異なるサービスをひとつの記憶に リクルート「リズムネタリレー」の統合設計

企業が異業種のブランドやサービスを展開する場合、それぞれの利用シーンや対象者が異なるため、個別にプロモーションを実施することが一般的です。

しかし、サービスごとに情報を発信するだけでは、企業全体の価値や存在意義は生活者の記憶に残りにくくなります。異なるブランドをどのように企業ブランドの記憶へ結び付けるかは、多角的な事業を展開する企業に共通するコミュニケーション課題といえるでしょう。

そんな中、株式会社リクルートは、2026年7月1日(水)よりWeb CM「リズムネタリレー」全5篇を公開しました。

「スーモカウンター」「ホットペッパービューティー」「じゃらん」「Airペイ」「カーセンサー」を対象に、小島よしおさん、チョコレートプラネット、藤崎マーケット、狩野英孝さん、永野さんといったリズムネタで親しまれる芸人を起用。

「クセになるリズムで暮らしをいきいきと」をコンセプトに、それぞれのサービスの魅力をリズミカルに表現しています。

この施策で特徴的なのは、住宅・美容・旅行・決済・中古車という異なる生活領域のサービスを、リズミカルな表現によって統一されたブランド体験へ再編集している点。通常であれば、各サービスは異なる対象者や利用シーンに合わせて個別に訴求されます。

一方、本キャンペーンでは、リズムという覚えやすい表現を軸に据えることで、それぞれの個性を活かしながらも、リクルートが提供しているのは個別サービスだけではなく、「暮らしを支える安心感」という企業価値であることを自然に印象づけています。

また、キャスティングそのものが統合の仕組みの一部になっている点も見逃せません。単に人気芸人を起用するのではなく、それぞれが持つ代表的な持ちネタの世界観と各サービスの特徴を結び付けることで、見た瞬間に納得できる組み合わせを実現しています。

各サービスに合わせてクリエイティブを最適化しながらも、シリーズ全体を貫くコンセプトによって、複数のCMをひと続きのキャンペーンとして成立させました。

さらに、各CMを同時に展開することで、「次はどのサービスだろう」と続けて視聴したくなる流れも生み出しています。生活者はCMをきっかけに各サービスを思い出すことでしょう。

その積み重ねが企業全体へのブランド想起につながり、各サービスとの接点を企業価値へ結び付けるコミュニケーションの構造になっています。

リズムネタという一貫したクリエイティブによって、個別サービスの認知を企業ブランドの記憶へと転換。異なるブランドをひとつの体験として束ね、企業価値を育てる統合コミュニケーション設計が光る事例です。

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