“極寒”でしか読めない本!? 5500万円相当のメディア露出に成功したホームレス支援施策

Case: The Invisibles

冬には気温がマイナス30度まで下がる東欧の国、ポーランド。今冬だけで116人ものホームレスが凍死しているにも関わらず、通行人のほとんどが道端のホームレスを見て見ぬふりをしています。

そんな状況を憂慮したワルシャワのクリエイティブエージェンシー・Walkが、市民にホームレスの過酷な現状や辛い心境を知ってもらおうと、『The Invisibles(目に見えない人たち)』と題したプロジェクトを実施しました。

同社は国内に暮らすホームレスの中から3名のライターを見つけて協力を依頼。彼らがこれまでに実際に綴ってきた生活の記録や、詩、小説や戯曲などをまとめ、1冊の本を制作しました。

この本にはあるユニークな特徴があります。それは、“寒い場所でしか読めない”ということ。
ホームレスの人々が暮らす環境に身を置いて本を読むことで、彼らの心境をよりリアルに感じてもらおうと、本には低温でのみ浮かび上がる特殊なインクが使われています。

この斬新なプロジェクトは様々なメディアに注目され、瞬く間に話題に。「ノンフィクション文学の中で、最も真実を感じることができる作品だ。」「極寒の中で読むことで、より心が動かされる。」「この本は世界を変える。」など絶賛の声が寄せられました。

最終的に、1,170万もの人々にリーチし、44万ユーロ(約5,500万円)相当ものメディア露出を果たした今回のプロジェクト。広告会社ならではのクリエイティブな方法で、市民の心を深く動かすことに成功した社会貢献プロジェクトでした。

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