この問題から目を背けないで!“目を向けるとアザが消える”ビルボード

Case: The Bruised Woman on This Billboard

女性や子供に対するドメスティック・バイオレンスの防止啓発に取り組む英国のチャリティー団体・Women’s Aidが、来る国際女性デーに合わせて、顔認識技術を採用したビルボードを設置しました。

Women’s Aidが、アウトドア広告を専門とする広告代理店・Ocean Outdoorの協力を得て掲示した広告がこちら。

大きく描かれた女性の顔には、複数のあざがあり、一目で暴力を受けたことがわかります。

思わず目を背けたくなるビルボードですが、こういった現実に目を背けてしまうことが問題であり、目を背けることなくしっかり直視することが問題解決の第一歩となることを訴求するために、このビルボードは顔認識技術を採用しています。

仕組みは至ってシンプル。ビルボード上部には顔を認識するカメラが設置されており、人がビルボードに顔を向けると(ドメスティック・バイオレンスの問題に直視すると)、カメラが認識し、ビルボードに映し出されている女性のあざが消えていく(ドメスティック・バイオレンスの問題は徐々に解決していく)というものです。

人々がビルボードに目を背けている限り、女性に全く変化は起こりませんが、一人また一人と足を止め、しっかり目を向けることで、女性の傷は徐々に癒えていきます。

ビルボード下部には、ビルボードに目を向けた人のライブ映像が流れるようにもなっており、ビルボードに注目するきっかけ作りを担っています。

また、ビルボードの近くを通行した人に対して、Women’s Aidへの寄付を募るテキストメッセージを配信すると共に、ビルボード上でもSNSを介した寄付方法を掲示することで、Women’s Aidの活動への支援を呼びかけています。

実際のビルボードは、今回初めてロンドンの街角に設置されましたが、アイディアそのものは、昨年9月にOcean Outdoorの広告賞を受賞したものです。きちんと目を向けることが問題解決の第一歩となることを訴求した斬新なデジタルビルボードでした。

参考サイト

Women’s Aid and Ocean Amplify the Violent Face of Abuse from Ocean Outdoor on Vimeo.

参考サイト

Women’s Aid
http://www.womensaid.org.uk/page.asp?section=0001000100100038&sectionTitle=Blind+Eye+2015
Adweek
http://www.adweek.com/adfreak/bruised-woman-billboard-heals-faster-more-passersby-look-her-163297

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