「ドラクエ」40周年企画 マーケティング事例・PR事例まとめ8選
日本を代表するロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」(以下、ドラクエ)は、1986年の誕生から40周年を迎えました。
株式会社スクウェア・エニックスは、Nintendo Switch 2版「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて S」を2026年9月24日(木)に発売します。40周年を迎えた2026年5月27日(水)より、各種ストア・店舗にて順次予約受付を開始しました。
これを記念し、同日にはコラボレーション商品や企画のニュースが続々と配信されました。今回は、長い歴史を持つ「ドラクエ」40周年コラボ企画をまとめてお届けします。
1.ゲームとの連動も実現 世代を超えて楽しめる喫食体験

B-R サーティワン アイスクリーム株式会社は、 ドラクエとのコラボレーションキャンペーンを2026年6月1日(月)より開始。
単なるキャラクターイラストのパッケージ起用にとどまらず、商品開発からノベルティの配布、オンラインゲームとの連動まで、さまざまなアプローチを展開しています。
ドラクエの世界観を見た目や味、食感で表現したフレーバーを用意し、ファンのエンゲージメントを刺激しています。
また、テイクアウトボックスを開けると作中のトラップモンスターが出現。購入後の体験までをもエンタメ化し、SNSでの自然発生的な認知拡大を誘導しています。
6月1日(月)より3日(水)まで先着20万枚限定コラボ記念ステッカーをプレゼントし、希少性のあるノベルティの配布で来店動機を創出しました。
さらに、オンラインゲーム『ドラゴンクエストX オンライン』のゲーム内にサーティワンのアイテムが登場。キャンペーン期間中にあいことばを入力するとアイテムを受け取ることができるという仕掛けを設定しています。
商品の味や外観、パッケージの仕掛けにゲームの世界観を落とし込み、ゲームとの連動も実現した本施策。かつての作品ファンである親世代から、現在のオンラインゲームに親しむ子どもまで楽しめる喫食体験を提供しています。
2.回復呪文×商品の効果 ユニークな訴求プロモーション

ヘアケアブランド商品を発売するステラシード株式会社は、同社のエイトザタラソとのコラボデザインアイテムを全国の一部バラエティショップ・ドラッグストアにて数量限定で発売。2026年7月1日(水)より順次展開予定です。
キャッチコピー「髪に、ホイミ!!」の「ホイミ」とは、ゲーム内では負傷したキャラクターの体力を回復させる代表的な呪文です。この呪文に、同商品の保水・潤いを掛け合わせ、髪に潤いと艶を与える同商品をアピールします。
また、ゲーム内での回復役のホイミスライムをボトルデザインに採用することで、日常のバスタイムで髪を回復させるという一貫したストーリー性を実現。商品の訴求力を高めています。
ドラッグストアのツルハグループ限定パッケージを用意することで、特定の流通チャネルとの関係性を強化。他社との差別化や販促のフックとなり、メーカー側にとっては店舗での確実な定番棚の確保や、露出の強化につながります。
さらに、男女でシェアして使える「エイトザタラソ ユー」も同時展開。「ドラクエ」の主要ファン層である男性にもアプローチし、女性向けヘアケアという枠を越え、ターゲット層の拡大を狙います。
3.ファン心理とEC導線を突いたラインナップ・チャネル選定

メガネブランド「Zoff」のドラクエコラボは、メガネや周辺雑貨に作品の世界観を結びつけ、ファン心理を計算した商品構成が特徴です。注目は、ターゲット層のニーズと販売経路に合わせたコレクション構成です。
店頭やECで広く展開するモンスターコレクションは、スライムなどの特徴を日常使いしやすいよう、さりげなくデザインに落とし込み、幅広い層へのアプローチを図っています。
一方で、コアファンに向けたゆうしゃコレクションでは、シリーズの象徴であるロトの装備や天空の装備をモチーフに設定し、プレミアム感を演出。
また、Web限定シリーズとしてアイテムコレクションを別途用意。限定感をフックに公式オンラインストアへのアクセスと会員登録を促す導線を配置しています。これにより、実店舗を持たないエリアへのアプローチや、EC全体の売上底上げにつながるでしょう。
メガネ本体にとどまらず、メガネ拭きやケース、マスコットクリーナーなどの雑貨コレクションも豊富にラインアップ。既存のメガネユーザー以外のライト層や、ギフト需要を捉える低単価なエントリー商品として機能し、客単価の向上や購買のハードルを下げる役割を果たしています。
ファン層の熱量に応じた段階的なラインアップと、WebEB限定というチャネル選定の割り振りが光る事例です。
4.キングスライムを初起用 双方の周年という節目を活かした明確なコンセプトを設計

