土に還るウールで“廃棄ゼロ”へ アパレルブランド「PIZZA DAY」の挑戦

「ウールで世界のアパレルを変える」をミッションに、着古したウール製品の肥料化によりサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現するアパレルブランド「PIZZA DAY」が誕生しました。

2023年夏にフラッグシップアイテムとなるウール100%Tシャツを販売開始。100%生分解可能なウールは、人にも環境にも優しい素材です。着古したTシャツは、今後開始予定の独自回収プログラムを通じてユーザーから回収、肥料化し、土へ還元することで “廃棄ゼロ”の実現を目指しています。

アパレル業界は、製造や処分にかかるエネルギー使用量、ライフサイクルの短さ、マイクロプラスチック問題などから、環境負荷が非常に高い産業と指摘されており国際的な課題となっています。国連貿易開発会議(UNCTAD)はアパレル業界を環境汚染産業第2位と指摘しており、この背景にある大量生産、大量消費、大量廃棄モデルの改善はアパレル業界だけでなく社会全体で取り組むべき課題とされています(※1)。

PIZZA DAYの製品はすべて日本最大の毛織物(ウール)産地とされる尾州で開発され、快適な着心地と高い機能性、環境に優しいという特徴を持っています。愛知県一宮市を中心とした木曽川流域エリア(尾州)は、イギリスのハダースフィールド、イタリアのビエラに並び、世界三大ウール産地と呼ばれており、その尾州が生み出す高品質な製品は、国内はもちろん海外ハイブランドからも高い信頼を集めています。

今後開始予定の独自回収プログラムでは、回収に協力したユーザー向けのインセンティブ報酬を導入し、製品回収率を高めます。また、PIZZA DAYでは公式コミュニティ(ディスコード)を開設、ブランド成長をゴールとしたユーザーとブランドが共創するコミュニティとして運用しています。デジタルメンバーシップ(NFT)を所有するユーザーへは、限定チャンネルへ参加権のほか、ブランド運営や製品開発への参画、イベント優先参加など、さまざまな特典を用意しています。このデジタルメンバーシップを通じて、商品の購入だけではない、新たなブランド共創体験を広く提供していく予定です。

ウールの特性を活かしてアパレル業界の抱える課題解決を図るとともに、ユーザーを「消費者」から「共にブランド成長を目指すパートナー」へ位置づけ、新しい共創型コミュニティの形成によってブランド力を高めようとする試み。消費のあり方が問われる今、実現に大いに期待したい挑戦がありました。

・※1参考資料:環境省 総合環境政策「ファッションと環境」

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