求人広告は“体験”で差がつく アルバイト・スキマバイトPR事例10選

物価高や将来不安、副業解禁などを背景に、「自由に働きたい」という価値観が広がる中、働く時間や場所を自分で選べるアルバイト・スキマバイトへの関心が高まっています。

その一方で、求人情報があふれる現代では、時給や勤務地、勤務時間といった条件面だけでは、なかなか印象に残りにくいのも事実。
だからこそ、仕事内容や条件の優位性だけで差別化を図ることは難しくなっています。「どんな気分で働けるのか」「どんな体験が待っているのか」まで含めたコミュニケーション設計が、応募者の共感を得るカギとなっているのです。

本記事では、アルバイト・スキマバイト領域で話題を集めた広告・PR施策を10事例ピックアップ。今回は印象的だった施策を厳選していますが、番外編として取り上げたい事例もあったため、あわせて紹介しています。ユニークな訴求や意外な切り口など、各社の工夫をぜひ参考にしてみてください。

1.芸能人のバイト初挑戦をコンテンツ化 働く不安をエンタメへ転換した採用PR

ディップ株式会社 スポットワークサービス「スポットバイトル」

ディップ株式会社は、スポットワークサービス「スポットバイトル」の認知拡大施策として、YouTubeおよびTikTokで「スポットバイトル」と戦隊ヒーローを組み合わせた『感動戦隊スポバゴニンジャー』を展開。
演出家・マッコイ斉藤氏を制作陣に迎え、芸能人がアルバイトに挑戦する様子をバラエティ形式で発信しています。

スポットワークに対する「初めての現場は不安」「仕事を覚えられるか緊張する」といった心理的な壁を、エンタメの力でやわらげることを狙った施策です。
芸能人が慣れない仕事に戸惑いながらも全力で働く姿を通じて、“最初はみんな初心者”という空気感を可視化することで、「これなら自分にもできそう」という共感へつなげています。

また、「ヒーロー×アルバイト」というギャップのある世界観も印象的です。仕事内容を説明するだけでなく、現場で生まれる“あるある”や職場の雰囲気までストーリーとして描き、仕事の体験価値そのものをコンテンツ化。

YouTubeとTikTokを横断しながら若年層とのタッチポイントをつくることで、仕事を探す前から興味を喚起している点も現代的な採用PRといえるでしょう。

関連プレスリリースはこちら

2.マツケンサンバで“バイト探し”を祝祭化 タウンワークが仕掛けた求人エンタメCM


株式会社リクルートホールディングスは、2025年5月より「タウンワーク」のCMに今田美桜さんを起用しています。
今田さんが歌い踊る「タウンワークのうた」篇や、アイドルグループ・FRUITS ZIPPERと共演した「タウンワークのうた ポージング」篇など、同氏のチャーミングな一面を生かしたCMが話題となりました。

ここで注目したいのが、松平健さんとコラボした「アパレルバイト」篇。

来店客が試着室に入った瞬間、入れ替わる形でマツケンサンバ仕様の松平さんと腰元ダンサーズが登場。アパレル店員役の今田さんは松平さんとともに「オレ!」の掛け声でキュートな笑顔と決めポーズを披露するコミカルな演出となっています。

求人サービスの特長を理詰めで伝えるのではなく、「バイト探し=晴れやかで前向きなイベント」という感情体験に変換しているのがこのCMのポイントです。松平健さんの「オレ!」という掛け声と入れ替わり演出は、サービスの説明を一切しないにもかかわらず記憶に残る。タレントの知名度と楽曲の文脈を最大限に活用し、”バイト探し”という行為そのものを祝祭化している点で、エンタメ型採用PRの好例といえます。

3.メイキングやゲームで行動を後押し マイナビ「バイト探しサムライ」シリーズ

株式会社マイナビ 俳優の吉沢亮さんを起用した「バイト探しサムライ」シリーズ

株式会社マイナビは俳優の吉沢亮さんを起用した「バイト探しサムライ」シリーズを展開しています。
シリーズ第6弾では、吉沢さん演じるバイト探しサムライが、小峠英二さん演じる忍者・服部半蔵と対決。バイトで培った迫力の殺陣や分身の術を通じて、「バイトは、未来の第一歩。」というメッセージを印象づけています。

服部半蔵の強さの理由をアルバイト経験にひもづけ、飲食店で活躍する回想シーンを挟むことで、経験が自信になることを語る設計になっています。
数字や機能説明ではなく、視聴後に吉沢さんが「面接いこう」と口にするオチまで含め、行動の一歩を後押しする構成です。

