同時テロ後、不況に喘ぐ外食産業を救う“美食の国・ベルギー”ならではのSNS施策

Case: #DiningforBrussels

今年3月22日、ベルギーの首都・ブリュッセルの空港と地下鉄構内で次々と爆破テロが発生、少なくとも31人が死亡、270人が負傷するという痛ましい事件が起きたことは、まだ記憶に新しいと思います。

現在では徐々に落ち着きを取り戻しつつあるものの、いまだテロに対する警戒レベルは高いまま。市民は不要不急の外出を控えるようになり、外国からの観光客は激減してしまいました。

これにより甚大な被害を受けているのが、外食産業。レストランのような不特定多数が集まる場所はテロの標的になりやすいため、客足が途絶え、倒産する店が続出する事態になってしまったのです。

そんな状況を打開するため、ベルギーの広告代理店は大手経済紙2社の協力を仰ぎ、ブリュッセル市内の外食産業を活気づけるキャンペーン『#DiningforBrussels』を実施しました。

「テロの恐怖に負けず、外に出よう、そして打撃を受けた経済を立て直そう」と人々に呼びかける意図のもと企画された本キャンペーンは、レストランで食事をした後にフォークやナイフをクロスさせて平和のシンボルであるピースマークを作り、これを写真に撮ってInstagramやFacebookなどのSNSにアップするというもの。

投稿した人には、抽選で無料食事券のプレゼントが用意されています。

この取り組みはローンチ直後からテレビなどで取り上げられ、その結果国民の1/3にリーチ、また400万件のインプレッションを獲得するなど大きな注目を集めました。

ブリュッセルでの惨劇の半年前には、パリでも同時テロが起きたばかり。そのショックと影響は測り切れないものであることは、想像に難くありません。しかしそれでもテロに屈しない姿勢を、『美食の国』と呼ばれるベルギーならではの方法で示した素晴らしい施策でした。

De Tijd / L’Echo – #DiningForBrussels from Famous Brussels on Vimeo.

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