その文字をタイプしている間に〇m走行しています…運転中の“スマホ操作の危険性”を啓発するデジタル施策

Case: BlindMeters

運転中のスマホ操作が危険だということは、もはや常識。それでも“ながらスマホ”による交通事故が後を絶たないのは『少しだけなら大丈夫』という気持ちがあるからです。

そんな中、自動車事故で子供を失った遺族が立ち上げたベルギーの交通安全啓発団体・Parents Of Road Victimsは、運転中にスマホで文字を入力する際、どれくらいの時間ドライバーが前方から目を離しているかを知ってもらうための特設サイト『BlindMeters』を立ち上げました。

アクセスすると、画面に表示されるのはブリュッセル郊外の道路をランダムで写したGoogleの航空写真。道路上に『Type here』と書かれたテキストボックスが配置されており、ユーザーは好きな文字を入力できるようになっています。

試しにキャンペーンタイトルの『BlindMeters』と打ってみると、その横に現われたのは289mという数字。

これは時速120キロで運転しながらスマホに『BlindMeters』と入力した場合、289mもの距離を前方不注意の状態で走行しているという意味です。

車のスピードの設定はその道路の制限速度によって時速30キロから120キロまで5段階あり、『Will be ten minutes late honey(10分遅れるよ)』という短い文章を120km/hの速さで運転しながら打つと、走行距離はなんと789mに。スマホを操作しながらのドライブがいかに危険かが分かります。

メッセージの送受信は、前方不注意による認知力の低下に加え、ハンドルから手を放して操作するため、特に重大事故を引き起こしやすいのだそう。『ほんのちょっとだけ』その一瞬が自分や他の人の命まで奪いかねないということを、分かりやすい数字で示した交通安全啓発キャンペーンでした。

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