キャンプのPR・集客事例まとめ|アウトドア需要を広げる事例10選
コロナ禍をきっかけに拡大したキャンプ需要は、近年では市場の成長が緩やかになり、新規層の獲得や利用機会の創出が課題となっています。
そこで注目されているのが、防災や親子の学び、地域観光、暑さ対策など、キャンプをさまざまな体験価値と組み合わせたPR・集客施策です。
キャンプ未経験者やライト層にも参加理由を生み出し、アウトドア需要を広げる取り組みが増えています。本記事では、2026年に実施されたPR・集客事例10選をまとめました。
まずは、キャンプ用品やアウトドアの知識を防災に生かし、レジャー以外の利用価値を提案した事例から見ていきます。
キャンプ用品を防災用品として再提案 日常備蓄へ用途を拡大

2026年3月13日(金)、BOC JAPAN株式会社が展開するアウトドアブランドBROOKLYN OUTDOOR COMPANYは、キャンプ用品を防災用品としても活用する特集ページ「そのキャンプギア、実は防災ギア」を公開しました(特集ページはこちら)。
防寒や睡眠環境、水分確保など災害時にも役立つアイテムを紹介し、日常・キャンプ・非常時をつなぐ備え方を提案しています。
キャンプ用品を「備え」という文脈で発信することで、防災への関心を入口とした新たな接点づくりにもつながるでしょう。
さらに、防災という生活課題から商品を探せる導線を設けることで、用途別に比較・検討しやすい構成となっています。キャンプと防災の両方で使える価値を示すことで、購入理由を増やし、平時から使い慣れたアイテムを備えるという新たな需要の創出も目指せる施策です。
地域防災の担い手育成を目指す 親子参加型防災イベント

公益社団法人東京青年会議所 品川区委員会は、2026年6月28日(日)、西大井六丁目ふれあい広場で親子向け体験型防災イベント「しながわサバイバルキャンプ」を開催しました。一般社団法人72時間サバイバル教育協会監修のもと、火起こしや水のろ過、応急手当、マンホールトイレ設営など、災害時に役立つワークショップを実施し、「自ら考え、判断し、行動する力」を育む機会を提供しています。
防災を「訓練」ではなく「体験」として設計することで、地域防災への参加機会が少ない子育て世代や若年層との接点を創出。また、キャンプで培われた知識や技術を防災教育へ応用することで、アウトドアを実践的な学びの場として再提案し、新たな参加層の開拓と地域防災の担い手育成を目指しています。
親子で楽しみながら参加できるプログラムとすることで、防災への参加ハードルを下げるだけでなく、アウトドアへの関心を高める導線も設計しています。アウトドアの活用シーンをレジャー以外へ広げたい自治体やアウトドア関連企業にとっても参考になるアプローチといえるでしょう。
防災だけでなく、アウトドアは観光や地域活性化、ブランドコミュニケーションの手段としても活用されています。次に紹介するのは体験価値を発信し、新たな来訪動機やファンとの関係構築につなげた事例です。
秘境キャンプの魅力をYouTuberの体験で伝える トカラ列島観光PR

2026年3月27日(金)、十島村役場は、トカラ列島・宝島でのキャンプの魅力を発信するプロモーション動画を公開しました。キャンプ系YouTuber「ぼっち女camp」が現地でソロキャンプを体験する様子を紹介するとともに、十島村公式サイトではキャンプ場情報やフェリーの利用方法、受付の流れなどを拡充し、来島までの情報を公開しています(公式サイトはこちら)。
人気YouTuberが現地で実際にキャンプを体験する様子を発信することで、トカラ列島での滞在を具体的にイメージできる内容となっています。景色や食、温泉だけでなく、移動や手続きまで体験の流れに沿って伝え、来島への心理的ハードルを下げ、観光地としての理解促進につなげています。
動画コンテンツで関心を喚起し、ホームページでアクセスや利用方法を補完することで、視聴から来島検討までを一連の導線として設計。インフルエンサーの発信力と実用的な情報提供を組み合わせ、認知拡大から来島検討までを一貫して支えています。
恒例キャンプイベントに50周年の価値を重ねる ファンとの絆を育む体験イベント

