女性たちが外すことのできないもうひとつの“マスク”とは? ルーマニアのNPOが生々しく描いたDVの実情

新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らぐルーマニアでは、国際女性デーの翌日に外出時のマスク着用義務が解除されましたが、その後も家庭内暴力(以下DV)から”マスク”を外せない女性がいる現実を受け、同国で家庭内支援を求める人々に適切なサポートを提供するNPO・ANAIS AssociationがDV撲滅の動画を公開しました。

“Some Masks Remain(外すことのできないマスクがある)”というタイトルで公開された動画は、恐怖に怯えながらカメラに向かって懇願する女性たちの様子を紹介。画面に映る全員の目元のメイクが崩れてしまっていたり、髪の毛が乱れてしまっていたりなど、明らかに暴力被害に遭ってしまったことが伺えます。

画面外から飛んでくる「今すぐその男に電話しろ! お前たちが何もしていないなら電話できるはずだろう!」という怒号に対して「信じて、本当に何もしていないの」と自らの潔白を訴える女性や、「お姉ちゃん、わたしまた彼に外出禁止って言われちゃったよ」と泣きながら助けを求める女性、「また彼にお金を奪われました。先月の給料も、貯金もすべてなくなっていました」と涙を流しながら語る女性など、全員が交際相手と思われる男性からさまざまな暴力行為=DVを受けているようです。

動画の後半では、そんな女性たちを映すカメラが大きく揺らぎ、再び画面外から男性の怒号が飛び交う様子が。恐怖のあまり両手で口を塞ぐ女性たち。動画のタイトルにもある“マスク”とは、衛生用品としてのマスクではなく、恐怖から身を守るために口を塞ぐ両手のことを指していたのです。

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