ロート製薬は、数量限定商品「ロートジー キングスライム型目薬」を2026年6月10日(水)より全国で順次発売します。コラボ3度目となる今回は、人気モンスター「キングスライム」を初起用しました。
パッケージはキングスライムを目薬の“しずく感”になぞらえて描き起こしたデザインを採用。 目薬のしずく感になぞらえたボトルや、箱の内側にスライムの合体シーンを楽しめるバトル画面を施すなど、世界観を尊重した仕掛けでファンへの訴求を図っています。
40周年を迎える同ゲームと、40周年間近の「ロートジー®」の歩みを重ね合わせ、ゲームの歴史を冒険の物語、目薬の役割を瞳を休める習慣として提示。双方の周年という節目を活かした明確なコンセプトを設計にしています。
スマホやゲーム機などで画面を見る時間が長い現代の生活者に対し、「目をいたわる」というテーマを自然に想起させます。
作品の認知度に頼るだけでなく、現代のライフスタイルに合わせた実用的な健康習慣として商品のベネフィットを落とし込んだ、再現性の高い販促事例です。
5.抽選販売×SNSでファン熱狂の話題化戦略

高いデザイン性で人気のフェイラーがドラクエと初コラボ。 2026年5月27日(水)〜6月2日(火)にフェイラー銀座本店をはじめとする、全国15店舗のショップ、公式オンラインショップにて抽選販売を行いました。
ドイツの伝統工芸・シュニール織の質感と作品の世界観の融合させた今回のコラボアイテム。ブランドの強みを活かしたデザインのハンカチのほか、インテリア雑貨まで幅広いラインナップを揃え、ギフト需要や客単価の向上を狙いました。
40周年の記念コラボをフックに、プレミアム感のある商品価値を提案。自分のために買うコレクター向けにとどまらず、誰かへ贈るギフト需要を取り込むことで、客単価と購買層の拡大につながります。
また、すべての販売経路を一括抽選に絞り、転売対策のため購入点数を制限。再入荷の告知をメルマガや自社アプリのみで行う仕組みを設け、自社プラットフォームへ自然に誘導しています。
さらに、SNSを活用したプロモーションも話題となっています。申込開始日に合わせてインスタライブを配信し、織物の立体感やサイズ感を伝えることでファンの応募熱量を集約。加えて、ハンカチが当たるInstagramキャンペーンを開催。ユーザーによる情報拡散を誘導しています。
製造技術を活かした商品力と、緻密な販売・デジタル戦略を掛け合わせた優れたIPマーケティングの事例といえるでしょう。
6.世界観×機能性で”推し活メイク”市場を開拓

貝印株式会社はドラクエの持つ技術的機能とキャラクターの属性を融合させたメイクパフを2種を、自社の公式オンラインストアをはじめ、全国のドラッグストアなどで2026年5月27日(水)より販売開始しました。
1908年、刃物の町として有名な岐阜県関市に創業した同社は、包丁をはじめとする調理器具や製菓用品のほか、身だしなみを整えるツールやビューティーツールを手掛けています。今回は、パフの機能特性と作品のモンスターの生態をリンクさせた商品開発に挑戦しました。
「スライム3Dパフ」では、水を含むと約1.5倍に膨らむというパフの性質を、柔軟に姿を変えるスライムのイメージと同期させ、使用時の視覚的な楽しさを演出。
多層構造でファンデーションを内側に吸い込まない「ファンデーションが染みこみにくいパフ」には、あらゆる攻撃を弾く「はぐれメタル」を起用。液を弾いて少量でメイクできるという技術的強みを、キャラクターの特性を借りて直感的に伝えることに成功しています。
また、形状は同じでありながら、「スライム」「スライムベス」「メタルスライム」の3色を同時展開。消耗品であるメイクパフに対してファンのコンプリート欲を自然に促しています。
そして、今回の発表を第一弾と明記し、今後の継続的な展開を予告。初回の話題性だけで終わらせず、生活者の関心を中長期的に維持する戦略がとられています。
実用性とコレクション性を両立させた商品構成と、ファン層へ向けた段階的なアプローチが秀悦なマーケティング事例です。
7.季節の課題を解決する呪文とアトラクションへの没入感を高める演出

