GWに選ばれる理由をどう作る? 生活者のニーズを捉えた飲食・小売のPR施策10選

ゴールデンウィークは人流が活発になる一方で、混雑回避や物価高への意識から、今年は例年にも増して近場での充実や手軽なリフレッシュへの需要が高まりそうです。

今回は、こうした生活者心理を捉えて来店や購入のきっかけを作る、飲食・小売各社の施策を10事例ピックアップしています。

1. 5月1日は「濃いめのレモンサワーの日」 記念日をフックに「渋谷横丁」を丸ごとメディア化

サッポロビールは、5(こ)・1(い)の語呂合わせから5月1日を「濃いめのレモンサワーの日」に制定。これを記念し、2026年4月27日(月)から5月10日(日)までの期間、RAYARD MIYASHITA PARK内の「渋谷横丁」にて体験型イベント「濃いめ横丁」を開催します。

ゼロから会場を設営するのではなく、すでに強い集客力を持つ既存のプラットフォームを丸ごとジャック。全14店舗が参加し、提灯やのぼりによる空間装飾だけでなく、各店が同商品に合うオリジナルメニュー「濃いめし」を提供します。施設全体をメディアとして機能させることで、通行人への自然な認知と体験を両立させています。

同社は、近年の節約志向やコスパ重視のトレンドを背景に、生活者は1杯に対する「満足感・濃さ」を求める傾向にあるといいます。

それを踏まえ、渋谷でのイベントに加えて、4月28日(火)からは全国で数量限定商品「サッポロ 濃いめのレモンサワー もっと濃いめ」を発売。5月1日=「濃いめのレモンサワーの日」という認知を日本全土へ広げます。

単なるサンプリングにとどまらず、飲食店と連携した食べ合わせの提案から限定商品の全国展開まで踏み込んだ、連休中の消費行動を広く捉えたPR事例です。

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2. 金賞の「称号」でロングセラー商品を再訴求 老舗なだ万が先取りするGWの“涼”需要


なだ万は、15年以上前から同社の夏の風物詩として売り出す「素麺温玉寄せ」が「惣菜・べんとうグランプリ2026」のめん類部門で金賞を受賞したことを受け、2026年4月15日(水)より期間限定販売を開始しました。

例年はゴールデンウィーク前後から展開していますが、本年は受賞の話題性と初夏の陽気を捉え、2週間ほど前倒しでの登場となります。

ロングセラー商品に「金賞受賞」という第三者機関からの客観的な評価を付与することで、既存顧客への再アプローチと、新規層の関心獲得を同時に狙います。

老舗の矜持である「出汁の旨み」をジュレ状にして麺に絡ませるなどの創意工夫が、食のスペシャリストに認められたというストーリーは、中食市場においてブランド価値を向上させるでしょう。

実績のある定番商品に新たな「称号」を掛け合わせ、例年より早く需要を喚起。季節の移ろいに敏感な食品業界において、アワードを起点に販促スケジュールを最適化した、実利に直結する販促企画といえます。

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3. 羽田空港に伊勢の銘菓が登場 出発直前の「ついで買い」を誘発する赤福の限定催事


株式会社赤福は、2026年4月24日(金)から5月7日(木)までの期間、羽田空港にて「赤福特別販売会」を開催します。定番の「赤福餅」や「白餅黑餅」に加え、同社が手がける和洋菓子ブランド「五十鈴茶屋」の商品を販売予定です。

大型連休の羽田空港において、伊勢の銘菓という強力なブランド力を持つ商品を「手土産」として選ばせる本施策。本来は現地や特定の百貨店でしか手に入りにくい商品を、出発ロビーという顧客の導線上に配置することで、旅立ちの直前に発生する「ついで買い」の需要を的確に捉えています。

定番商品の販売に加え、土日限定・数量限定のサブレ缶も投入。これにより、既存のファンだけでなく、流行に敏感な層やギフト需要への訴求を強化しています。限定感による希少性を生み出すことで、催事場自体の鮮度を維持し、混雑する空港内でも目を引く工夫が施されています。

各地へと飛び立つ人々が行き交う巨大拠点にて、認知度の高いブランドが持つ信頼感を武器に、限定商品をアクセントとして添える。移動のピークを商機に変える、場所とタイミングを計算し尽くしたチャネル展開といえます。

