令和8年熊本地震から1ヵ月 企業・団体が「自分たちにできること」で届ける5つの支援
令和8年7月28日に発生した熊本地震から、1ヵ月が経ちます。
被災地では暮らしの再建に向けた動きが続く一方、企業や団体による支援もさまざまな形で広がっています。
今回紹介するのは、義援金の寄付とは少し異なる形で熊本を支えようとしている5つの取り組みです。花贈り、食器、ボランティアと旅行の掛け合わせ、地元出身者による観光促進、そして10年前の支援から生まれたコンテンツの継続。それぞれが、自分たちにできることを起点に設計されています。
1. 花贈りの場から被災地へ想いを届ける
T株式会社花助「寄付パネル付きスタンド花」

お祝いの場から、被災地に気持ちを届けることはできないか。そんな問いから生まれたのが、花助の「寄付パネル付きスタンド花」です。
通常のスタンド花やバルーンスタンド花に寄付パネルを追加できる仕組みで、パネル料金から決済手数料を除いた全額を、日本赤十字社を通じて義援金として寄付します。
寄付パネルには支援の旨を伝えるメッセージが記され、贈り主だけでなく、花を受け取る側にもその取り組みが伝わるようになっています。祝福の場が、被災地を思う気持ちとひとつになる設計が印象的な事例です。
2. 飲食業界の仲間が食器という形で差し伸べる手
NPO法人居酒屋甲子園「食器支援」全国1万枚超の無償提供

地震の被害を受けた飲食店にとって、食器の損失は営業再開を阻む深刻な課題のひとつです。
NPO法人居酒屋甲子園は、全国の飲食店オーナーや関係者に呼びかけ、使われなくなった食器を集めて熊本・九州の被災飲食店へ無償で届ける「食器支援」を実施しました。集まった食器は1万枚を超えています。
居酒屋甲子園はもともと、飲食店経営者同士の絆や誇りを育む活動を続けてきた団体です。「仲間の店を、仲間で支える」という文脈が、この支援の設計そのものに込められています。
被災した店舗が1日も早く食器を手にし、営業を再開できる日を願いながら、全国のネットワークを動かした取り組みです。
3. 阿蘇観光を掛け合わせた持続可能な復興の仕組み
合同会社アソウト「ボランティア旅行割」

熊本地震の発生後、阿蘇地域では直接的な被害がなかった宿泊施設でも、予約のキャンセルが相次ぎました。被災地の支援が必要な一方で、観光業もまた苦境に立たされているという課題に向き合ったのが、阿蘇市を拠点とする合同会社アソウトです。
アソウトが立ち上げた「ボランティア旅行割」は、被災現場でのボランティア活動と阿蘇観光を組み合わせた宿泊優遇プログラムです。2泊以上の宿泊で1泊分が無料になる仕組みで、「支援しながら、地域も元気にする」という好循環を生み出そうとしています。
代表の石垣圭佑さんは、2016年の熊本地震でボランティアとして阿蘇を訪れ、その後移住・起業した人物です。運営メンバーも同様に、支援活動を経て阿蘇に根を張った背景を持ちます。自らがボランティアから地域の一員になった実体験があるからこそ、この仕組みを設計できたといえるかもしれません。
4. 旅行で熊本を盛り上げる 出身者が語る地元への想い
プログレス×JTB「ケンミンショー旅アワード 2026」高橋ジョージさん「ケンミン盛り上げ隊」就任

被災地を支える方法は、物資や義援金を届けることだけではありません。観光地を訪れ、現地で宿泊や食事、買い物を楽しむことも、地域経済を支えるひとつの方法です。
「秘密のケンミンSHOW極×ショー旅」とJTBによる「ケンミンショー旅アワード 2026」では、各地域を旅行で応援する企画を展開。熊本への旅行を後押しする「ケンミン盛り上げ隊」の一員として、アーティストの高橋ジョージさんがメッセージを発信しています。
地震の発生後は、被害が比較的小さい地域や営業を続けている観光施設にも、旅行控えの影響が及ぶことがあります。そこで、メディアが持つ発信力と旅行会社が持つ観光の接点を生かし、「現地を訪れる」という行動につなげていくのがこの取り組みです。
支援を呼びかけるだけではなく、旅行という生活者が参加しやすい選択肢を示す。それぞれが持つ発信力や事業の強みを、地域への送客という形で復興支援につなげている点が印象的です。
5. 10年前の支援から生まれたコンテンツがまた今年も咲く
株式会社THEATER0「ヒマワリ迷路」10年目

2016年の熊本地震のあと、復興支援として始まったヒマワリ迷路が、今年で10年目を迎えます。
THEATER0が手がけるこのヒマワリ迷路は、熊本の被災地に寄り添いながらも、「また来年も楽しみに来てもらえる場所を」という想いで続けられてきたコンテンツです。令和8年の今年もまた、熊本の大地でヒマワリが咲きます。
10年という時間は、被害を受けた土地が少しずつ息を吹き返してきた歳月でもあります。今年あらためて熊本を訪れることは、10年間積み重ねてきたものへの応援でもあるかもしれません。
さいごに
今回紹介した5つの取り組みに共通しているのは、自分たちの事業や経験、ネットワークを起点に、「自分たちならできること」を選んだという点です。
花を届ける仕事、飲食業界のつながり、阿蘇で暮らし続ける選択、地元への愛情、10年間続けてきたコンテンツなど、それぞれが異なる形で熊本との関係を持ち続けています。
復興は、一時的な関心だけでは成り立ちません。自分にできることを、自分の言葉と手段で続けていくこと。その積み重ねが、熊本をまた元気にしていく力になると信じています。
熊本、そして被災された皆様の一日も早い復興を、心よりお祈り申し上げます。
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