アサヒ飲料「カルピスじゃぐち」本格始動 飲料から体験へブランド価値を拡張

アサヒ飲料は、蛇口をひねると「カルピス」がそのまま飲める専用機材「カルピスじゃぐち」の本格的な事業運営を開始し、2026年7月9日(木)からホテルや温浴施設、高齢者施設などへの設置先を順次拡大すると発表しました。

毎年7月7日の「カルピスの誕生日」に合わせて全国の小売店や異業種がSNS等でお祝いキャンペーンを展開するなど、ブランドへの社会的関心や愛着が高まる時期を捉えた展開です。

蛇口をひねると好きな飲み物が出てくるという、誰もが一度は夢見た体験を具現化し、施設向けの常設サービスとして定着させるために、同社は段階的な検証を重ねてきました。

2024年のテスト展開時に行われたアンケートでは、体験者の95%以上が「利用施設を選択する際に設置されていると嬉しい」と回答。さらに、2025年にはリゾートホテルや高齢者施設など計10台で実証実験を行い、機材の運用面や顧客満足度の向上を検証してきました。これらの実績を経て、年内に50台、2030年までに累計1,000台の設置を目指すといいます。

導入する宿泊施設は他社との差別化や顧客満足度の向上を図ることができ、アサヒ飲料にとっては店頭や自販機などの既存販路の枠を超えた導線上でのブランド接点を築く機会を創出。双方に利点があるビジネスモデルといえるでしょう。

飲料というモノの消費から、蛇口をひねるワクワク感や家族で共有する時間といったコトの消費へ。商品そのものの枠を超え、体験価値へと視野を広げることで、生活者との結びつきを強めるアプローチです。

提供先をレジャー施設などにとどめず、高齢者施設にも広げることで、世代を超えた健やかな生活への貢献というブランドテーマを多角的に体現する試みでもあります。

インパクトでの話題作りに終始せず、エンターテインメント性と社会性を両立させながら、日常のインフラへと落とし込んでいく。すでに世の中に定着しているブランドが、独自の体験を取り入れることで新しい価値を生み出し、既存資産を新鮮に見せるプロモーションとして、参考になる事例です。

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