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4. GWは自宅を「お祭り会場」に ドミノ・ピザが“ほぼ1kg”の衝撃でインドア派を狙い撃ち

ドミノ・ピザ ジャパンは、2026年4月24日(金)から5月10日(日)までの期間、圧巻の重量感を誇る「ドミノデカ盛り祭」を開催します。

過去に好評を博した「ほぼ1kgウルトラチーズ」と「ほぼ1kgポテト」に加え、新登場の「ほぼ1kgからあげ」を揃えた計3種の重量級シリーズを展開します。

新生活の疲れを癒やしたい一方で、遠出や出費を抑えたいという「我慢」の反動に対し、自宅で手軽に気分転換ができるソリューションを提示。デリバリーという日常的なサービスを「お祭り気分が味わえる手段」へと進化させ、利用価値を最大化させています。

外出イベントが注目されがちな大型連休において、インパクトの強い商品を自宅でのイベント体験へと昇華させました。“我慢”と“解放”という相反する生活者心理を読み解き、連休中の食卓を「欲望の解放」というエンターテインメントへと変換しています。

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5. 駅近で手軽にレジャー気分 夏に先駆けて「そごう横浜店」が屋上ビアガーデンを開店

そごう横浜店は、2026年5月1日(金)より、屋上ビアガーデン「太陽の広場 BBQ GARDEN」をオープンします。物価高やガソリン代高騰により、近場のレジャーへ関心が集まるなか、3年ぶりとなるゴールデンウィーク期間からの営業開始となります。

百貨店の屋上という開放的な空間を、移動負荷の低い本格レジャー施設として活用。遠出を敬遠する層に向け、横浜駅から徒歩圏内という好立地でBBQ体験を提供します。

さらに、誕生日祝いに限り同店のデパ地下で購入したケーキの持ち込みを可能にするなど、百貨店ならではの資産を組み合わせた独自のサービス設計で、満足度の向上を図っています。

多様化するライフスタイルに合わせ、ファミリー層向けの時間無制限プランから平日限定の“ちょいのみ”プランまで幅広く用意。わざわざ遠出をしなくても、駅近で手軽にレジャー気分を味わえる、百貨店の利便性を生かした楽しみ方を提案しています。

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6. 「地域に愛される」を体現する8年目の絆 埼玉を盛り上げるファミマのロックなカレー

2026年9月に創立45周年を迎える株式会社ファミリーマートは、「あなたのいちばんを、たくさんつくる。『いちばんチャレンジ』」を合言葉に、同社史上いちばん挑戦する1年をスタートさせました。

その一環として、毎年5月に開催される埼玉県のロックフェス「VIVA LA ROCK 2026」とのコラボレーション商品「レッド&ブラックカレー」を2026年4月14日(火)より発売しています。

両者のコラボは今回で8回目を数え、45周年の挑戦分野のひとつである「いちばん地域に愛される」を体現する施策でもあります。

メイン会場の改修により、1年限定で野外フェスの舞台となる「埼玉スタジアム2002」のピッチをイエローライスで、メインとバックの両スタンドを赤と黒のカレーで表現。スタジアムの熱狂をそのまま一皿に閉じ込めたような、視覚的にも高揚感を煽る仕上がりとなっています。

また、同商品に付いているシールを5枚集めると会場で「ビバラガチャ」が引ける特典も用意。リピート購入を促し、開催約2週間前から地域全体の熱量を高めます。

企業の節目に向けた「いちばんチャレンジ」の精神で、地域のイベントを力強く盛り上げる。長年の信頼関係が生む、ファンの胃袋と心を掴んで離さない恒例のエンゲージメント施策といえます。

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7. 子どもから大人まで集めたくなる限定品 不二家が新キャラとともに挑む販促キャンペーン

全国の不二家洋菓子店は、2026年4月29日(水)より「ペットボトルカバープレゼントキャンペーン」を実施します。1,480円(税込)以上の購入者を対象に、非売品のカバーを先着で配布。

