知名度で劣るビールブランドが描く“弱者の戦い方”
デンマーク生まれのビールブランドCeresは、日本でこそあまり知られていないもののヨーロッパのビール好きの間では通好みのビールとして親しまれています。爆発的な知名度こそないものの、歴史に裏付けされた根強いファンを多く抱える、そんな特殊なブランドである同社の広告は“ニッチであること”をあえて前面に打ち出すことで刺さる人には刺さる、わかる人にはわかる、そういったクリエイティブが多い傾向にあります。そんなCeresがイタリアで公開したCMではまさにこの姿勢が浮き彫りになっており、同社らしいアプローチが光る映像に仕上がっています。
“Bromance(男同士の友情)”というタイトルの動画は、偶然パブに居合わせた2人の男性が同じTシャツを着ていたシーンから幕を開けます。意外な共通点に驚いた片方の男性が、2人で美しい友情を育む様子を勝手に妄想しはじめます。一緒にハンバーガーを食べ、青春を謳歌……同じ趣向を持っている相手ならきっといい友人になれるに違いない。そう思っていたのに、なんとその男性はカウンターでハイネケンと思われるビールを注文。元々Ceresを飲んでいた男性はこれを見て落胆し、運命の友だちではなかったもののささやかな偶然として乾杯をするのでした。
まだまだ知名度に課題を抱えるブランドとして、自社の商品がニッチなものであることをしっかりと理解した上で、その立ち位置を活かしたメッセージングが逆に際立つ珍しい事例でした。
その他のブランディング事例についてはこちら
https://predge.jp/search/post?genre=27
会員登録、メルマガの受信設定はこちら
https://predge.jp/

1