敬老の日の企業PR・販促事例10選|「贈る」で終わらない共感を生む施策のヒント

毎年9月の敬老の日は、シニア世代への感謝をきっかけに、自社の商品やサービスをPRしやすいタイミングです。

その一方で、ギフト商品の販売や割引など、季節限定の販促だけで終わらせないためには、家族の交流や健康、暮らしなど、その先にある体験まで設計することが欠かせません。

本記事では、2025年・2026年に実施ならびに発表された、敬老の日にまつわるPR・マーケティング施策を10事例ピックアップ。ギフトの価値転換や家族の交流促進、世代間・地域交流、社会課題の啓発など、企画づくりのヒントとなる視点を紹介します。

1.樹齢80年以上の梨に長寿の意味を重ねた敬老の日ギフト

株式会社新宿高野

株式会社新宿高野は、樹齢80年以上の古樹から収穫される山口県産の秋芳梨を「長寿梨」と名付け、敬老の日のギフトとして提案。1993年から販売している商品を、敬老の日という季節のモーメントに合わせて展開しています。

敬老の日のギフトというと、商品の品質や価格、華やかさなどに目が向きがちです。しかし同社は、果物が持つ背景に着目し、「長寿梨」という特別な名前と物語を添えることで、梨そのものに長寿への願いを託しています。贈る側にとっても、なぜこの商品を選んだのか、理由や思いを伝えやすい設計といえるでしょう。

季節限定の販促に陥りやすい敬老の日において、自社商品が持つ歴史や産地、背景を掘り下げることで、ギフトの価値を広げた施策となっています。

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2.健康を願う気持ちをギフトに変えたDHCの敬老の日施策

株式会社ディーエイチシー

株式会社ディーエイチシーは、“いつまでも元気でいてほしい”という思いを軸に、「DHC敬老の日ギフト2025」を展開。化粧品や健康食品など全25種類を対象に、最大23%OFFの特別価格や、ギフトカードとギフト袋を組み合わせた限定セットを用意しました。

対象商品は、ヘアケア商品や健康維持をサポートする健康食品など。敬老の日という行事の意味を“長寿”だけに限定せず、健康や日常への思いやりにまで掘り下げることで、自社商品を贈る理由を生み出しているのがポイントです。

自社が強みを持つビューティ・ヘルスケアの領域と敬老の日の“いつまでも元気でいてほしい”という思いを重ねることで、季節限定の販促から一歩踏み込み、相手の健康や暮らしについて考えるきっかけへとつなげた好施策といえるでしょう。

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3.歩行サポート用品を“外出を後押し”するポジティブな敬老の日ギフトに

WATAKI株式会社

WATAKI株式会社が運営するヘルスサポートブランド「KINDCARE (カインドケア)」は、2026年9月2日から「敬老の日フェア 2026」を開催。ステッキやウォーキングポール、横押しカートなど、毎日の歩行をサポートするアイテムを敬老の日のギフトとして展開しています。

ステッキやカートを歩行を補助するための用具として訴求するだけでなく、上質な素材や洗練されたデザインを備えた「人生をともに歩む大切なパートナー」として提案。フェア期間中には先着900名に特製ギフトラッピングを用意しています。

敬老の日を長寿への感謝を伝えるだけでなく、“これからも外出を楽しんでほしい”という未来志向のメッセージを重ねました。機能性とファッション性を生かしながら、大切な人の“新しい一歩”を後押しする贈り物へと価値を広げた施策です。

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4.購入者レビューから敬老の日の過ごし方を可視化 自宅で囲む食卓を提案

株式会社サンク

株式会社サンクが運営する高級フレンチのお取り寄せ専門店「ごちそう本舗」は、購入者レビュー1,496件と自社ECの注文データを分析。敬老の日を含む9月にレビュー件数が増加する傾向や、還暦祝いなどを自宅で祝う実例などを紹介しながら、敬老の日に向けた「祖父母世代のごちそう食卓」のトレンドを発表しました。

