企業の“ごみゼロ”施策10選|共感を生むサステナブルPRまとめ【2026年】

5月30日の「530(ごみゼロ)の日」は、環境問題への関心が高まるタイミングです。近年は清掃活動のほかにも生活者参加型のキャンペーンや、廃棄物削減を事業に組み込んだ取り組みなど、“ごみを出さない仕組み”まで含めて発信する企業も増えています。

一方で、サステナブル施策は社会的意義が大きい反面、メッセージだけが先行すると「アピール目的」「表面的」と受け取られてしまう難しさも。だからこそ大切にしたいのは、理念を語るだけでなく、生活者が自然に参加できる導線や、継続したくなる体験設計、さらに回収後まで含めたストーリーづくりです。

本記事では、「ごみゼロ」をテーマに生活者との接点を生み、共感や話題化につなげたPR・マーケティング施策をピックアップ。2026年の潮流を踏まえながら、企業が“伝わるサステナブルPR”を実現するためのポイントをご紹介します。

1.地域・企業・生活者を巻き込む“街ぐるみ”のごみゼロ施策

株式会社ダスキン

株式会社ダスキンは、株式会社ローソンと共に大阪府が推進する「OSAKAごみゼロプロジェクト」と連携し、Osaka Metro御堂筋線・江坂駅周辺で合同清掃活動を実施しました。

企業単独の環境施策として発信するのではなく、大阪府や地域企業、市民と協業する形を取ることで、“地域全体で取り組むごみゼロ活動”として広がりを持たせているのがポイントです。

また、ダスキンが2006年から継続している「クリーンアップ・マイタウン」をベースに据えている点も、単発の話題化施策に終わらせない信頼感につながっています。

2025年度に実施した計4回の清掃活動が大阪府から評価され、感謝状を拝受した実績まで共有することで、企業としての本気度を可視化。

日頃から積み重ねてきた活動の延長線上に今回の取り組みが位置づけられていることが伝わる構成になっています。

さらに、参加対象を吹田市民や周辺企業の従業員まで広げることで、“企業が行うCSR活動”にとどまらず、生活者自身が街の環境美化に関われる接点を創出。

大阪・関西万博や「全国豊かな海づくり大会」といった社会的な文脈にもつなげながら、地域課題を自分ごと化できる工夫がなされています。

環境配慮を理念として掲げるだけでなく、行政・企業・生活者それぞれの役割を整理し、参加機会を設計することで、街ぐるみのアクションへ自然につなげている事例です。

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2.“地域の健康”と“地球の健康”を結びつけた参加型清掃イベント

医療法人Eternabloom さくら通り整形外科クリニック

医療法人Eternabloom さくら通り整形外科クリニックは、5月30日の「ゴミゼロの日」にあわせて地域清掃活動を実施。

環境美化を目的とした活動にとどまらず、地域の健康と地球の健康を結びつける“プラネタリーヘルス”の考え方を軸に据えることで、医療機関ならではの視点を打ち出しています。

また、医療従事者によるネットワーク「earth clinic」が展開する「胸キュン!GOMI拾い」と連携し、人や地球への思いやりをテーマに参加ハードルを下げている点も印象的です。

ゴミゼロの日の取り組みを「歩道を歩きながら少し下を向くだけで気づくことができる行動」と定義することで、参加しやすい空気感をつくり出しています。

参加対象を患者や家族、地域住民など広く設定し、参加費も無料。誰でも参加可能な形にすることで、クリニックを“診療を受ける場所”から“地域とつながる場”へと拡張しました。

清掃活動そのものをゴールにするのではなく、健康・環境・地域コミュニティを横断しながら、生活者との継続的な関係構築へ接続している事例といえるでしょう。

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3.eスポーツの“熱狂”を地域清掃へ転換

株式会社Life Reversal Gaming.

