紫外線指数の上昇で動き出すUV市場|国内ブランドのPR・マーケティング事例10選

紫外線が本格的に強まりはじめる春は、UV対策への意識が高まるタイミングです。特に近年は、紫外線指数の上昇にあわせて早期からケアを始める動きも広がり、日やけ止め市場はシーズンの前倒し傾向が見られます。

こうした流れのなかで、国内ブランド各社もUVケア商品のPRを活発化。定番カテゴリであるからこそ、「いつ・どう伝えるか」や「どんな切り口で見せるか」といった工夫によって、ニュースとしての見え方に違いが生まれています。

本記事では、国内UVケアのPR・マーケティング事例をピックアップ。シーズナルなテーマをどう活かし、どのように生活者との接点をつくっているのか、そのヒントを紹介します。

1.資生堂が「白のアネッサ」を新発売 ピールオフ広告とSNS連動企画でスピーディに話題化

アネッサ

株式会社資生堂は、サンケアブランド「アネッサ」から新たに白を基調とした新デザインの商品を発売。それにあわせて、表参道駅構内でサンプルをその場で持ち帰れる「ピールオフ広告」を展開しました。

交通広告からそのままサンプルを剥がして持ち帰れる設計にすることで、興味喚起から商品体験までを一気通貫で完結。UVケアのように使用感が重視される商材において、「まず試してもらう」導線を「駅」という日常動線上に組み込んでいます。

さらに、広告掲出と連動したSNSキャンペーンも同時展開。駅でのリアル接点と、フォロー&リポストによるSNS拡散を組み合わせることで、接触機会を立体的に設計しています。

新ミューズには女優の長澤まさみさんを起用。刷新された「白のアネッサ」というビジュアルの変化を強く印象づけながら、広告・体験・SNSを横断して訴求し、発売前後の短期間に話題化と体験機会を同時に生み出す、シーズナル商材ならではのスピード感あるPRとなっています。

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2.限定パッケージで希少性を高める「クレ・ド・ポー ボーテ」限定パッケージのギフトコレクション

クレ・ド・ポー ボーテ

グローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」は、花火をモチーフにした華やかなデザインの限定パッケージのギフトコレクションを発売し、「自分へのギフト」という文脈を打ち出しました。

化粧水や日やけ止め、ハンドクリームといった既存の人気アイテムに対し、花火をイメージした限定デザインを掛け合わせることで、日常使いのアイテムに「特別な瞬間」という意味づけを付加。フランス出身のアーティストLisa Zordanとのコラボレーションもポイントです。

アート性の高いビジュアルを取り入れることで、プロダクト自体を「持ちたくなる存在」へと引き上げ、購買動機を機能以外の領域にも広げています。

感謝や祝福といった感情価値を軸に据えながら、「自分自身へのギフト」という新しい消費シーンを提案。シーズナルなタイミングに合わせて既存商品の見せ方を変えることで、新たな需要を喚起する狙いとみられます。

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3.日やけ止めに求められる効果を再定義 ニーズに応えた新商品マーケティング

コスメデコルテ

株式会社コーセーは、ハイプレステージブランド「コスメデコルテ」から、多機能型日やけ止めシリーズ「UV コンフォート」を発売しました。紫外線対策に加えて、スキンケア効果や使用感、メイク機能までを大切にし、「日やけ止めの再定義」を図った施策です。

みずみずしい使用感や美容成分の配合、化粧下地としての機能などを組み合わせることで、日やけ止めを「スキンケアの延長」として位置づけ、紫外線対策を特別な行為ではなく、日常のルーティンに自然に組み込む設計になっています。

また、透明ジェルタイプやスーパーウォータープルーフ、美白ケア対応など、用途やシーンに応じた複数ラインアップを用意している点もポイントです。
ライフスタイルの多様化に合わせて選択肢を細分化することで、幅広いニーズを取り込みながら、自分に合ったUVケアを選ぶ楽しさも訴求しています。

