花火大会と掛け合わせた地域PR・集客事例まとめ|夏のにぎわいを接点に変える施策10選

夏の風物詩である花火大会には、多くの人が集まります。一方、イベント当日のにぎわいを、その後の来訪や施設・サービスの利用へどうつなげるかは、自治体や企業にとって重要な課題です。

観覧前後の時間や地域ならではの魅力を生かすことで、花火大会は地域やブランドと出会うきっかけにもなります。

本記事では、花火大会と掛け合わせた地域PR・集客の取り組みを10件紹介します。滞在時間の活用から収益の創出、協賛による関係づくり、IPやアーティストの活用まで、夏のにぎわいを地域やブランドとの継続的な接点へ変える工夫をまとめました。

<花火前後の滞在時間を地域体験に変えるPR・集客施策>

花火大会を起点に人が集まる際は、前後の滞在時間をどう活用し、地域や施設を回遊してもらうかが集客のポイントになります。まずは、花火大会と自社施設を組み合わせ、来訪機会を広げた事例を紹介します。

1.花火大会のにぎわいを百貨店へ 松坂屋静岡店の涼のおもてなし

松坂屋静岡店
松坂屋静岡店は2026年7月18日(土)と8月8日(土)、地域の花火大会に合わせて、浴衣姿のスタッフによる打ち水やオリジナルうちわ、アイスクリームの配布を実施します。

あわせて屋上を開放し、従業員やグループ会社、取引先の従業員を対象に花火観覧会も開催。来店客に向けたサービスにとどまらず、従業員や取引先同士のコミュニケーション機会の創出やリフレッシュを図ります。

花火大会の日に人が集まるタイミングへ合わせて涼を提供することで、百貨店を地域で快適に過ごすための拠点へと広げています。打ち水や浴衣といった季節感のある演出に加え、アイスクリームの提供を組み合わせることで、花火をきっかけに地域を訪れた人との接点を自然に創出しました。

待ち時間や移動時間が生まれやすい花火の観覧前後を快適な体験へ置き換えることで、来店のきっかけにつなげています。地域イベントに合わせて施設の役割を広げることで、生活者との接点を増やす考え方は、商業施設や観光施設でも取り入れやすいでしょう。

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2.隅田川花火大会の日と地域のものづくりを結ぶ宿泊体験

ロッテシティホテル錦糸町
ロッテシティホテル錦糸町は2026年7月25日(土)の隅田川花火大会当日に合わせ、宿泊者限定の夏祭り「すみだ縁日」を開催。ミニ屏風づくりやガラスペン体験など墨田区の職人文化に触れるワークショップ、地元の銭湯が手がけるクラフトビールとのコラボレーション、伝統の折り紙を使った折り鶴づくりなどを実施し、地域ならではの文化やものづくりに触れる機会を設けます。

花火大会当日の打ち上げまでの待ち時間を、地域の文化や職人技に触れる時間へと変えることで、宿泊時間そのものに地域ならではの魅力を加えています。

花火大会の集客力に頼るだけでなく、地元事業者と連携して地域資源を宿泊プランへ取り入れることで、花火大会を目的に訪れた宿泊者と地域文化との接点を生み出しています。ホテルや観光施設が地域文化や地場産業と連携し、滞在時間をより充実したものにする取り組みとして参考になる事例です。

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3.水戸の花火を東京で疑似体験 地域への来訪を促す観光PR

シビレ株式会社
地域活性事業やプロモーション支援を手がけるシビレ株式会社は、2026年6月11日(木)・12日(金)に東京のローカルハブスペース「OFF TOKYO」で、水戸市の花火と祭りの魅力を紹介するイベントを開催しました。

内閣総理大臣賞の受賞歴を持つ花火師が手がける水戸偕楽園花火大会のVR映像をはじめ、水府提灯を持って歩ける展示や、水戸納豆の食べ比べなどを実施し、東京にいながら水戸の夏の文化を感じられる内容となっています。

東京で地域の魅力を発信することで、花火大会を知ってもらうだけでなく、現地を訪れるきっかけを創出する狙いもありそうです。花火とあわせて伝統工芸や食文化も紹介することで、水戸という地域全体への興味を広げ、観光地としての魅力を伝えています。

さらに、有料観覧席の魅力も紹介し、花火大会当日の過ごし方を具体的にイメージできるよう工夫しています。現地だけで情報を届けるのではなく、生活圏である東京に地域の魅力を持ち込むことで、旅行先として検討するきっかけをつくる取り組みです。

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<有料観覧席・ふるさと納税で地域収益につなげるPR・集客施策>

花火大会をきっかけに地域を巡ってもらうだけでなく、そのにぎわいを地域への寄付や継続的な利用へ結び付ける動きも広がっています。ここからは、花火大会を地域全体の活性化につなげた企画を見ていきます。