また、特設サイトにメイキングやオリジナルゲームなどのコンテンツを用意し、CMの視聴者に次のアクションをうながす設計となっています。
求人広告が同質化しやすい中で、キャラクターと物語をシリーズ展開することで「バイト探し=前向きで楽しいもの」というイメージを長期的に積み上げる戦略。継続的な接点づくりが、応募者の背中を押す力になっています。

関連プレスリリースはこちら

4.株式会社カカクコム:「求人ボックス」の10年を“人格化” 役所広司さん起用CM

求人ボックス

株式会社カカクコムが運営する「求人ボックス」は、サービス開始10周年を機にブランドを刷新。新たなメッセージ「あなたの明日が、詰まってる。」を掲げてロゴデザインも一新し、役所広司さんを起用したCMを公開しています。

CMでは役所広司さん演じる「ミスター・ボックス」が、”明るい未来”や”豊富な仕事”が詰まった大きな箱を、仕事探しに悩む人々へ届けていくというもの。
新CMでは、timeleszの橋本将生さん、猪俣周杜さん、篠塚大輝さんが出演。3名がダンススタジオでステップを踏んでいるところに来たデリバリースタッフに対して、「ミスター・ボックス」から箱が渡されます。一度聴いたら耳から離れない「求人ボックスのうた」も特徴です。

掲載数2,000万件超という機能価値を直接訴求するのではなく、サービスを”寄り添う存在”として人格化することで、「自分に合う仕事に出会えるかもしれない」という期待感と安心感を前面に打ち出しています。

求人ボックス「DAZN」とコラボレーション

なお、同サービスでは「DAZN」とコラボレーションし、スポーツイベントへの海外現地視察を仕事にした「激レア求人」も公開。「日給3万円+お金では買えない体験」を前面に出すことで、求人情報を条件比較ではなくエンタメとして発信する試みも行っており、多面的なコミュニケーション設計が光ります。

関連プレスリリースはこちら

5.“チームで働く”をブランドに宿すIndeed Japan 「堂安律は、ひとりじゃない。」CM

Indeed Japan株式会社 プロサッカー選手・堂安律さんを起用した新TVCM

Indeed Japan株式会社は2026年4月より、プロサッカー選手・堂安律さんを起用した新TVCM「堂安律は、ひとりじゃない。」を全国で放映開始しました。

特設サイトは、iimirai(いい未来)というURLが示す通り、同社が掲げるブランドコンセプト「いい未来は探せる」を軸にした一連のブランドコミュニケーションの一環です。

CMの核心は、堂安さん本人だけでなく、チーム専属メディカルトレーナー・専属シェフ・マネジメントといった”ピッチの外のプロフェッショナル”にも同等のフォーカスを当てている点にあります。「仕事さがしはIndeed」と口ずさむのは堂安さんだけでなく、チームを支える無名のプロたちも同じ。「どんな仕事にも、それを選んだ意志とキャリアがある」というメッセージを、スター選手の物語ではなくチームの日常として描くことで、求職者一人ひとりへの共感を生み出しています。

求人サービスが陥りがちな「たくさんの求人が見つかる」という機能訴求から離れ、「自分もいい未来を探せるかもしれない」という感情を喚起するブランド投資として機能している好例。知名度の高いタレントを起用しながら、主役をあえて”チーム全員”に分散させる演出設計は、Indeedが伝えたい「多様なキャリアの可能性」というテーマと構造的に一致しています。

なお、以前には採用担当者向けに「採用は、Indeed PLUS」キャンペーンを展開し、一度の投稿で複数サイトに自動掲載される利便性をTVCMや交通広告で訴求するなど、求職者・採用担当者の双方に向けたコミュニケーションを継続的に設計してきたサービスでもあります。

関連プレスリリースはこちら

6.株式会社ガロア:本田翼さん&ギガバイト江頭2:50さん起用CM

株式会社ガロア 「ギガバイト」の新CM「バイト探しダンス」篇

株式会社ガロアは、アルバイト求人サイト「ギガバイト」の新CM「バイト探しダンス」篇を公開。アンバサダーに本田翼さんを起用し、“ギガバイト=求人数が多い”という特長を、歌とダンスを軸にポップに訴求しています。

