転職市場を動かす! 転職サイト・エージェントのCM・PR施策10選

新年度や長期連休明けは、いわゆる“配属ガチャ”やキャリアへの違和感をきっかけに、転職を意識し始める人が増えるタイミングです。

今回は、潜在層の共感と想起を獲得するために、転職サイト・エージェント各社が展開したCMやWeb施策を10事例ピックアップしています。

1. お医者さんに「ありがとう」を届ける 共感と労いを起点に新サービスを訴求

株式会社エムステージグループは、医師と医療機関のマッチングを支援する新サービス「エムステージエージェント」を立ち上げ、俳優の比嘉愛未さんを起用した新CM「ありがとう先生篇」を2026年4月1日(水)より公開しました。

同社はこれまで、医師向け転職求人サイト「Dr.転職なび」やアルバイト求人サイト「Dr.アルなび」を展開してきました。今回の新サービスでは、それらを統合し、より一人ひとりの医師に寄り添うエージェント型支援へと進化させています。

CMの中心に据えられているのは、「お医者さんにやさしい働きかた」というメッセージ。比嘉さんは、これまで医療従事者を数多く演じてきた経験を背景に、多忙な現場で命と向き合い続ける医師へ感謝の言葉を投げかけます。医師不足や過重労働といった課題が広く知られるなかで、解決策を押し出すのではなく、共感と労いを起点にしました。

「すべては、持続可能な医療の未来をつくるために」というグループビジョンを背景に、サービスの機能説明よりも姿勢を伝えた本CM。転職や働き方に振り切らず、医師個人の努力や本音に目を向ける構成が印象的です。

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2. 関東で話題となったCMを関西へ “天才発明家”ブルマがAI時代を生きるエンジニアを応援

エンジニア専門の転職サービス「Findy」を運営するファインディ株式会社は、アニメ『ドラゴンボールZ』のブルマを起用したコラボTVCM「つくる人が、世界を面白くする。」を、2026年3月2日(月)より関西圏で2週間限定放映しました。

本CMは、2025年7月に関東圏で放映し話題を集めた企画を、国内有数のIT集積地である大阪府を中心とした関西エリアへ展開するものです。AI時代に変化する開発環境を背景に、関西で働くエンジニアへ「創り続ける挑戦」を後押しするメッセージを届けます。

施策はTVCM放映にとどまらず、タクシー広告や梅田駅構内の大型ビジョンでも掲出。さらに、エンジニア・人事向けのイベントを開催し、メディアとリアルの接点を組み合わせた露出を集中的に強化しました。

転職検討の初期段階にある潜在層へ、条件や求人情報ではなく、職業観や価値観への共感からアプローチ。企業姿勢を親和性の高いIPに乗せ、エンジニアへの理解・エールをCMや周辺施策に分散させることで、サービス未認知層への自然な認知形成につなげています。

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3. コンテストで生まれた受賞CMを実広告へ 参加型で広げるBtoB認知

マーケティング特化型複業(副業)マッチングサービス「カイコク」を運営する株式会社BLAMは、自社サービスを題材に、AIを活用して制作した15秒CM動画を公募するコンテストを開催しました。

CM制作をAI動画クリエイターやAIディレクターといった第三者に委ね、受賞作品をそのまま広告として活用する点が本施策の特徴です。最優秀賞作品は、首都圏オフィスビルの喫煙所に設置されたデジタルサイネージメディアで放映。開催から受賞、広告掲出までを一連のPR施策として設計しました。

審査には30社以上の企業マーケターや経営者が参加し、「実務で使えるか」という視点で評価。作品をつくる側だけでなく、使う側も巻き込むことで、同マッチングサービスやAIクリエイティブの可能性を具体的な業務文脈へと接続しています。

単なる広告出稿にとどまらず、コンテストという参加型施策と組み合わせ、付加価値を生み出した本事例。平均滞在時間の長い喫煙所という環境を生かし、受賞作品そのものを広告として展開することで、サービス認知と取り組みの背景を同時に伝えています。

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4. 「自分の好きを見つけよう」で転職を想起させる ディップ×大谷翔平のTVCM

ディップ株式会社は、ブランドアンバサダーを務める大谷翔平選手を起用した新TVCM「自分の好きを見つけよう」篇を、2026年2月2日(月)より全国で放映しました。合わせて、大谷選手と同社CEOによる特別対談動画も公式YouTubeチャンネルで公開しています。