レビューからは、子ども・孫世代や親世代との食卓に関する声に加え、“温めるだけ”などのような調理の手軽さへの言及も抽出。外出や調理の負担を抑えながら家族で食卓を囲むことに着目し、敬老の日のギフトを“モノ”から“一緒に過ごす時間”へと広げています。

自社に蓄積された購入者の声を活用することで、商品を販売するだけでなく、敬老の日の過ごし方そのものを提案。生活者の実体験を根拠に“自宅で祝う”という選択肢を示し、自社商品を家族のコミュニケーションを生み出すきっかけへとつなげた施策です。

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5.割引条件は“孫との来店” 3世代で過ごす時間を生み出すきっかけに

ワタミ株式会社

ワタミ株式会社が展開する「焼肉の和民」は、2025年の敬老の日に合わせ、シルバーウィーク限定の「親子三世代割」を実施。孫と一緒に来店した祖父母を対象に、すべての焼肉食べ放題コースを1人あたり500円、最大2人で1,000円オフになるキャンペーンを展開しました。

一般的なシニア向けの割引とは異なり、“孫と一緒に来店すること”を利用条件に設定している点がユニークです。祖父母だけの来店を促すのではなく、割引をきっかけに親子3世代が集まる理由をつくり、敬老の日を家族で焼肉を楽しむ機会へとつなげています。

価格面でのお得感を打ち出しながら、その先にある家族のコミュニケーションまで設計することで、敬老の日の割引施策を一時的な集客にとどめず、3世代で一緒に過ごすという具体的な行動を促す企画に広げた好事例といえるでしょう。

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6.年齢をそのまま割引率に “長寿”を親子旅のきっかけにする宿泊プラン

株式会社スパーブステイ

株式会社スパーブステイが運営する南知多内海温泉「澄江知多」は、2026年の敬老の日に合わせ、「大人の親子旅応援プラン」を販売。65歳以上を含むグループを対象に、最年長者の年齢をそのまま宿泊代金の割引率とし、80歳なら80%OFF、100歳なら無料になる仕組みです。

年齢を単なる割引条件にするのではなく、長生きした証しである“人生の勲章”と捉え、年齢を重ねるほど特典が大きくなるユニークな企画に転換。意外性のある価格設計で関心を引きつつ、浮いた旅費をお土産や道中の楽しみに使ってもらうなど、子ども世代の親孝行・祖父母孝行を後押ししています。

敬老の日をきっかけに、親子が一緒に旅行する理由を創出している点も好印象。長寿を祝う敬老の日の意味と宿泊施設ならではの体験を掛け合わせ、割引を集客のためだけに使わず、家族で過ごす時間そのものへ価値を広げた施策です。

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7.昭和の記憶を会話のきっかけに 学生とシニアの双方向交流を創出

大正大学人間学部社会福祉学科

大正大学人間学部社会福祉学科は、2025年の敬老の日に合わせ、巣鴨地蔵通り商店街のガモール志學亭で敬老の日を楽しむイベント「時代を超えて、ひとときを~レトロ喫茶でつながる大学生とシニアの交流~」を開催。2年生の授業の一環として学生が企画・運営を担い、昭和の流行歌やナポリタン、クリームソーダなどを通じて、シニア世代と交流する場をつくりました。

昭和を懐かしむ空間づくりに加え、シニア世代の思い出や経験を会話の題材として生かし、世代を超えた交流へと接続。学生が一方的にもてなすのではなく、シニア世代が自身の記憶を若い世代へ伝えることで、互いに学び合える双方向のコミュニケーションを生み出しています。

大学での学びを地域社会で実践する機会と、シニア層との接点が多い巣鴨という立地を掛け合わせ、敬老の日を世代間交流の場へと広げたユニークな施策です。季節イベントを単発の催しにとどめず、学生の学びと地域貢献の双方につなげました。

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8.広島の折り鶴を“感謝を届けるはがき”に 地域資産を敬老の日の体験へ

