言葉で説明せずに伝える マクドナルドのストーリーCM

PR EDGEではこれまでも、世界各国のマクドナルドによる多彩なプロモーションを取り上げてきました。大胆な屋外広告から社会性のあるキャンペーンまで、その表現は実に幅広いです。

今回紹介するのは、オーストリアで公開されたCM「A Big Big Rösti Story」。静かでありながら、深い余韻を残す1本です。

物語は、落ち込んだ様子の高齢男性と、彼を気遣う男性が並んで歩く場面から始まります。会話はなく、BGMと表情、仕草だけが手がかり。説明を削ぎ落とした演出です。

やがて映像は現在と過去を行き来し、2人は少年時代の姿に、そして再び老年期へ。人生の時間が折り重なり、観る側に自然と「記憶を追う物語」だと悟らせます。

そしてもうひとつの特徴が、最後までマクドナルドのCMだと明かされない構成です。ブランドロゴも商品も現れない。「これは何の広告なのか」という問いを抱えたまま、視聴者は物語を見届けることになります。

終盤、2人がたどり着く場所がマクドナルドだとわかった瞬間、それまでの歳月が一本の線で結ばれます。

子どもの頃も、大人になってからも、年を重ねても。人生のさまざまな場面で自然とそばにあった場所。いわば、人生の風景の一部として存在してきたブランド像です。

ここで意味を持つのが、マクドナルドがオーストリアに進出したのが1977年だという事実。約半世紀にわたり人々の生活に根付いてきたからこそ、高齢男性の人生とブランドの時間軸を重ねる語りが成立します。

若者向けのイメージも強いマクドナルドですが、本作は世代を超えて共有されてきた存在であることを静かに印象づけます。

セリフを削ぎ落とし、ブランドを最後まで伏せる大胆な構成。そして、マクドナルドを単なる“食べる場所”ではなく、“人生の時間が重なる場所”として描き出すアプローチ。ストーリーの力を信じたブランディング事例といえるでしょう。

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