2026年1月にデビューしたばかりの「ペコちゃんポコちゃんとゆかいな仲間たち」を主役に据え、連休の気分を盛り上げます。

新キャラクターたちの認知拡大を図るとともに、気温が上がり始める行楽シーズンに向けて実用的なアイテムを提示することで、来店意欲を後押し。

あわせて、こどもの日に向けた「かぶとケーキ」や「こいのぼりロール」といった季節限定商品も充実させ、家族が集まる連休の食卓を彩るラインアップを展開します。

さらに、同社の菓子「ぽにょっとミルキー」も期間限定で新キャラクターデザインへと刷新。プレゼントキャンペーンとともに、長年愛されるペコちゃんに新しい仲間が加わり、より賑やかになったブランドの姿を訴求します。

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8. 「じゃんけん」が生むアナログな温もり 家族の記憶に残る外食体験へ

株式会社グルメ杵屋レストランは、2026年4月25日(土)から5月10日(日)の間、運営する一部店舗にて「みんなでじゃんけん大会」を開催します。家族での外食機会が増える連休に合わせ、お子様メニュー注文者を対象に、スタッフとの直接対決を楽しむ体験型イベントです。

今回の企画は、おもちゃと次回使用できる「お子様メニュー無料券」を基本の景品とし、勝てばさらにおもちゃを、負けてもキャンディーがもらえる“はずれなし”の設計です。

じゃんけんというアナログなコミュニケーションを介在させることで、食事の時間そのものを特別な思い出へと昇華させます。

また、参加者全員に「お子様メニュー無料券」を進呈することで、連休中の賑わいを一時的なものにせず、再来店のきっかけを創出。外食ならではの対面での楽しさを提供しながら、継続的なファンづくりへと繋げています。

家族の日常に寄り添い、食卓を賑やかに彩るグルメ杵屋らしい温かさが光るプロモーションです。

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9. GWのお出かけが母の日の贈り物に 小さなパティシエのケーキ作り体験イベント

兵庫・神戸を中心にパティスリーやカフェを展開する「TOOTH TOOTH」は、三井アウトレットパーク マリンピア神戸にて、子ども向けのスイーツ作りイベント「KIDS KITCHEN」を開催します。

本イベントは、単なるお菓子作り体験に留まらず、パティシエとしての「おしごと」をトータルに経験できる点が特徴。コックコートを身に纏い、手洗い講習から箱詰めまでを行う本格的なプログラムです。

一生懸命に取り組む姿を間近で見守り、写真に収めることができるシャッターチャンスとしての価値も提供。母の日に向けたメッセージカードや造花の贈呈など、家族の絆を深める演出が随所に散りばめられています。

連休のレジャーが消費に偏りがちななか、自らの手で作り上げる達成感を提案する企画。ゴールデンウィークと母の日を掛け合わせ、培ってきた確かな技術を家族の思い出作りに還元することで、地域に愛されるブランドとしての親近感醸成を図ります。

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10. 旅行意欲を地元で昇華 京都高島屋が提案する「日帰り美味旅行」

京都高島屋では、混雑回避や物価高の影響で遠出を控える生活者の傾向を捉え、京都にいながら九州グルメを堪能できる「大九州展」を開催します。

旅行への意欲はありつつも支出には慎重な消費心理に寄り添い、2026年4月22日(水)から5月6日(水)の間、催事場を九州の食で彩り「日帰り美味旅行」として提案します。

京都地区初登場の12ブランドを含め、約60店舗が会場に集結。弁当や惣菜、スイーツまで幅広く取りそろえ、イートインでは地元で人気のラーメン店が週替わりで登場するなど、会期中に何度も足を運びたくなるラインアップです。

外食や観光の代わりとなる納得感のある贅沢を求める層に向け、百貨店ならではの信頼感をもって来店動機を創出。物価高という逆風下で、身近で手軽に旅行気分を味わえる機会を提示して新たな需要を掘り起こし、地域顧客との結びつきを深める施策です。

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GWに選ばれる理由をどう作る? 生活者のニーズを捉えた飲食・小売のPR施策10選まとめ

今回取り上げた10の事例に共通しているのは、ゴールデンウィークという繁忙期を単なる売上のピークに留めず、生活者心理の変化に合わせた「選ばれる理由」を提示している点です。

例年以上の近場需要や手軽なリフレッシュといった今年のキーワードに対し、体験や価格、利便性などでブランドの存在感を示すことで、来店や購入の確かな動機を生み出しています。

大規模な予算を投じて新規企画を立ち上げずとも、今ある商品や店舗環境の切り口を再定義するだけで、生活者との関係性はより深いものへと変化します。

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