CMが掲げるテーマは、「さまざまな仕事を経験する過程で、自分の“好き”を見つけよう」というものです。野球に打ち込んできた大谷選手の軌跡と重ね合わせることで、今の選択がすべてではないことや、経験を重ねる意味を静かに伝えます。

特別対談動画では、「野球選手以外にしてみたい仕事」というテーマを取り上げています。TVCMでは語り切れない思考や価値観をWeb動画で補完し、マスメディアとデジタル施策を役割分担させ、関心を段階的に深める導線設計がうかがえます。

「夢・アイデア・情熱で社会を改善する存在となる」という企業理念と、大谷選手の象徴性を強く結びつけながらも、企業色を抑えた洗練された印象のCM。新年度を迎え、働き方や将来に目が向きやすい時期に、「選び直す」「見つめ直す」きっかけをつくるPRとして参考になる事例です。

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5. 飲食転職サイト求人件数No.1を大きく打ち出す 8年ぶりの全面リニューアルを実施

飲食転職サイト「グルメキャリー」は、2026年1月にサイトを全面リニューアルしました。8年ぶりとなる今回の刷新では、飲食業界で働く人と採用を行う飲食店双方にとって、より良い出会いを実現する求人メディアへの進化を打ち出しています。

本リニューアルで特徴的なのが、「飲食転職サイト求人件数No.1」という実績を前面に押し出した点です。これまで積極的に訴求してこなかったポジションを明確に示すことで、転職潜在層に対し、選択肢の豊富さという安心材料を提示しています。

UI/UXも大きく見直したといいます。忙しい現場で働く飲食人を想定し、片手操作や短時間入力を意識した設計に刷新。履歴書・職務経歴書の作成やワンタッチ応募といった機能を搭載しつつ、あえて複雑さを排除した構成としました。転職活動の心理的・時間的ハードルを下げる工夫が見られます。

これに合わせ、交通広告やTVCM、SNS配信を組み合わせた大規模プロモーションを展開。転職を強く促すのではなく、「仕事を探すならここから」という想起を広げるアプローチで認知拡大を図りました。

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6. 実利用者の言葉で転職のリアルを伝える 著名人に頼らないブランドキャンペーン

株式会社アサインは、新TVCM「信じること。」の放映を起点に、ビジネスパーソンの通勤動線に合わせた交通広告やWeb配信を組み合わせ、ブランドキャンペーンを多角的に展開しました。

転職関連のCMでは、著名人を起用して認知拡大を図る手法が一般的です。そのなかで本CMは、実際に同社の転職支援サービスを利用し、転職を経て現在活躍している本人を出演者に起用しています。経験に基づく言葉で語られる仕事へのやりがいや挑戦の意義が、転職を検討する層が抱える迷いや不安と具体的に重なる構成です。

放映開始と同時期に掲出された交通広告では、同社の強みである「オーダーメイドのキャリアプラン」を再現。営業・エンジニア・マーケティングの各職種について、複数の異なるキャリアパターンを提示し、サービス利用のイメージを明確にしています。

同社は、「個性や可能性を発揮することをサポートする」というコーポレートビジョンを掲げ、若手ハイエンド人材のキャリア支援に取り組んできました。経歴だけで判断せず、一人ひとりの価値観や志向に目を向け、転職後の活躍までを見据える姿勢が、今回のキャンペーン設計にも反映されています。

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7. 赤と青の”2つの窓”で選べる転職を描く マイナビ転職の木村拓哉起用TVCM

株式会社マイナビが運営する「マイナビ転職」と「マイナビ転職AGENT」は、木村拓哉さんを起用した新TVCM「2つの窓」篇・「窓の向こう」篇・「向き合うエージェント」篇を2026年1月7日(水)より全国で放送しました。

マイナビ転職」を示す赤い窓と「マイナビ転職AGENT」を示す青い窓を象徴的に配置し、”自分のペースで進める転職”と”プロに寄り添ってもらう転職”という2つの選択肢を視覚的に訴求。この2つのサービスを、3篇それぞれに役割を分けて描いています。

3篇それぞれに、異なる役割があります。「2つの窓」篇でサービス全体を訴求し、「窓の向こう」篇で転職後の新しい自分をイメージさせ、「向き合うエージェント」篇でエージェントとの伴走体験を描く。段階的に転職への意欲を引き上げる構成になっています。