4.花火大会の有料観覧席をふるさと納税返礼品に 地域財源を生む取り組み

兵庫県川西市
兵庫県川西市は2026年11月7日(土)、第77回猪名川花火大会を開催します。熱中症対策として例年の8月から11月へ開催時期を変更するとともに、ふるさと納税の返礼品として有料観覧席を用意。2万円の寄付に対する返礼品として先着170名を受け付け、安全な大会運営と地域への寄付を組み合わせた取り組みを展開します。

有料観覧席を単なる観覧サービスではなく、ふるさと納税の返礼品とすることで、全国の生活者が地域と関わるきっかけを生み出しています。

花火大会は多くの人が集まる一日限りのイベントですが、寄付という仕組みを組み合わせることで、来場を地域への応援に変換しました。イベント運営と地域財源の確保を結び付け、継続的に地域を支える仕組みづくりにも生かしています。

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5.3会場の花火大会と夏まつりを一体で発信 市内回遊を促すさいたま市のPR

さいたま市花火大会実行委員会
さいたま市花火大会実行委員会は2026年7月25日(土)の大和田公園会場を皮切りに、8月8日(土)の東浦和大間木公園会場、8月22日(土)の岩槻文化公園会場の3会場で花火大会を開催します。全会場で有料観覧席をオンライン販売するほか、市内各地で開催される夏まつりもあわせて紹介し、さいたま市全体の夏の催しを発信しています。

花火大会だけでなく夏まつりもあわせて発信することで、市内各地へ足を運ぶきっかけをつくっています。また、花火大会は3会場かつ異なる日程で開催し、地域ごとの魅力を伝えながら混雑を分散。市内の複数拠点へ来訪機会を広げています。

さらに、公式アプリでは有料観覧席を5%引きで販売し、地域アプリの利用も促進しています。花火大会を入口に地域全体との接点を広げることで、一過性の集客にとどまらず、その後の回遊や地域サービスの利用促進にもつなげています。

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<協賛・顧客還元で地域文化を支えるPR・集客施策>

次に紹介するのは、地域の花火大会を支える取り組みを、自社の顧客との関係づくりにも生かしている事例です。

6.配信者への応援を地域の花火に変える「everylive」共創型協賛企画

エブリライブ株式会社
エブリライブ株式会社は、静岡県浜松市天竜区佐久間町で2026年8月1日(土)に開催される浦川まつり花火大会に協賛し、ライブ配信アプリ「everylive」で当日の様子を生配信します。あわせて、応援するライバー(ライブ配信者)に投票チケットを贈り、“推し”のライバーのための花火を打ち上げるアプリ内企画「ライバー花火」を5月21日(木)から6月19日(金)まで実施しました。

浦川まつり花火大会は、新型コロナウイルスの影響で一時中止となった後、地域の尽力によって復活しました。エブリライブは、花火大会が今後も続いてほしいという思いから2025年に協賛を開始し、今年もライバー花火や生配信を通じて、現地に足を運べない人も地域行事を応援できる機会をつくっています。

利用者によるライバーへの応援が、現地で打ち上がる花火という目に見える成果へ変わり、その様子を生配信で共有できます。企業、大会運営者、ライバー、利用者がそれぞれ参加する共創型の協賛にすることで、現地に行けない人も地域文化を支える当事者になれる設計です。

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7.びわ湖大花火大会有料席に2,000名を招待 不動産会社の入居者サービス

株式会社長栄
マンション管理会社の株式会社長栄は、2026年8月6日(木)開催の「第40回記念大会 2026びわ湖大花火大会」で、管理物件の入居者2,000名を有料観覧席へ招待する「ベルヴィ夏祭り」を実施します。貸切エリアを設け、抽選で入居者を招待する取り組みで、2016~2019年と2023~2024年の計6回開催しています。

背景には、賃貸マンションの入居者は町内会に加入していないことが多く、地蔵盆(関西地方を中心に行われる、子どもの無病息災を願う地域行事)に参加する機会が少ないという実態があるとのこと。

同社は、地域行事との接点を持ちにくい入居者に対し、びわ湖大花火大会への招待を通じて、地域ならではの季節の思い出をつくる機会を提供しています。地域とのつながりを感じられる場を設けることで、管理会社と入居者との良好な関係づくりにもつなげています。

こうした企画への参加は、住み続けたいという意識や、住み替え時に管理会社を選ぶきっかけにもなり得ます。地域イベントを入居者向けサービスへ取り入れる発想は、不動産業だけでなく、サブスクリプション型サービスなど、継続利用を促したい企業にも活用できそうです。

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<IP・エンタメで花火大会に新しい参加層を呼び込むPR・集客施策>