求人掲載数を「約200万件」という数字だけで説明するのではなく、キャッチーなオリジナル楽曲や、「ギガ〜!!」というフレーズ、テンポよく切り替わる演出によって、印象に残るエンターテインメントとして表現。本田翼さんが居酒屋スタッフや警備員、配送スタッフなどさまざまなアルバイト姿に変身することで、「選択肢の多さ」そのものを視覚的に伝えています。

また、本田翼さん自身のアルバイト経験を背景に起用している点も印象的です。親しみやすさや自然体の雰囲気を活用しながら、“自分らしく働く”というメッセージを等身大で表現しました。

関連プレスリリースはこちら

江頭2:50さんを起用したギガバイト「あっバイトの時間だ No.1」篇

また、同社が昨年発表した江頭2:50さんを起用したギガバイト「あっバイトの時間だ No.1」篇では、江頭2:50さんの鉄板ギャグを軸に、アルバイトが見つかる高揚感をカオスかつコミカルに描いています。

CMでは、満面の笑みを浮かべながらギャグを繰り返す江頭2:50さんが画面内で次々と増殖。
求人サービスの機能説明を行うのではなく、「バイトが決まったうれしさ」という感情を、そのまま勢いのあるエンターテインメントへ変換している点が印象的です。

江頭2:50さんは、SNS世代にとってミーム的な存在であり、「見ると笑ってしまう・シェアしたくなる」という拡散性を持つタレントです。サービス機能の説明を一切省き、「バイトが決まったうれしさ」という感情だけをカオスなエンターテインメントに変換する手法は、若年層がコンテンツを消費・拡散する動線に自然に乗るコミュニケーション設計といえます。

関連プレスリリースはこちら

7. “乾杯”そのものを仕事に イベントを通じて参加体験へ転換するシェアフル

シェアフル株式会社「YOKOHAMA SAKE SQUARE 2025」連動企画

シェアフル株式会社は、「YOKOHAMA SAKE SQUARE 2025」と連動し、イベント会場で“乾杯”の発声を担当する「超バイト」を募集。
横浜赤レンガ倉庫で開催される日本酒イベントを舞台に、来場者の前でイベントを盛り上げる体験型アルバイト企画を展開しました。

今回の施策では、一般的な接客業務ではなく、高らかに“乾杯”の発声をするという象徴的な役割を仕事化している点がユニークです。
1万円という高額時給に加え、「お酒好き」「大声に自信がある方」といった参加条件を設定することで、スキルではなくキャラクターや熱量を入り口に応募を促進。
アルバイトを労働ではなく、イベント参加や自己表現の延長線上に置き換えています。

さらに、就業後にイベントを楽しめる特典や、SNS投稿を前提とした発信によって、“働く前”だけでなく働いた後の体験価値まで含めてコミュニケーション化を狙います。
シェアフルが掲げる「スキマ時間を価値に変える」というサービス思想を、利便性訴求ではなく、ユニークな体験として表現した事例です。

関連プレスリリースはこちら

8.軽快なダンスでポップにバイト探し クリエイトWebCM

株式会社クリエイトCMソング「ウキウキ わくわく クリエイト2025 Ver.」

株式会社クリエイトが2025年に公開したWebCMは、CMソング「ウキウキ わくわく クリエイト2025 Ver.」に合わせ、さまざまな職種に扮したダンサーたちが軽快なダンスを披露し、新しい仕事探しへの一歩を後押しする世界観を展開しています。

仕事探しに伴う不安や緊張感を前面に出すのではなく、“ウキウキ”“わくわく”という感情を軸にコミュニケーションを設計する。
親しみやすい楽曲やポップな振り付けによって、「転職・求人探し=構えるもの」ではなく、気軽で前向きな行動として描いています。

さまざまな職種のダンサーが登場することで、多様な働き方や選択肢の広がりを印象づけているのもポイントです。
また、振付師akaneさんを起用し、「クリエイトポーズ」という参加型の要素を取り入れている点もユニーク。
視聴するだけではなく、“真似したくなる”“一緒に踊りたくなる”設計にすることで、求人サービスの認知をエンターテインメント文脈へつなぎ、ショート動画やメイキング映像も展開しながら、SNS時代の拡散性も高めています。

関連プレスリリースはこちら

9.「リゾバインフルエンサー」がリアルを発信 ダイブのSNS施策

リゾートバイト専門の求人情報サイト「リゾートバイトダイブ」

株式会社ダイブは、リゾートバイト専門の求人情報サイト「リゾートバイトダイブ」において、現役リゾートバイトインフルエンサーによるSNS発信を強化。
2025年7月に募集を開始したインフルエンサー制度は、InstagramやTikTokなどを通じて、実際の仕事や生活の様子を発信しています。