株式会社Life Reversal Gaming.は、一般財団法人日本財団スポGOMI連盟らとともに「eスポGOMI in 岡山」の運営に参画。eスポーツと競技型ごみ拾いを組み合わせることで、環境活動を“楽しみながら関われるイベント”として発信しています。

ごみの重量や種類でポイントを競うルールに加え、ハーフタイムには「ぷよぷよeスポーツ」のゲーム大会を実施するなど、環境問題への関心が高くない層でも参加しやすい導線をつくり出しています。

3名1組のチーム制を採用している点も、コミュニケーションや協力体験を自然に生み出す設計として秀逸です。

環境保全を真面目に訴求するだけでは届きにくい時代において、eスポーツというエンターテインメント性を掛け合わせながら、地域参加と行動変容を促している本施策。

子どもから大人まで幅広い参加を想定しながら、ゲームをきっかけに地域との接点を生み出し、街への愛着形成につなげています。

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4.コスプレ文化の発信力を活用した参加型ごみ拾いイベント

一般社団法人世界コスプレ文化普及協会

一般社団法人世界コスプレ文化普及協会は、日本財団協力のもと「コスプレde海ごみゼロ大作戦2026」を開催。海洋ごみ問題という社会課題に対して、コスプレイヤーのSNS発信力やコミュニティ性をフックにすることで、従来の清掃活動とは異なる広がりを生み出しています。

イベントは、池袋の街中で参加者が一斉にごみ拾いを行った後、そのままコスプレ撮影やまち歩きを楽しめるというもの。環境活動と“好きなこと”を分断せず、体験として自然につなげている点が印象的です。

テーマカラーである「青」のアイテム着用や、参加証として配布される青色トートバッグなど、SNS上で視覚的に拡散しやすい要素も組み込まれています。

また、「海ごみゼロウィーク」のキックオフイベントとして位置づけることで、全国的な海洋ごみ削減活動への入り口として機能させている点も特徴です。

ごみ拾い活動を通じて“海の未来を守る”というテーマを提示しながらも、コスプレ文化への理解やリスペクトを丁寧に発信することで、参加者コミュニティとの信頼関係構築にもつなげています。

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5.“楽しく学ぶ”体験設計でごみ問題への関心を喚起

東洋製罐グループホールディングス株式会社

東洋製罐グループホールディングス株式会社は、「滝沢ごみクラブ」と共催で「ごみフェス2026」オープニングイベントを開催しました。

ごみ削減や資源循環というテーマを、トークセッションや漫才、落語、体験型ワークショップなど複数のコンテンツへ広げることで、“学び”と“エンターテインメント”を両立させた取り組みです。

ポイントは、お笑い芸人であり現役のごみ清掃員でもあるマシンガンズ滝沢秀一氏を中心に据えていること。専門家による啓発型の発信に寄せるのではなく、親しみやすいキャラクターや笑いを交えながら伝えることで、生活者がごみ問題を自分ごととして受け取りやすい工夫がなされています。

また、「スケルトンパッカー車」の展示やごみ積み込み体験、フードドライブなど、見るだけでは終わらない参加型コンテンツも多数用意。子どもから大人まで楽しめる内容にすることで、“環境問題は難しいもの”という印象を和らげる効果も期待できるでしょう。

さらに、会場内の容器文化ミュージアム企画展とも接続することで、資源循環について立体的に学べる構成となっているのも特徴です。

包装容器メーカーとして事業と深く関わるテーマを扱いながらも、一方的な企業メッセージに偏らず、生活者との対話や体験を通じて理解を深めていく。環境コミュニケーションを継続的な関心や参加へつなげているイベントです。

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6.“掃除生物”を主役化し水槽の裏側を学びへ変えた展示企画

AOAO SAPPORO

「AOAO SAPPORO」は、水槽内の環境維持を支える掃除生物にフォーカスした新展示「おそうじスタッフの当番札」を開始。ごみゼロの日に合わせながら、“水族館をきれいに保つ存在”として生物たちを紹介することで、環境維持や生物多様性への関心を自然に引き出しています。

