“いいこと”を真面目に語らない イギリスのスーパーTescoが選んだ笑えるCM戦略
「いいことをしている会社です」と真面目に語るCSRの広告は多いです。しかしTesco(テスコ)は、その”常識”をコメディーで崩してきました。
CMは、父親が家族に「Tescoで何か必要?」と問いかける場面から始まります。牛乳、スナックーーと答えが返ってくる中、突然バカンス中の男性がリビングに乱入。巨大ケーキから人が飛び出し、壁越しに隣人が叫び、チーズスライサーまで話し始めます。
一見するとカオスな展開ですが、それぞれがTescoの実際の取り組みを表しています。たとえば、海外旅行の割引、早産児の家庭への無料おむつ提供、学校への無料フルーツ・野菜の配布などです。
秀逸なのは、社会貢献を”善意のメッセージ”として語っていない点。感動的な音楽とともにハートフルに描かれるCSR広告は、これまで数多く作られてきました。
しかしTescoはあえてコメディーを選び、混乱する父親の目線から「こんなにいろいろやっているの?」と視聴者に気づかせる構造になっています。押しつけがましさがなく、気がついたら企業の姿勢を理解しているという設計が、このCMの最大の特徴と言えるでしょう。
本作は、Tescoが長年掲げてきた「Every Little Helps」(ちょっとしたことが、大きな助けになる)というスローガンを、現代に合わせてアップデートする試みでもあります。
「Need Anything From Tesco?」(Tescoで何か必要?)という日常の口語フレーズをブランドのメッセージに変えることで、スローガンを”捨てる”のではなく進化させ、食料品にとどまらず人々の生活に寄り添う存在であることを、改めて示そうとしています。
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