リゾートバイトは、「旅して働く」という魅力がある一方で、現地での生活や職場の雰囲気がイメージしづらいという声も少なくありません。
そこで同社では、実際に働くスタッフ自身の目線で仕事中の様子や休日の過ごし方、リゾート地ならではの体験を画像や動画で発信。
求人票だけでは伝わりにくいリアルな空気感を可視化することで、検討層の不安をやわらげています。

現役リゾートバイトインフルエンサーの投稿に加え、複数のSNS文脈から接点をつくることで、ダイブ公式Instagramの月間閲覧数は半年で500%以上伸長し、直近では2ヵ月連続で月間100万閲覧数を突破したそうです。
働き方のメリットを説明するだけでなく、生活者が知りたい“現地のリアル”を当事者の言葉で届けることで、「旅して働く」を身近な選択肢として広げています。

関連プレスリリースはこちら

10.「働きながら旅する」をシニア層へ拡張 鉄道移動の中で届ける大人おてつたび

株式会社おてつたび JR東日本の「大人の休日倶楽部」と連携

株式会社おてつたびは、JR東日本の「大人の休日倶楽部」と連携し、首都圏主要路線のトレインチャンネルでコラボ動画を放映。
お手伝いと旅を掛け合わせた人材マッチングサイト「おてつたび」を通じて、鉄道旅×就労×交流という新しい旅のスタイルをアクティブシニアに向けて発信しています。
動画では、「ただ観光地を巡るだけでは物足りない」「もっと地域の人とふれあいたい」というシニア世代の気持ちに寄り添い、旅先で誰かの役に立つという体験価値を提案。

地域の人との温かなやり取りを通じて、仕事を単なる労働ではなく、第2のふるさとに出会うきっかけとして描いています。
さらに、「大人の休日倶楽部」会員向けのお得なきっぷや、初めての人に向けた「おてつたび入門講座」など、シニア歓迎の受入先紹介も用意。
興味喚起だけで終わらせず、実際に一歩を踏み出しやすい仕組みが印象的です。

地域の人手不足解消とシニアの生きがいづくりを、鉄道旅の延長線上につなぐことで、移動そのものを新しい働き方との出会いに変えています。

関連プレスリリースはこちら

番外編:単発で終わらない関係性へ 自治体発の“つながる”スポットワーク施策

泉佐野市と連携して展開する自治体公式スポットワークプラットフォーム「いずみさのマッチボックス」

最後に番外編として、大阪府泉佐野市と連携して展開する自治体公式スポットワークプラットフォーム「いずみさのマッチボックス」(株式会社Matchbox Technologies)のプロモーション施策を紹介します。

今回の施策では、「単発バイトは来るけど育たない」「募集しても人が集まらない」といった地域事業者の悩みに着目。短期的な人手不足の解消だけではなく、一度働いた人と継続的な関係を築く「セルフソーシング®︎」という考え方を前面に打ち出しています。

特に、求人が出ていないタイミングでも“自社メンバー”を募れる機能を実装したことで、「必要になった時だけ採用する」のではなく、将来的につながりたい人材と平時から接点を持てる仕組みへ進化させています。

また、制度説明だけにとどまらず、動画コンテンツや駅広告、ラジオなど地域接点を横断して発信している点も印象的です。
スポットワークを“単発で人を集める仕組み”としてではなく、「地域の中で信頼関係を育てるインフラ」として描くことで、働き方の柔軟性と人材定着の両立を目指しています。

関連プレスリリースはこちら

アルバイト・スキマバイトの広告・PR事例まとめ

アルバイト・スキマバイトのプロモーションは、条件を並べるだけでなく、「どんな体験ができるか」「どんな気持ちで働けるか」まで伝えるコミュニケーションへと広がっています。

芸能人やインフルエンサーを起用したエンタメ型施策、SNSやショート動画を軸にした世界観づくり、イベント参加型の企画など、各社に共通するのは、「働く」という行為を前向きな体験として再定義し、条件比較ではなく感情共感から応募へ誘導するコミュニケーション設計です。求人市場が成熟するほど、サービスや企業の”らしさ”をどう伝えるかが差別化の軸になる。今回紹介した事例は、その問いへのヒントが詰まっています。誰に、どんな感情を届けるのかまで設計された施策は、応募促進にとどまらず、サービスへの愛着や共感の形成にもつながるでしょう。

その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

ランキング

最近見た記事

最新記事

すべて見る