett(アンジェラ・ハートネット)とともに、期間限定レストラン「Centena」をオープンしました。

招待されたのは、フードライターやインフルエンサーなど食への関心が高い人々。Hartnettが手がける料理を期待して席につきますが、運ばれてきたのは加工されたチキンバーガーやフライドポテト、ベイクドビーンズなど、実際の学校給食をもとにしたメニューでした。

事情を知らない参加者からは、料理の味や質に対して厳しい反応が上がります。

そこで明かされたのが、この食事の本当の目的です。自分たちが口にしていたものが、子どもたちが学校で食べている給食を再現したものだと知らされます。

さらに種明かしの後には、より良い学校給食の可能性を示す料理も提供。単に現状への問題意識を促すだけでなく、「学校給食はどう変えられるのか」まで食事を通じて体験できる構成になっています。

「子どもたちの給食を改善すべき」と伝えるだけでは、普段給食を口にしない大人にとって実感しにくいもの。そこで子どもたちの食事を大人の目の前に置き、「自分ならこれを食べたいか」という体験へと置き換えました。

キャンペーンが行われたのは、イングランドで学校給食のあり方が改めて注目されるタイミングでもあります。

英国政府は2026年9月、10年以上ぶりとなる学校給食基準の改定方針を発表。野菜や果物、食物繊維などを増やし、糖分や高脂肪・高塩分食品などをより制限する新基準を2027年9月から導入する予定です。

社会課題を知ってもらう方法は、データやメッセージを発信することだけではありません。当事者が経験していることを別の人にも体験してもらえば、遠く感じていた問題を自分の感覚で捉えるきっかけになります。

子どもたちの学校給食を大人の「一食」に置き換えることで、食環境について考える場をつくったCSR事例です。

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