“いい働き方は、いい転職から。”というメッセージを軸に、木村さんが2つの窓を行き来しながら演じ分けることで、サービスの多様性をタレントの存在感ごと印象づけています。

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8. 「IT転職は情報の質が決める」 転職後の条件やキャリアの変化を文字情報で示すCM表現

IT・Web専門の転職・就活支援サービス「ユニゾンキャリア」は、貴島明日香さんを起用したWebCMの放映にあわせ、通勤動線を押さえた交通広告を展開しました。Webとオフラインを組み合わせ、IT転職を検討する層との接点創出を図ります。

CMの舞台は電車内を模した「IT転職ライナー」。年収やスキルアップ、将来への不安など、キャリアに悩むエンジニアが乗車し、アドバイザー役の貴島さんが一人ひとりの状況を細かく分析します。電車という舞台設定は、通勤時間にキャリアを考える視聴者が自分ごととして受け取りやすく、転職を次の行き先を考える行為として示しているとも考えられそうです。

転職後の条件やキャリアの変化を文字情報として提示する演出により、感覚的な訴求に寄らず、判断材料としての情報を明確に届けています。

こうした情報整理型の表現を通じて、「IT転職は情報の質が決める」という動画クリエイティブのコンセプトを打ち出している点も、本施策の特徴といえるでしょう。

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9. “想い”や“カルチャー”で若手とつながる Wantedlyが採用担当者に届けるタクシーCM

ビジネスSNS「Wantedly」は、宮﨑優さんを起用したタクシーCM「出会ったのは、Wantedly」を2026年1月5日(月)から1月25日(日)まで放映しました。

CMの舞台は、とあるWeb制作会社。Wantedlyを通じて業界未経験の会社へ転職した若手社員の姿を、タクシー車内という移動中の視聴環境を生かし、短時間でも物語に没入しやすいモキュメンタリー調で描いています。
若手社員を迎える側の先輩たちの姿も交え、採用する企業側の目線から共感を呼ぶ構成です。

採用担当者に向けて伝えるのは、条件やスキルだけではなく、“想い”や“カルチャー”でつながる採用のかたち。社内の空気感や若手の成長環境を丁寧に描くことで、「会社の魅力をきちんと発信できれば、挑戦意欲の高い若手と出会える」という採用側の実感を呼び起こします。

「究極の適材適所により、シゴトでココロオドルひとをふやす」を掲げ、条件だけでは測れない出会いの実現を目指している同社。本CMはそのサービスの本質を、リアルな職場の空気感を通して伝えています。

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10. 白衣の天使ではなく働く女性のリアルを描く 看護師向け人材紹介サービスのTVCM

看護師向け人材紹介サービス「ナース専科 転職」を運営する株式会社エス・エム・エスは、ヒコロヒーさんと齊藤京子さんを起用したTVCM「仕事終わりの焼肉」篇・「夜勤明けサウナ」篇を2024年8月より放送。同作品は「2025 65th ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」フィルム部門Aカテゴリーにてブロンズ賞を受賞しました。

CMが描くのは、転職経験豊富な先輩看護師と、新しい職場で働きはじめたばかりの後輩看護師が、仕事終わりに本音を語り合う姿です。焼肉やサウナという、看護師の日常に溶け込んだシーンを選んだことで、共感の声がSNSで多数寄せられたといいます。

看護師を白衣の天使として描くのではなく、働く女性のリアルな強さを前面に出した点が、このCMの核心です。「転職は素晴らしい、前向きな行動なのである」というメッセージを、説明ではなく共感で届ける構成で、転職に不安を抱えるターゲット層の心理に寄り添っています。

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転職市場を動かす! 転職サイト・エージェントのCM・PR施策まとめ

転職潜在層に届くコミュニケーションに共通するのは、サービスの説明よりも先に、働く人のリアルな感情や状況に寄り添う姿勢でした。

条件や機能を訴求するだけでなく、「自分ごと」として受け取られる文脈をどう設計するか。タレントの起用、媒体や表現形式の選択、メッセージの置き方ーー。

各社のアプローチはそれぞれ異なりますが、自社サービスの認知拡大や差別化に向けた次の一手を考えるヒントが見つかるはずです。

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