アイスクリームの販促・マーケティング事例10選【2026年】
毎年夏になると、各社から限定フレーバーやコラボ商品が数多く登場し、アイスクリーム市場の競争は一層激しくなります。味や価格だけでは差別化しづらくなるなか、2026年はブランド内対決や参加型企画、SNSで生まれた食べ方の公式商品化、酷暑対策と結び付けた取り組みなど、販促・PR・マーケティングの境界を横断する企画が広がっています。
本記事では、アイスクリームの販促・マーケティング事例10件を3つの切り口に整理しました。ブランド体験のつくり方から参加型企画、季節や社会との接点づくりまで、夏商戦で購買や来店につなげる工夫を紹介します。
<ブランド体験・エンタメ化>
まずは、商品そのものの味や機能をアピールするだけでなく、対決やカスタマイズといったエンタメ要素を加え、選ぶ前から楽しめる体験へと変えている事例から見ていきます。
1.自社ブランド対決で話題化「打倒ガリガリ君プロジェクト」

赤城乳業株式会社は、2026年4月から「打倒ガリガリ君プロジェクト」を開始しました。アイス需要が高まる5~9月に、「ガツン、とみかん」と「ガリガリ君」の箱タイプの売上対決を実施し、江頭2:50さんがガツン、とみかん側を率いる企画です。
2022年から続く江頭さんとの取り組みを発展させ、今回は自社の看板商品同士を対決させる構図を採用しました。競合商品との比較ではなく、自社ブランド内で勝敗を競うことで、どちらの商品にも関心が集まる内容となっています。
CM公開に加え、「エガちゃんねる」での動画配信や公式Xでのメイキング投稿を実施。
さらに、勝利時には限定グッズを原価販売する公約を設け、ファンも売上対決に参加できる形にしています。商品の特徴を伝えるだけでなく、応援や勝敗を楽しむ企画として展開することで、ファンの熱量を高め、購買促進につなげた事例です。
2.「かいしんのいちげき」が味わえる! ドラクエ×サーティーワンアイスのコラボ企画

B-R サーティワン アイスクリーム株式会社は、2026年6月1日(月)から、40周年を迎えた「ドラゴンクエスト」とのコラボレーションキャンペーンを開始しました。新作フレーバーや限定グッズ、『ドラゴンクエストX オンライン』との連動企画を展開しています。
新作フレーバー「かいしんのいちげき!-ゴールデンパインレモネード-」では、「かいしんのいちげき」の爽快感を、パチパチ・シュワシュワの食感とレモンリボンで表現しました。ゲームの印象的な体験を味や食感で再現し、作品の世界観を商品に取り入れています。
さらに、全10種のモンスターピックをランダムで配布し、税込500円以上の購入者には先着20万枚限定のステッカーを用意しました。どのピックが手に入るかわからない楽しさや、数量限定の特典が来店やリピート購入のきっかけになっています。
味だけでなく、収集やゲーム内連動まで組み合わせることで、ファンが写真を撮る、集める、共有するといった行動につなげたコラボレーションです。
3.雪見だいふくを648通りにカスタム! 新たな魅力を届ける体験型店舗

株式会社ロッテは、2026年6月17日(水)から9月23日(水)まで、東京・中目黒でテイクアウト専門の体験型店舗「my雪見だいふく」を期間限定でオープン。雪見だいふく誕生45周年を記念した企画で、8種類のアイスと18種類のトッピング・仕上げを組み合わせ、全648通りの中から自分だけの雪見だいふくをオーダーできます。
雪見だいふく45周年を機に、定番商品の新しい楽しみ方を提案する企画です。つつみたての食感や注文後に一つひとつ仕上げる工程を加えることで、店頭でしか味わえない価値を生み出し、来店する動機を創出します。
さらに、オンライン予約システムを導入するほか、季節限定メニューや老舗茶舗とのコラボドリンクも展開。来店時の負担を抑えながら、期間中に何度も訪れたくなる理由を用意し、ロングセラー商品との継続的な接点づくりにつなげています。
4.オフィス街に上様が出現!「Sof’(ソフ)」のサンプリングイベント