アウトドアブランド・コールマンは、2026年10月30日(金)から11月1日(日)までの3日間、日本創業50周年を記念したキャンプ&ミュージックフェスティバル「The Coleman Camp 2026」を長瀞オートキャンプ場で開催します。8回目を迎える恒例イベントで、同じく開業50周年を迎える長瀞オートキャンプ場を会場に、「和」をテーマとした演出や秋祭りの要素を取り入れた特別な体験を提供します。
毎年開催しているイベントに50周年という節目を重ねることで、一過性の記念施策ではなく、ブランドとの関係性を深める機会へと発展させています。また、会場にも同じ節目を迎える施設を選ぶことで、周年同士のストーリーを重ね、ブランドの歴史や価値を体験を通じて伝える設計です。
成熟市場では新規顧客の獲得だけでなく、既存ファンとの継続的な関係構築も重要であり、周年を既存施策の価値向上につなげるアプローチといえるでしょう。
さらに、日本文化や季節感を取り入れた周年ならではの体験価値を加えることで、参加者の満足度向上だけでなく、新たな参加動機の創出にもつなげています。周年を既存イベントの活性化やブランドロイヤルティ向上に生かしたいアウトドアブランドや、長年続くイベントを展開する企業にとって参考になる取り組みです。
DJブースでクリーンエネルギーを体感するEcoFlowのイベント協賛

ポータブル電源とクリーンエネルギー技術を展開するEcoFlow Technology Japan株式会社は2026年4月10日(金)から12日(日)、日本最大級のキャンプフェス「GO OUT JAMBOREE 2026」に初出展しました。
同フェスの人気DJパーティー「GO OUT HOUSE」の冠スポンサーとして、DJブースの電源をガソリン発電機からEcoFlowのポータブル電源によるクリーン電力へ切り替えたほか、実際のキャンプシーンを再現したブースで最新製品を体験できる展示を実施しています。
アウトドア愛好者が集まる場を活用し、ガソリン発電機をポータブル電源へ置き換えることで、クリーンエネルギーを身近に感じられる機会を創出。排気ガスが出ず、稼働音が静かな特長を音楽イベントと結び付けることで、製品スペックだけでは伝わりにくい価値を実際の利用シーンを通じて伝えています。
アウトドアフェスを、クリーンエネルギーの価値と自社製品への理解を深める接点として活用した事例です。
アウトドア需要を広げるためには、価値を伝えるだけでなく、実際に参加したくなる環境やきっかけづくりも重要です。ここからは、新しい利用シーンや参加者層を開拓した集客事例を取り上げます。
クーラー付きテントで快適に過ごせる夏キャンプを提案 RECAMPの新プラン

キャンプ場の企画・運営を手がける株式会社Recampは2026年7月1日(水)から9月末日(予定)まで、全国8拠点の「RECAMP」施設にてスポットクーラー付きキャンププランを展開しています。
対象サイトには機器をあらかじめ設置し、通常プランに1,500円を追加することで利用可能です。2025年の先行導入では最大で通常サイトの4倍の予約があったことを受け、2026年は対象施設とプラン数を拡大しました。
猛暑によって夏のアウトドアを敬遠する生活者に向けて、暑さを我慢するのではなく、快適に眠れる環境を提供することで、夏キャンプという新たな選択肢を提案しています。
気候変化による課題を設備で補い、これまで来場をためらっていた層との接点を広げている点は、アウトドア需要の拡大につながる取り組みといえるでしょう。
昨年の利用実績や利用者の声を踏まえて展開規模を拡大している点も、需要を確認しながらサービスを育てる運営手法として参考になります。暑さによる利用機会の減少に直面するアウトドア施設や観光事業者にとって、季節の課題を新たな集客機会へ転換する考え方として応用できる事例です。
1万平米を1週間貸切 御宿ドローン&キャンプが夏の長期滞在需要を開拓

千葉県最大級のキャンプサイト「御宿ドローン&キャンプ」は、約10,000平米の敷地を6泊7日で貸切利用できる長期滞在プランの予約受付を2026年6月1日(月)より開始しました。元牧場跡地という広大な土地を活用し、基本料金は5名・車両1台で18,000円。追加人数や車両も1泊1,000円で対応し、夏のレジャー拠点としての利用を提案しています。
キャンプ場の選択肢が増える中、広大な敷地を1週間独占できる環境を提供することで、1泊2日が中心だったキャンプとは異なる滞在スタイルを提案しています。キャンプ場を、周辺の海水浴場や観光スポットを巡るためのベースキャンプとして活用してもらうことで、外房エリアへの回遊や周辺施設の利用を生み出すきっかけにつなげています。
また、利用人数や車両数の変更に柔軟に対応する料金設定により、友人同士やファミリー、サークルなど規模の異なるグループでも利用しやすい環境を整備。独自の土地資産を活かして、夏のキャンプ需要を長期滞在や地域観光へ広げるプラン設定は、広大な敷地や遊休資産を活用する施設が新たな利用価値を提案する際に参考になります。
キャンプ未経験層を呼び込むラジコン×アウトドアイベント

