文具を映さない広告がなぜ評価されたのか コクヨ120周年の短編映画

コクヨが創業120周年に合わせて制作した短編映画『The Curiosity Films』のデジタル広告が、「交通広告グランプリ2026」のデジタルメディア部門で優秀作品賞を受賞しました。品川駅自由通路のデジタルサイネージ「J・ADビジョン」に、2025年10月13日(月)から19日(日)まで掲出された作品です。

この短編映画は、コクヨがリブランディングの一環として打ち出したコーポレートメッセージ「好奇心を人生に」の世界観を映像化した試みです。企業広告であるにもかかわらず、文具や商品そのものを前面に出さない点が大きな特徴となっています。

岩井俊二監督作品「世界地図」の一場面

「The Curiosity Films」は、日本・中国・アメリカを舞台に「好奇心」を描いた3作品『世界地図』『As Written』『Hidden Sun』で構成され、岩井俊二監督ら3人の監督が手がけました。

交通広告というと、商品や機能の訴求が中心になりがちです。コクヨは品川駅のサイネージを、商品ではなく「好奇心を人生に」というメッセージと短編映画への入り口として使い切りました。その振り切りに、交通広告グランプリの優秀作品賞という第三者評価が加わっています。

品川駅自由通路のデジタルサイネージ「J・ADビジョン」に掲出された「The Curiosity Films」

同社はこの施策の目的を「短編映画への興味喚起を通じてコーポレートメッセージを広く届けること」としています。

売り込む商品を前面に出すのではなく、企業が大切にする価値観そのものを物語として見せる。コクヨの短編映画は、周年広告で何を語るか考えるうえで手がかりになる一本といえるでしょう。

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