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4.株式会社コーセーが日やけ止めをはじめとする化粧品のアップサイクル技術の開発に着手

コーセー

株式会社コーセーは、使われなくなった化粧品を環境触媒へと再生するアップサイクル技術の開発に着手したことをプレスリリースで発表しました。

日やけ止めをはじめとする化粧品に含まれる酸化亜鉛などの金属酸化物に独自の化学プロセスを施すことで、環境浄化や資源循環、エネルギー分野への活用が期待される触媒に生まれ変わらせる技術です。

日やけ止めというプロダクトを「消費されて終わるもの」ではなく、「資源として循環するもの」として捉え直し、紫外線対策のための機能に加え、その後の環境価値までストーリーとして提示することで、SDGsや環境への配慮といった社会性のある文脈へと広げています。

東京大学との共同研究やNEDOの支援といった背景も含め、技術的な信頼性と社会的意義を同時に訴求している点もポイントです。

紫外線対策という定番テーマに対して、「使った後までどうするか」という視点を持ち込んだ本施策。機能や使用感ではなく、サステナビリティという切り口でニュース性を生み出したPRといえるでしょう。

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5.定番の美白ケアの視点を変えて訴求 株式会社アテニアの新商品訴求

アテニア

株式会社アテニアは、薬用美白美容液「ブライトニングスティックセラムVC」を数量限定で発売。スティック状で「直塗り」できる形状を採用し、気になるシミにピンポイントで使うという新しいケアのかたちを提案しています。

一度薄くなったように見えても、再び濃くなるなど、改善と再発を繰り返すシミを「停滞するシミ」とインパクトのある言葉で定義し、読み手の共感と関心を引き出している点が秀逸。その原因にアプローチするストーリーを添えることで、商品への納得感を高めています。

また、スティックタイプという形状の工夫と研究の背景を組み合わせることで、「どう使うか」と「なぜ効くのか」をセットで伝えている点もポイントです。定番の美白ケアに対して、少し視点を変えることで新しさをつくり出しています。

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6.紫外線が気になる季節に向けた特別キットでお得感をアピール

ホワイトショット

株式会社ポーラは、美白ブランド「ホワイトショット」から、複数アイテムを組み合わせた限定キット「ホワイトショット SXS ブライトエクスペリエンスキット V」を数量限定で発売。

紫外線が気になり始める季節に向けて、「ライン使い」を一度に体験できる機会を設計しています。

ポイントは、「単品訴求」ではなく「まとめて試せる体験」を提供していること。集中美容液の現品に加え、化粧水や全顔美容液、シートマスクまでをセットにすることで、美白ケアの一連の流れをそのまま体験し、アイテム単体では伝わりにくいライン全体の価値を実感ベースで届けています。

また、「紫外線が増え、シミへの不安がある季節に」というタイミング設計も明確です。季節の変化と肌悩みを起点に導入することで、「今使う理由」が自然に理解できる流れになっています。

定番カテゴリである美白ケアに対して、「体験のパッケージ化」と「シーズナルな文脈」を掛け合わせることで、ニュース性をつくりました。

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7.シーズナルなテーマを生かし商品理解までスムーズにつなげるestの新製品PR

est

花王株式会社は、化粧品ブランド「est」から、限定ルースパウダー「エスト ラスティング クラリティ ルースパウダー」を発売しました。

「夏はメイクが崩れる」という多くの人が実感している悩みを起点に、その解決策として商品を紹介しており、読み手が自然に自分ごと化できる構成になっています。

また、「皮脂キャプチャー技術」と「撥水技術」という2つの技術を軸に、機能の強みをシンプルに整理している点も特徴です。

さらに、昨年も好評を博した限定商品という文脈を添えることで、実績による信頼感も補完。季節性のある悩みと過去の評価を組み合わせながら、今年も使う理由をつくっています。