赤城乳業株式会社は、2026年4月11日(土)、東京・日本橋のCOREDO室町テラス 大屋根広場で、カップアイス「Sof’(ソフ)」の新商品発売を記念した無料サンプリングイベントを開催しました。2026年春発売の「北海道ミルクバニラ」と「ミルクたっぷりプリン」の2種類、計5,000個を配布しています。
イベントでは、ソフトクリームの“上だけ”という商品コンセプトから生まれたCMキャラクター「上様」の世界観を会場全体で再現しました。オフィス街に城下町をイメージした空間やフォトスポットを設けることで、商品の特徴を試食だけでなく、会場全体を通して伝えています。
来場者は、上様クッキーを含む6種類のトッピングから自由に選び、自分だけのアイスを楽しめます。単に商品を無料で配るだけでなく、キャラクターの世界観を体験できる空間づくりやカスタマイズの楽しさを加えることで、来場者によるSNSへの投稿や、記憶に残るブランド体験へつなげている事例です。
<参加・拡散設計>
商品への興味を高める体験づくりに加え、生活者を投票者や開発参加者として巻き込み、熱量を周囲へ広げてもらう仕掛けも主流になりつつあります。ここからは、ファン心理を刺激し、自主的な共有や複数回の来店を引き出している企画を取り上げます。
5.100種から推しの頂点を決める! サーティワンの総選挙企画

B-R サーティワン アイスクリーム株式会社は、2026年4月1日(水)から5月11日(月)まで、「サーティワン フレーバー総選挙2026」を開催しました。100種類のエントリーフレーバーからお気に入りを選ぶ人気投票に加え、2つのフレーバーを組み合わせた「推しダブル」の頂点を決める「ダブル総選挙」も同時に実施しています。
定番商品や懐かしいフレーバーの人気投票を毎年実施することで、好きだった味を思い出したり、新たな組み合わせを見つけたりするきっかけをつくっています。投票結果は復刻販売や推しダブルの商品化にも反映され、投票後も楽しめる企画です。
投票者には自分が投票したフレーバーをSNSで共有できる「デジタル投票証明書」を発行するほか、アイスクリーム食べ放題イベントへ招待する特典も用意しました。投票で終わらせず、結果発表や商品化、来店まで楽しみが続く流れをつくることで、参加したことを共有したくなる仕掛けと再来店の機会を組み合わせています。
6.原点回帰の共創企画「セブンティーンアイス」高校生と新商品開発

江崎グリコ株式会社は、高校生と共同開発した「セブンティーンアイス」の新商品「ホワイトサワー®<ぷにぷにゼリー>」を、2026年5月25日(月)から発売しました。ブランド名の由来である「17歳の学生でも楽しめるように」という原点に立ち返り、高校生自身が商品開発に参加した企画です。
自販機設置校の生徒を対象にした調査では、「校内に居心地の良い場所が少ない」という声が寄せられました。この調査結果を受け、商品を通じて友達を誘う機会を増やすことを目指し、出前授業や専用アプリでアイデアを募集するなど、高校生の声を取り入れながら開発を進めています。
写真を撮りたくなるカラフルな見た目に加え、アプリ内では新商品のプレゼントや限定ミニタオルが当たるマイレージキャンペーンも実施。高校生の日常の過ごし方に着目し、商品開発から購入後まで友達と楽しめるきっかけを重ねることで、商品を通じたコミュニケーションを生み出しています。
7.SNS発のアレンジを公式化! ロッテと老舗パン屋がクーリッシュ専用あんぱんを共同開発

株式会社ロッテは、東京都三鷹市の老舗ベーカリー「トーホーベーカリー」と共同開発した「クーリッシュ専用あんぱん」を、2026年6月29日(月)から8月8日(土)まで同ベーカリーにて期間限定で販売しています。
SNSで話題になっていた「あんぱんにクーリッシュを注入して食べる」というアレンジレシピを公式商品化した取り組みです。店頭では、ミニサイズのクーリッシュ バニラを組み合わせたセット商品も販売しています。
この企画は、SNSで話題になった食べ方を、実際の商品として楽しみやすい形にしたもの。アイスをスムーズに注入できるようパンの内部にあらかじめ空洞を確保し、注入口を示す専用のピックを配置するほか、バニラの甘さに合わせてあんこの甘さを抑えるなど、食べやすさにも配慮しています。
さらに、セット商品には通常の140mlではなく80mlのミニクーリッシュ バニラを採用し、あんぱんと一緒に楽しみやすい分量にしました。SNSで広まった食べ方を公式商品に取り入れることで、生活者との距離を縮めるコミュニケーションにもつなげています。
<記念日・CSR・社会文脈との接続>
企画への参加を促すだけでなく、季節の記念日や猛暑といった話題をきっかけに、商品選びの理由を生み出す動きも広がっています。最後は、季節や社会との接点を生かし、この時期だからこそ実施する意味を持たせた企画を見ていきます。
8.牛乳の日に牛乳増量! 「アイスは別腹」の記念日連動キャンペーン