展示では、コケや食べ残し、砂のよごれなどを食べる12種類の生物を“おそうじスタッフ”としてユーモラスに可視化。さらに、43本の水槽ごとに「今日の掃除当番」を掲示することで、来館者がゲーム感覚で観察を楽しめる仕組みです。

ただ生態を説明するのではなく、“誰がどんな役割を担っているのか”という視点を加えることで、水槽の裏側にある仕組みや循環への理解を深めています。また、「ヒーロー」という表現を用いながら、普段は目立ちにくい存在を魅力的に伝えている点も印象的です。

水族館という身近な空間の中で、生物同士の関係性や役割分担を体感できる構成にすることで、子どもから大人まで親しみやすい学びへと転換。施設の世界観や観察体験と連動しながら、“環境を守る行動”を身近な発見へうまくつなげています。

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7.官民連携を継続し“マイボトル習慣”の定着を後押し

味の素AGF株式会社

味の素AGF株式会社は、山形県と連携した「マイボトル普及啓発キャンペーン」を3年連続で実施。単年で終わる話題化施策にとどめず、参画企業数や実施店舗数、当選者数を毎年拡大することで、生活者の行動定着を段階的に促している取り組みです。

12社・154店舗でスタートした2024年から、2026年には16社・312店舗まで拡大。応募者数や反響を踏まえながら施策規模を成長させている点からも、単なる啓発ではなく、“地域に根づく行動変容”を見据えていることが伝わります。

また、スーパーやドラッグストアの商品棚付近に啓発POPを設置することで、生活者が日常の買い物動線の中で自然にマイボトル利用を意識できる設計も秀逸です。

さらに、「ブレンディ®」マイボトルスティックシリーズを活用し、ペットボトル飲料との比較によるCO2削減率を提示。環境配慮を抽象的なメッセージで終わらせず、具体的な数値として可視化することで、行動の意味を実感しやすくしています。

さらに、山形県制作オリジナルボトルが当たるキャンペーンも組み合わせながら、挑戦したくなるきっかけを用意するなどの工夫も光ります。

自治体の環境方針と企業商品の特性を結びつけながら、生活者の日常行動へ無理なく入り込むことで、“環境に良い行動を続けやすい状態”をつくり出している事例といえるでしょう。

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8.“約束”を起点にTシャツとの関係性を育てるサステナブル施策

キャブ株式会社

キャブ株式会社は、ごみゼロの日に合わせて体験型アパレル店「約束で買えるTシャツ店」を期間限定で開催しました。

衣類の大量生産・大量消費・大量廃棄という社会課題に対し、“服を長く大切に着る”という行動を、来場者自身が体験できる形へ落とし込んだ取り組みです。

期間中、来場者は「選ぶ」「つくる」「約束する」という3つのステップを通じて、自分だけのTシャツを制作することが可能。42,000通り以上の組み合わせからデザインやカラーを選び、さらに自らシルクスクリーンプリントを施すことで、“購入した服”ではなく、“自分で仕上げた一着”として愛着を育てることができます。

また、「Tシャツを大切にします」という約束書への記名を組み込むことで、サステナブルを生活者自身の意思表明へ転換。加えて、経年変化したTシャツの展示や、「自分だけのヴィンテージへ育てる」というメッセージを通じて、“古くなる”ことを価値あるものとしてポジティブに発信しています。

さらに、余剰生産を抑える自社のビジネスモデルや品質へのこだわりも、体験の中で自然に発信。企業姿勢を一方的に説明するのではなく、来場者が手を動かしながら実感できる構成にすることで、ブランド理解や共感形成につなげています。

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9.“過剰在庫”の課題をユーモアいっぱいの切り口で発信

全国農業協同組合連合会と株式会社カヤック

全国農業協同組合連合会と株式会社カヤックは、スキムミルク(脱脂粉乳)の認知拡大と利用促進を目的とした「マッスルマート」というユニークなコンビニ型ポップアップを展開。ごみゼロと銘打った企画ではありませんが、遊び心あふれるサステナブルな取り組みです。