「課題提示」「技術」「ベネフィット」という流れでコンパクトにまとめた構成で、シーズナルなテーマを素直に活かしつつ、商品理解までスムーズにつなげました。

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8.課題提示から使用動線までを自然に設計 キュレルの新作日やけ止め

キュレル

乾燥性敏感肌を考えた総合スキンケアブランド「Curél(キュレル)」は、「キュレル 潤浸保湿 スキンリペアUVセラム」を発売しました。紫外線対策と乾燥対策をひとつにつなげながら、日やけしやすい乾燥性敏感肌の悩みに寄り添った提案を行いました。

「乾燥性敏感肌の人の中には日やけしやすいと答えた人が約7割いる」という調査結果を示しながら、紫外線と乾燥の両方から守る商品として紹介。

発売背景で課題を示し、そのあとに商品特長へつなげることで、「なぜ必要なのか」「どんな設計なのか」が自然と伝わる構成になっています。

キュレル初のセラムカプセル配合や、セラミドケアとUVバリアの両立といった特徴も、敏感肌への配慮という文脈の中で整理されているため、商品全体の魅力として読めるのもポイントです。

さらに、公式ブランドサイトで試供品プレゼントキャンペーンを実施し、悩みの提示から商品理解、試用機会までがきれいにつながっています。

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9.見落とされがちな「頭皮のUVケア」にフォーカス 夏の生活シーンに寄り添うマーケティング設計

石澤研究所

株式会社石澤研究所は、UVケアブランド「紫外線予報」から、頭皮ケアと紫外線対策を組み合わせた『紫外線予報 炭酸UVヘッドスパF』をシーズン限定で発売しました。見落とされがちな「頭皮のUVケア」にフォーカスした点がポイントです。

この施策のおもしろさは、「顔や体は対策するのに、頭皮は後回しになりがち」という日常の盲点を突いていること。お出かけやレジャーシーンを想起させながら、「実は焼けている場所」を気づかせることで、自然に商品への関心を引き上げている点も工夫が光ります。

さらに、炭酸による「パチしゅわ感」や、ひんやりとした使用感を前面に出すことで、UVケアを気持ちいい体験として再設計しているのもポイント。対策というより楽しさに寄せることで、子どもから家族全体を含めたシーン拡張につなげています。

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10.シーンによって使い分けを提案 無印良品の新たな日やけ止めシリーズ

良品計画

株式会社良品計画は、「無印良品」の日やけ止めシリーズから新たに3タイプの商品を発売しました。トーンアップミルク・ミスト・パウダーといった異なる形状を揃え、「シーンに応じて使い分けるUVケア」を提案しています。

この施策のポイントは、使用シーン・使用方法・機能の意味づけを再設計している点。外出時や日常生活、メイク直しといった具体的な使用シーンを紐づけることで、「UVケアは面倒」という従来のハードルを下げ、使用機会そのものを拡張しています。

さらに、くすみ補正や皮脂崩れ防止といった付加価値を組み合わせることで、UVケアを日常のスキンケアやメイクの延長線上に位置づけることにも成功しています。

「使い分け」というコンセプトを通じ、生活者の行動変容まで踏まえた本施策は、UV対策が当たり前になった市場の中で、具体的な活用シーンまで踏み込み、訴求力を強めた好例といえるでしょう。

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国内UVケアPR・マーケティング事例10選まとめ

紫外線対策というテーマは、毎年の「定番ネタ」でありながら、切り口や伝え方によって見え方を大きく変えることが可能です。機能や成分を伝えるだけでなく、体験やシーン、さらには社会的な文脈まで掛け合わせることで、同じUVケアでもまったく異なるストーリーが生まれています。

特に、今回取り上げた国内ブランドの事例からは、日本の気候や生活者のニーズ、さらには美意識や季節感といったローカルな文脈を踏まえたコミュニケーション設計の巧みさが見えてきました。

定番カテゴリーであるUVケアだからこそ、国内ならではの視点がどのように差別化につながっているのかをとらえることは、今後の企画や発信を考えるうえでもヒントになりそうです。

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