神奈川県のアウトドア施設「The CLIFF CAMP&BBQ」は、2026年7月19日(日)、長井海の手公園ソレイユの丘内のCLIFF広場にて、ラジコン体験イベント「CLIFF RC OUTDOOR DAY」を開催します。レンタルラジコンを使用したミニレースやフリー走行体験を用意し、初心者や子どもでも手ぶらで参加できるイベントとして展開します。
キャンプ未経験者にとって、アウトドア施設は道具の準備や過ごし方がわからないといった不安から利用のきっかけをつかみにくい場所です。そこで、ラジコンという親しみやすい遊びを入口にすることで、キャンプやBBQに触れる機会を創出。キャンプそのものを訴求するのではなく、まずは楽しめる体験を提供することで、新たな利用者層との接点を広げています。
施設内で気軽に参加できるアクティビティを用意することで、家族連れや初心者層の来場理由を増やし、アウトドア体験への関心を高めています。キャンプそのものを目的にしない入口を設けることで、これまで接点のなかった層へアウトドアの魅力を届ける機会につなげる事例です。
ピッチ宿泊×サステナブル体験 鹿島アントラーズのスタジアムキャンプ

鹿島アントラーズFCは、2026年6月27日(土)から6月28日(日)に、メルカリスタジアムのピッチに宿泊できる「アントラーズスタジアムキャンプ2026 supported by JA共済連茨城」を開催しました。2018年から続く企画で、今回は茨城県産の規格外野菜を使ったBBQや、環境に配慮したアイテムの体験などを組み合わせ、親子で楽しみながらサステナビリティを学べる内容として展開しています。
普段は選手がプレーするスタジアムのピッチで過ごす非日常体験を提供し、スポーツ観戦とは異なるファンとの接点を創出。すでに形成されているスポーツコミュニティとキャンプ体験を掛け合わせることで、アウトドアのライト層にも参加するきっかけを広げています。
さらに、地域食材を使ったBBQや環境に配慮したアイテムの体験を通じて、キャンプを楽しむだけでなく、地域や環境について親子で学べる機会へと発展させています。ファンとの交流機会に社会的な学びを加えることで、スポーツチームや地域施設が持つ資産を活用した新たな集客機会の創出を狙います。
コールマンの技術で夏の水遊びを快適化 東京サマーランドの暑さ対策

東京サマーランドは、2026年7月4日(土)から9月27日(日)まで、アウトドアブランド「コールマン」とのコラボレーションを実施します。
コールマンが展開する、日光を90%以上ブロックし内部の温度上昇を抑える特殊素材「ダークルームテクノロジー」を搭載したシェードを活用し、有料休憩席の拡大や園内各所への無料クールスポット設置など、猛暑下でも快適に水遊びを楽しめる環境を整えています。
近年、夏のレジャーでは暑さ対策や快適性へのニーズが高まるなか、キャンプ用品が持つ遮光性や居住性をプール施設に取り入れることで、アウトドア用品の利用シーンを水辺のレジャーへ広げています。異なる業態の施設同士が持つ強みを掛け合わせることで、コールマンは製品価値を体験できる接点を広げ、東京サマーランドは来場者により快適な滞在環境を提供しています。
さらに、休憩席の提供だけでなく、園内で使用した製品の販売にもつなげることで、実際の利用体験から購入検討までの流れを設計。自社製品の価値を別のレジャー体験と結び付けることで、既存市場以外にも利用機会を広げる発想につながるでしょう。
キャンプのPR・集客事例まとめ
コロナ禍によるキャンプブームが落ち着いた現在は、防災や教育、地域観光、暑さ対策など、異なる体験価値と組み合わせる設計が広がっています。今回紹介した事例に共通するのは、アウトドアの用途や参加理由を増やし、これまで接点のなかった層にも参加しやすいきっかけをつくっている点です。
また、既存の商品や施設、ブランドの強みを別のシーンへ展開したり、体験の入口を工夫したりすることで、新たな需要の創出につなげている事例も多く見られました。需要が伸び悩む市場では、商品やサービスに新たな参加理由や利用シーンを加えることが、アウトドア需要を広げる有効なアプローチといえるでしょう。
その他の事例集についてはこちら
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