薄毛の境界線に異変あり!?アンケートでわかった”1cmの攻防”とは

スカルプDなどの製品で知られるアンファーが、2017年より全都道府県各100人、合計4,700人(男女比50:50、20歳代~60歳代各10人)を対象に頭髪事情に関して調査を実施。そして、2023年の「薄毛の境界線」に関する最新調査結果として発表されました。

おでこの広さ(眉毛の上から生え際まで)4cm~8cmの選択肢(タイトル下のイラスト参照)の中から、4cm・5cmと回答した人を「厳しい」、7cm・8cmと回答した人を「寛容」とし、薄毛と感じる認定ライン「薄毛の境界線」(以下、境界線)について質問。その結果、回答数の最も多かった境界線は「6cm」となりました。6cmは指の本数に例えるとおよそ4本となり、おでこ(眉毛の上から生え際まで)に指4本が収まる人は薄毛に認定される結果となりました。

2022年の境界線は、2019年から4年連続となる「7cm」で薄毛に「寛容」でしたが、今年の調査結果から以前より、薄毛に関して厳しい目で見られていることがわかりました。全回答の境界線平均値は6.1cmとなり、前年と比較して-0.09cm(※22年の境界線平均値6.19cm)と平均値からも厳しい境界線となっていることがわかります。

また、男女別の境界線を見てみると、“4cm・5cm「厳しい」”と回答したのは【男性33.8%/女性18.8%】で、“6cm”との回答は【男性28.4%/女性38.5%】、“7cm・8cm「寛容」”との回答は【男性37.8%/女性45.4%】でした。昨年の調査結果と比較すると、「厳しい」と答えた男性は昨年より+4.6%、女性は+2.2%と男性が境界線について厳しくなっていることがわかります。23年の境界線の平均値を男女で比較すると【男性5.98cm/女性6.22cm】と女性が約0.24cm上回っており、薄毛について寛容だということがわかりました。

男女の年代別境界線平均値では、男性20代5.86cm、60代は6.31cmと年代が高くなるごとに境界線も広くなり、20代と60代を比較すると約+0.5cmの差が生じています。一方、女性は20代から60代までほぼ変化はありません。男性は、薄毛について厳しい傾向ではありますが、年齢を重ねるに連れて寛容になっていることがわかりました。AGAなどの影響で、加齢するごとに薄毛が進行する可能性が高くなることもあり、薄毛に悩んでいる方の人数が多くなる為、寛容になっているのではないかと考えられます。

また、47都道府県の中で最も薄毛に厳しい都道府県第1位は兵庫県(平均5.7cm)となりました。どのような頭皮ケアを行っているか?」という問いに対し、「投薬や医薬品を使用している」と回答する人が全国で1番多く、「薄毛の症状で通院したことがあるか?」という問いに対して、「ある」と回答した人が全国で1番多い結果となり、兵庫県民は頭髪の悩みを改善する意識が強い傾向にあります。

薄毛に厳しい都道府県第1位となった背景には、自身が頭髪に対して、意識高くケアを行っているので「他人に対しても厳しい目で見ている」と考えられます。一方、薄毛に寛容な都道府県第1位となったのは長野県(平均6.35cm)です。本調査内で「現状の髪の状態に満足しているか?」に対して、満足していないと答えた数が全国で6番目に多く、「健康に対する不安があるか?」という問に対し「不安がある」との回答が全国で4番目に多い結果となり、自身の健康や容姿に関して不安を抱えていることから自身に対して、自信を持っていない傾向にあると考えられます。薄毛に寛容な都道府県1位という結果は、自身に対して自信をもっていない傾向にあることから、他人の容姿も「厳しい目で見ていない」という背景があるかもしれません。

薄毛の定義を印象ではなく数値で見せる工夫が大変おもしろい調査でした。ここ数年の変化もわかるほか、エリアや世代によって、そのイメージに差があるという結果も興味深いものでした。数値化する調査は切り口を変えることで、いろいろな分野のマーケティングに有効だという好例になったのではないでしょうか。

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