「VIVANTごっこ」で観光以外の県政情報へ横展開 鳥取県の職員発PR

鳥取県は、ドラマや映画、漫画などの話題、SNS上のトレンド、職員自身の個性を組み合わせ、県政情報への入口をつくる広報に取り組んでいます。SNSなどに使う写真と文章はすべて職員の手作り。予算をかけない情報発信を工夫しながら、観光、地域振興、県職員採用、温泉文化といった異なるテーマへ関心をつなげています。

鳥取県 VIVANTごっこ

代表例が、TBS系日曜劇場「VIVANT」をモチーフにした「VIVANTごっこ」です。第1シーズンの放送時から、鳥取砂丘を劇中の架空の国「バルカ共和国」になぞらえた発信を行い、第2シーズンでは、撮影が行われた日南町をはじめ、県内の地域にも展開。8月27日(木)には日南町が期間限定の愛称「NICHI VIVANT CHO」を発表しました。作品の話題を観光だけにとどめず、県や市町村、地域関係者をまたいだ情報発信へとつなげています。

さらに8月28日(金)、鳥取県広報公式Xは、「VIVANT」で阿部寛さんが演じる公安・野崎守を思わせる松田健係長を、県職員採用試験の投稿に起用しました。作品を想起させる写真とコピーを用いた投稿は、9月8日時点で約180万回表示、約2.5万件の「いいね」を記録。テレビ、新聞、Webニュースにも取り上げられ、話題とともに県職員を募集している事実も届けました。

松田さんは日吉津村の職員で、人事交流により県庁広報課に勤務しています。県は、著名人だけでなく、県庁や市町村で働く職員の個性や専門性も、県政を伝える人材と位置付けています。松田さんのケースは、職員自身の個性を県政情報と結び付けた一例です。

鳥取県 VIVANTごっこ

9月7日(月)には、湯梨浜町で開かれた全国初の「温泉文化・世界サミット」にも松田さんが登場。「テルマエ・ロマエ」の原作者で温泉文化アンバサダーに就任したヤマザキマリさんと対面し、その様子が全国で報道されました。採用投稿で高まった認知を、温泉文化や2030年のユネスコ無形文化遺産登録を目指す取り組みの発信へつないだ形です。

注目すべきは、反響の大きい投稿を単発の成功として終わらせず、担当課や市町村を越えて次の県政テーマへ展開した点です。話題性を借りるだけでなく、自組織の場所、人、政策との接点を見つけ、受け手が知っている入口から情報を届ける。鳥取県の取り組みは、職員の個性や既存の話題を生かし、SNSで生まれた関心を報道や次の県政情報へつなげるPR事例です。

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