生乳の不需要期に加工されるスキムミルクの慢性的な過剰在庫という、酪農業界が抱える構造的な課題を、“高たんぱく・低脂質”という生活者側のメリットへ翻訳することで、自分ごと化につなげています。

特に、筋肉紳士集団ALLOUTによる接客や、「マッスルATM」「マッスルセルフレジ」といった遊び心あふれる体験設計によって、課題解決のために協力する空気感ではなく、楽しみながら参加する空気感を醸成している点が印象的です。

コンビニという日常的なフォーマットへ落とし込むことで、ポップアップ施策特有の参加ハードルも下げています。

さらに、会場内の体験だけで終わらせず、レシピ冊子の配布や「スキムミルクたいそう」の動画公開を通じて、自宅での継続的な消費や習慣化へつなげている点もポイント。SNS映えする仕掛けで話題化を促しながらも、“一度きりの面白企画”で終わらない導線設計が行われています。

本施策は「ごみゼロ」を直接テーマにした取り組みではありませんが、余剰在庫やフードロスの課題をシリアスに訴えるだけではなく、エンターテインメントや健康文脈を掛け合わせることで、生活者が前向きに行動したくなる理由をつくり出す事例として参考になるでしょう。

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10.森林保全からフードロス削減まで多面的に積み重ねたサステナビリティ施策

東京ステーションホテル

東京ステーションホテルは、「持続可能な世界」の実現に向けた取り組みとして、一般社団法人more treesの「企業の森づくり」へ参画。こちらもごみゼロと直接的な関わりはないものの、ホテルならではの特長を生かしたサステナブルな取り組みです。

岩手県大船渡市に「東京ステーションホテルの森」を設け、森林再生活動を継続的に行うことで、脱炭素だけでなく生物多様性や災害リスク低減にもアプローチしています。

単発の社会貢献活動として切り出すのではなく、ホテル運営全体にサステナビリティの視点を組み込んだ本施策。

宿泊時のCO2排出量をホテル側負担でオフセットする「CO2ゼロSTAY」、婚礼装花や110周年記念装飾のリユース、使用済み石鹸の回収リサイクルなど、日々の運営の中に環境配慮を自然に組み込んでいる点がポイントです。

また、野菜くずや牛すじの再活用、不揃い野菜の採用、mottECO導入など、ホテルとしての価値体験を損なわずに食品ロス削減や地産地消に取り組んでいる点も印象的。

さらに、地方創生メニューの開発やシニア雇用、国際女性デーへの賛同など、環境だけに限定せず、地域・文化・多様性まで含めてSDGsを横断的に捉えています。

ラグジュアリーホテルとしてのブランド価値を維持しながら、“環境配慮を特別なものではなく日常運営の一部にする”姿勢の積み重ねが、生活者からの信頼形成につながっています。

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企業の“ごみゼロ”施策10選|共感を生むサステナブルPRまとめ

今回紹介した事例では、地域清掃、ゲームやコスプレを掛け合わせた参加型企画、マイボトル習慣の啓発、衣服を長く着るための体験設計など、さまざまな企業・団体が「ごみゼロ」やサステナブルな行動を生活者に届ける工夫を行っていました。

共通しているのは、環境配慮を一方的に呼びかけるのではなく、生活者が楽しみながら参加できるタッチポイントをつくっていたこと。

また、清掃活動やリサイクルといった直接的なアクションに加え、食品ロス削減、余剰在庫の活用、森林保全、装花や資材のリユースなど、企業活動の中で生まれる課題を見つめ直す取り組みも見られました。

サステナブル施策を“良いことをしている”という発信だけで終わらせず、共感や参加、継続的な行動へつなげていく。生活者との接点づくりやブランドへの信頼形成を考えるうえで、今回の事例を参考にしてみてはいかがでしょうか。

530(ごみゼロ)の日の意味や由来・広報PRに活用するポイントはこちらからご覧ください。

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