ソフトクリームブランド「アイスは別腹」は、2026年6月1日(月)から3日(水)まで、「牛乳の日」に合わせた期間限定企画を実施しました。岐阜県産の関牛乳を使用した「飲むソフトクリーム」4種類の牛乳を通常より増量し、全商品を一律600円で販売しています。
商品の主原料である牛乳にあらためて目を向けてもらうため、6月1日の「牛乳の日」と商品の特徴を結び付けています。主力商品のソフトクリームではなく、飲むソフトクリームを対象にすることで、よりミルク感を味わえる特別仕様にしています。
さらに、4種類を一律価格で提供することで価格差による迷いを減らし、好みに合わせて選びやすくしました。記念日を商品の主原料と結び付け、増量や均一価格といったわかりやすい企画に落とし込むことで、素材の魅力と商品ラインナップの両方へ関心を生み出しています。
9.3つの味から選ぶ楽しさを提案! 井村屋「あずきバー」の夏のPR

井村屋株式会社は、2026年6月22日(月)から放映を開始した「あずきバー」シリーズの新CMに、俳優の玉木宏さんを起用しました。
また、同社が制定した7月1日の「井村屋あずきバーの日」に合わせ、東京・名古屋・大阪・福岡の全国4都市で合計約15,500本を無料配布するサンプリングイベントや、購入者向けのプレゼントキャンペーンを実施しています。
定番のあずきバーに加え、ミルク、抹茶の計3種類を同時に訴求し、商品を買うかどうかではなく、どの味を選ぶかという楽しさも購買動機につなげています。CMでは玉木宏さんが各フレーバーをイメージした3種類の衣装で登場し、それぞれの特徴を視覚的に表現することで、シリーズ全体の違いを直感的に伝えています。
店頭やサンプリングで商品に触れる機会を設けるとともに、応募マークを集めるプレゼントキャンペーンを組み合わせ、購入後の参加も促しています。CM、サンプリング、キャンペーンを自社の記念日に合わせて展開し、定番商品を“いつもの1本”ではなく、選べるシリーズとして見せたプロモーションです。
10.アイスの冷たさを暑さ対策へ ロッテのクールシェルタープロジェクト

株式会社ロッテは、長引く夏の暑さへの対策として、アイスブランド「クーリッシュ」と「爽」を通じて、人々が涼しく過ごせる場所を増やす「クールシェルタープロジェクト」を2026年7月23日(木)から開始しました。
東京・MIYASHITA PARKに「涼スポット」を設け、合計1万個のアイスを無料配布するイベントを開催したほか、神奈川県の片瀬西浜海水浴場ではパラソルの貸し出しも順次実施しています。
近年の酷暑や夏の長期化を背景に、アイスが持つ冷涼感を生かした暑さ対策の取り組み。商品を販売するだけでなく、涼しく過ごせる場所や機会を提供することで、ブランドの価値を社会的な取り組みへと広げています。
さらに、活動を単発で終わらせないため、有識者や企業、社会団体で構成する「クールシェルター評議会」を新たに発足しました。TVCMなどの情報発信と実際の体験機会を組み合わせながら、アイスブランドの価値を暑さ対策と結び付け、商品PRとCSRを一体的に展開している企画です。
アイスクリームの販促・マーケティング事例10選まとめ
2026年のアイスクリーム販促・マーケティング事例10選を振り返りました。全体を通じて見られたのは、単に冷たさや味を伝えるだけでなく、買う前から楽しめる理由をつくり、来店や購買につなげている点です。
看板商品同士の対決やカスタマイズによって商品選びそのものを体験へ変える企画や、ファン投票、SNSで生まれた食べ方の公式化など、生活者が参加したくなるきっかけを設ける動きも多く見られました。
また、記念日や酷暑といった季節・社会的な話題を商品と結び付け、夏ならではの購買理由を生み出す企画も広がっています。
毎年多くの新商品や限定企画が登場する夏だからこそ、味や価格だけで差別化を図るのではなく、参加したくなる体験や共有したくなる話題、この時期だからこそ選ぶ理由をどう生み出すかが、夏商戦の企画づくりの鍵となりそうです。
その他の事例集についてはこちら
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