広島ワシントンホテル

広島ワシントンホテルは、2025年の敬老の日に平和記念公園に奉納された折り鶴を再利用した「平和折り鶴再生はがき」を無料配布。はがきに感謝のメッセージを書いてホテルへ持参した場合は、切手代もホテルが負担するなど、大切な人へ思いを届ける行動を後押ししました。

千羽鶴が持つ“長寿・病気回復・平和への祈り”という意味を敬老の日と結びつけ、長寿を願う気持ちに平和や環境保護の文脈を重ねています。はがきや手紙を書く機会が減る中、あえて手書きで感謝を伝える体験を設けることで、敬老の日ならではの特別なコミュニケーションを生み出している取り組みです。

広島を象徴する折り鶴と、ホテルが継続して取り組んできた“千羽鶴プロジェクト”を生かし、地域性のある企画へと落とし込んでいる点も参考になります。敬老の日を単発の季節イベントにせず、地域文化や環境配慮、平和への思いまで伝える機会へ広げた広報PR施策です。

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9.長寿の動物を敬老の日の主役に 飼育の専門性や動物福祉を伝えるイベントを実施

アドベンチャーワールド

和歌山県白浜町の「アドベンチャーワールド」は、2025年の敬老の日に、開園当初から47年間暮らす推定53歳のアフリカゾウと、国内最高齢となる推定55歳を含むバンドウイルカを祝うイベントを開催。野菜や果物の花束、飼育スタッフのメッセージ入りおもちゃをプレゼントしたほか、65歳以上の来園者を対象としたアフリカゾウのフィーディング体験を実施しました。

動物の長寿を祝うだけでなく、飼育スタッフが年齢にともなう食事の変化や日々の健康チェック、これまでの飼育管理について紹介。長く生きる動物たちの姿を入り口に、長年積み重ねてきた飼育の工夫や動物福祉について知ってもらう機会をつくっています。

敬老の日の「長寿を祝う」というテーマと、長寿の動物や飼育に関する専門性を自然に結び付けた企画。高齢者向けの特典にとどまらず、“いのちを重ねる尊さ”について考える体験へと広げることで、パークが日頃から行う飼育やケアの取り組みを伝える機会にもつなげています。

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10.シニア犬の譲渡課題を新しい家族との出会いにつなげる敬老の日施策

犬猫生活株式会社

ペットケア事業を展開する犬猫生活株式会社は、2025年の敬老の日に、シニア犬を応援する「DogLifeマルシェ&シニア保護犬譲渡会 in渋谷原宿 ~Produced by 犬猫生活株式会社~」を開催。物販や体験ブースに加え、原則7歳以上のシニア保護犬に限定した譲渡会や、シニア犬の特徴や迎え方を伝えるトークセッションを実施しました。

敬老の日の“長寿を祝う”というテーマをシニア犬にも広げ、動物福祉への関心に接続。シニア犬は成犬・幼犬と比べてシェルターで過ごす期間が長いという自社関連財団の実績を示しながら、譲渡が進みにくい背景やシニア犬ならではの魅力を伝え、実際に新しい家族と出会える場まで用意しています。

自社のペットケア事業と敬老の日を結び付け、シニア犬の暮らしや保護犬譲渡という社会課題に関心を持つきっかけに。啓発だけに寄りすぎず、来場者が楽しみながら自然に課題を知り、行動を考えられる場をつくった好施策です。

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まとめ|敬老の日PRを「贈る」で終わらせないために

敬老の日のPR・マーケティング施策は、ギフトや割引といった定番の販促に加え、「家族でどう過ごしてほしいか」「どんな思いを伝えてほしいか」まで設計することで、発信の幅を広げられます。

また、季節限定の販促で終わらせないためには、自社の商品やサービスを起点に、敬老の日が終わった後も継続的なコミュニケーションや行動を生み出せるかまで考えることが重要です。

今回紹介した事例は、家族や地域とのつながりを生み出しながら、自社らしさを伝える敬老の日施策を考えるうえで、さまざまなヒントを与えてくれるでしょう。

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