駅舎の記憶を未来へ 東急が木造駅舎の木材を古材として販売

近年、木材の需給がひっ迫し、価格高騰などが発生するウッドショックが起こるなど、古材が「環境への配慮・資源の有効活用」という点で注目を集めています。

こうした中、東急電鉄と古材の収集・販売を行う古材日和グループが、東急線の駅改修工事などで発生する古材の再循環を図るため、池上線池上駅の木造旧駅舎で使用していた古材を販売する実証実験を開始することを発表しました。

写真左:加工前の旧池上駅駅舎の古材  当時の駅舎の塗装や釘などが残っています 写真右:池上駅の木造旧駅舎(1959年当時)

東急電鉄では2018年春から、池上線池上駅の改良と駅ビル開発で確保した古材を、駅や沿線で活用し、歴史ある木造駅の記憶を未来に継承しながら、工事に伴う環境負荷低減(廃材処理時のCO2削減)に貢献する古材活用プロジェクト「みんなのえきもくプロジェクト」を進めています。

▲「ステーションウッド」商品一例

この実証実験では、国産古材の収集・加工・販売を行う古材日和グループのノウハウを活かし、池上駅で確保した古材を、駅舎の塗装や風合いを残した商品として加工。古材日和グループの販売サイトなどを通じ「ステーションウッド」として期間限定での販売を予定しています。
これにより池上駅改良で確保した古材の40%相当を再流通させることとなり、プロジェクトの活動などとあわせて、池上駅改良で確保した全ての古材を再循環させることになるということです。

この取り組みのポイントは、「駅舎で実際に使われていた」というストーリーが付与されることで、それが新たな価値になり得ることを示している点です。一見、ただ捨てられるはずの木材でも、かつての木造駅舎の利用者や鉄道ファンにとっては特別な意味を持ちます。この取り組みに限らず、発想の転換や着眼点によって、さまざまな社会課題解決に繋げられることを予感させます。

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