水蒸気に映した立体映像で障害者用駐車スペースの適正利用を促す、露NPOによる驚きの啓発施策

Case: More than a sign

ショッピングセンターや大型施設などの駐車場に必ず設置されている、障害者専用スペース。車の乗り降りに広いスペースを必要とする高齢者や、車いす使用者が利用するためのスポットですが、ロシアでは、3割以上の健常ドライバーが気にせずに障害者スペースに駐車してしまうそうで、本当に必要とする人が車を止められないという問題が生じています。

体に障害を持つ人への支援活動を行うロシアのNPO団体・Dislifeは、多くの人がその意味を知っていながら無視してしまう『車いすマーク』について人々に改めて考えてもらうため、ある施策を実施しました。

同団体が用意したのは、水蒸気をスクリーンにして立体映像を投影するプロジェクター。これをヨーロッパ最大のショッピングモールをはじめとした、複数の商業施設の駐車場の車いす専用スペースに設置しました。

そして天井近くに取り付けたカメラで入庫してくる車を撮影し、車のフロントガラスに車いすマークのステッカーが貼られているかを確認。

ステッカーがある、すなわちその場所を利用する資格のある人であればそのまま駐車できますが、ステッカーの無い車が駐車しようとすると、スクリーンに突然、車いすに座った男性の姿が映し出されます。

驚いて車を降りたドライバーに、「車いすマークが見えたでしょう?見ないふりをしないでください。」「このスポットは障害者専用ですよ。」と話しかけ、この場所を本当に必要とする人がいるのだという事を訴えます。

障害を持つ人たちは日常生活を送るにあたり、様々な場面で支障となる事柄に遭遇します。駐車場問題もそのひとつ。障害者も健常者も共に暮らせる地域社会を作るために、私たち一人ひとりがモラルと思いやりを持つことが大切なのだと感じさせる施策でした。

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