最後は、IPやアーティスト、タレントを掛け合わせることで、花火大会そのものの魅力を広げ、新たな来場者や視聴者との接点を生み出した取り組みを紹介します。

8.花火大会の運営にデジモンを取り入れてファンを呼び込むコラボレーション

東映アニメーション株式会社
東映アニメーション株式会社は、2026年7月25日(土)に開催される立川まつり国営昭和記念公園花火大会と、人気IP「デジモン」の新プロジェクト「オールデジモン」のコラボを実施します。

会場スタッフのTシャツや有料観覧席チケットと引き換えるリストバンドにデジモンのデザインを使用するほか、会場限定うちわの無料配布、アグモンによる園内アナウンス、コラボポスターの掲出を行います。

今回のコラボではグッズ販売や物販ブースを設けず、スタッフの服装やチケット交換時のリストバンド、園内アナウンスなど花火大会の運営にキャラクターを組み込むことで、会場全体をデジモンの世界観に触れられる場へ広げています。

IPを地域イベントへ溶け込ませることで、デジモンファンにとっても花火大会へ足を運ぶ理由をつくっています。会場限定・数量限定のうちわや非売品のスタッフTシャツは、現地ならではの特別感を演出し、SNSでの投稿や来場時の話題づくりを後押しします。

地域イベントでIPを活用する際は、グッズ販売だけでなく、運営の細部へIPを自然に組み込む方法も選択肢のひとつといえるでしょう。

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9.花火大会が音楽フェスに 有料観覧席の価値を高める神宮外苑花火大会

ぴあ株式会社 神宮外苑花火大会
2026年8月8日(土)に開催される神宮外苑花火大会は、神宮球場と秩父宮ラグビー場の2会場で、花火とアーティストライブを組み合わせて開催します。神宮球場には湘南乃風や松平健、nobodyknows+、≒JOYらが出演し、秩父宮ラグビー場にはT.N.Tが登場。全席指定・有料のチケットを、チケットぴあなどで販売します。

花火を無料で楽しむ従来の観覧形式ではなく、ライブから花火、アフターライブまでを一つの公演として構成することで、花火大会を音楽フェスに近い都市型エンターテインメントに転換させています。

また、往年の人気アーティストと現役グループを組み合わせて、花火だけでなく出演者を目当てに訪れる人も呼び込み、幅広い世代へ来場のきっかけを広げます。

有料指定席とライブコンテンツを組み合わせることで、チケット価値を高める花火大会。協賛や物販だけに依存せず、コンテンツの付加価値によって収益を生み出す考え方として参考になる事例です。

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10.キンタロー。起用で全国の夏祭りを横断発信するケーブル局のPR

日本デジタル配信株式会社
日本デジタル配信株式会社は、地域情報チャンネル「satonoka 4K/TV」の2026年夏のイメージキャラクターにキンタロー。さんを起用しました。長岡まつり大花火大会や青森ねぶた祭、阿波おどりなど全国各地の祭りや花火を生中継するほか、「satonokaキンタロー。祭」と題した告知映像を放送やYouTubeで展開します。

単に知名度のあるタレントを起用するのではなく、祭りを題材にしたものまねや実際の祭りへの参加経験を持つキンタロー。さんの起用は、番組内容との親和性を高めることにつながります。インパクトのある表現を入口にしながら、祭りや花火の魅力を伝える役割を担わせることで、チャンネルの認知と、紹介する地域への興味を広げています。

さらに、告知映像を通じて生中継への視聴を促すだけでなく、現地への来訪意欲も育てています。複数の地域イベントを一人のタレントでつなぐことで、単発の番組告知ではなく、夏を通じた継続的な情報発信を実現。自治体や放送事業者が複数の催しを横断して発信する際に有効な手法といえるでしょう。

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花火大会と掛け合わせた地域PR・集客事例まとめ

花火大会と組み合わせた企画には、来場者数の多さを生かすだけでなく、花火の前後に生まれる時間や行動を、新たな接点へ変えている取り組みが多く見られました。

暑さをしのぐ立ち寄り先として百貨店を活用したり、ホテルで伝統文化に触れられる催しを開催したりと、待ち時間や混雑を地域を知るきっかけへ変えることで、施設への来訪や地域内の回遊を促しています。

また、有料観覧席やふるさと納税、地域アプリなどを組み合わせることで、一日限りのイベントを継続的な利用や地域との接点へ広げる工夫も光りました。

さらに、企業協賛を利用者も参加できる企画へ発展させたり、IPやアーティスト、タレントと掛け合わせて新しい来場理由を生み出したりと、花火大会を支える人や楽しむ人も視野に入れた動きも広がっています。

花火大会を単発の集客で終わらせず、地域や施設、サービスとの接点をどう増やすか。その視点が、季節イベントを継続的な関係づくりへ発展させるための鍵になりそうです。

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