兵庫県立淡路島公園アニメパーク「ニジゲンノモリ」は、フィールドRPGアトラクション「ドラゴンクエスト アイランド いにしえの魔神と導かれし冒険者たち」にて、夏限定イベント「極めろ!マヒャド修得の試練」を2026年7月10日(金)から9月30日(水)まで開催します。
屋外型テーマパークの課題である暑さ対策(冷却ミストの設置)に、作中の氷呪文という世界観を重ね合わせてコンテンツ化。
来場者はミストを浴びながらエリア内の修行スタンプを集めるゲームに挑戦し、達成時には大量のミストと演出による上位呪文「マヒャド」を体感できます。単なる休憩所の設置にとどめず、自発的に足を運びたくなる動機を提供することで、アトラクションへの没入感を高めています。
また、前年のイベント実績を引き継ぎ、今年はさらに上位の呪文を解放するというストーリーの継続性を持たせて設計。「今年はさらに強い呪文を修得しに行こう」という、過去の来場者に対するリピート動機を創出しています。
同イベントはアトラクション入場者であれば追加料金なしで参加できるため、夏休みの旅行先を考えるファミリーやファン層を誘導するフックとなっています。季節の課題解決とファン心理の充足を両立させた、再現性の高いイベントプロモーションです。
8.宣伝担当自ら他企業のアカウントを巻き込んでトレンドを創出
【企業アカウントのみなさまへ】
5月27日(水)に「ドラゴンクエスト」シリーズは40周年を迎えます。
もしよければ、みなさまの公式Xアカウントでも一緒に盛り上げてもらえないでしょうか?ご投稿お待ちしています!#DQ40th #ドラクエの日 pic.twitter.com/w5t0gkknxe
— ドラゴンクエスト宣伝担当 (@DQ_PR) May 18, 2026
最後に、ゲームの発売元であるスクウェア・エニックスのSNSプロモーションを紹介します。
「ドラゴンクエスト宣伝担当」公式Xによる呼びかけは、他企業のアカウントを巻き込んでトレンドを作る、BtoBtoC型(企業間連携による消費者向け)のSNSプロモーション事例です。
自社の発信力だけに頼るのではなく、他社の公式Xアカウントに対して広く協力を呼びかけることで、各企業が持つフォロワー層へ向けた効率的な情報拡散を狙っています。
協力する企業側にとっても、国民的IPである「ドラクエ」の節目をお祝いする投稿は、自社アカウントの好感度を高め、ユーザーからのエンゲージメントを獲得する機会となるでしょう。
「参加することで自社にもメリットがある」という状況を作ることで、他社の広報担当者が自発的に動きやすくなる動機を生んでいます。
通常、企業アカウントが他社のIPに言及する際は権利関係の懸念から慎重になりがちですが、公式側から呼びかけることで、他企業が安心して参加できる環境を整えました。これにより、プラットフォーム全体にブランドの垣根を越えたトレンドを意図的に創出する仕組みとなっています。
「ドラクエ」40周年の勝ち筋を読み解く異業種コラボ事例まとめ
人気IPの40周年という節目に、各社がそれぞれの強みを生かしながら独自の切り口を掛け合わせて、長年ファンやそれ以外の生活者との結びつきを生み出しています。
今後のIPマーケティングにおけるプロモーション設計の参考事例といえそうです。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
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