その成否は神のみぞ知る。雨、雪、雲、晴れ…「天候」を活用した広告10選

Case: Creative weather ads

テクノロジーが発達した今なお、ある程度の予報はできるものの確実な予測やコントロールはできない「天候(天気)」。本日はそんな曖昧な要素が絡む「天候」および「天候がもたらす産物」をクリエイティブの前提とした、斬新な広告・プロモーションをまとめてご紹介します。

自然を活かす意表を突いた広告の数々をご覧ください。

1.積雪を利用した超低コストな広告

[国名:カナダ/ブランド名:Polo Mints]

ネスレが販売するミント味のキャンディーブランド「Polo Mints」による積雪を活用した屋外広告。商品の形状・デザインを前提にして企画されたアイディアで、「Polo Mints」と印字されたマンホールの蓋のようなものを、街中に積もった真っ白な雪に押しつけて、「Polo Mints」のロゴと“商品そのものの形”を街中に数多く残しました。

商品の特長である『清涼感』を効果的に表現すると同時に、無駄な資材を使用していない点が高く評価されたそうです。

2.売上が前週比22%増加! 「半額セール」を訴求するロシア家電量販店のイタズラ広告

[国名:ロシア/企業名:Euronics]

極寒の国ロシアらしい冬の雪の多さを逆手にとったアイディア企画。家電量販店のEuronicsは週末の半額セールを伝えるべく、豪雪地帯ではよく見られるクルマに雪が積もった状態から、その雪を半分だけきれいにどけてそこにセールの札を立てたのです。立札にはセール日とともに『Feel the 50% discount』と記しました。

夜の間に作業を行い、最終的に300台ものクルマをこのような状態にしたといいます。この一風変わった広告の結果、前週末のセールと比べて22%売上があがったそうです。こんなクルマが街中にあったら、“何があったのか”と思って見入ってしまいますよね。

3.降り積もる雪を“あるもの”に見立てたシャンプーの広告

[国名:カナダ/企業名:Selsun Blue]

カナダのモントリオールで、薬用シャンプー「Selsun Blue」が制作した屋外広告。看板に“降り積もる雪をふけに見立てる”というアイディアす。

ふけは、暖房器具の使用により頭皮が乾燥する冬に最も多く発生するといいます。そこで、ふけ用シャンプーの需要が最も期待できるこの季節に、街中の至るところに降り積もるスノーフレークを、ふけのフレーク(薄片)に見立ててビルボードに描かれている人の頭部に積み上げ、ふけの大量発生とふけ取りシャンプーの必要性を描きました。

降り積もる雪を有効活用した海外ならではのユーモアあふれる広告です。

4.「雲」がメディアに! ロンドンの夜空に映し出す、エールフランスの記念イベント

[国名:UK/企業名:Air France]

ヨーロッパ最大の規模を誇る航空会社「エールフランス」が、2013年10月に創業80周年を迎えたことを記念して、プロジェクションマッピング技術を用いてロンドンの夜空に浮かぶ「雲」にレーザーを照射してプロモーションを行いました。

雲に映し出された文字や飛行機の形は、ロンドンのシンボル的な存在であるロンドン・アイなどの市内の主要な場所や建物からも見ることができたほか、エールフランスの就航都市であるバーミンガムやエディンバラ、マンチェスターでも同様のイベントが行われました。

地上から雲に映像を投影するには、適切な気象環境や機材を設置する角度など様々な条件があり、それらをクリアしなければなりません。雲という自然を相手にした試みは難しいチャレンジではありましたが、イベントでは非常に美しく雲に映像を描くことができたそうです。夜空に浮かびあがる、光の飛行機。きっと幻想的で素敵だったでしょうね。

5.雨を活用した広告 = Rainvertising

[国名:ドイツ/企業名:Schirm & Co. Umbrella Shop]

降水量の多い都市として知られるドイツ ハンブルグの傘専門店「Schirm & Co. Umbrella Shop」の新規顧客獲得を狙ったアウトドア広告。

街中にあるバス停や公衆電話などのガラスの壁部分に、雨が降り、水に濡れるとはじめてメッセージが浮き上がる印字広告を施しました。メッセージには「傘専門店までここから200メートル」などと記載されていました。

6.“雨が降ると消えてなくなる”オシャレなストリート広告

[国名:スウェーデン/企業名:Porteur]

デザイン性の高い自転車を取り扱うスウェーデンのブランド「Porteur」が、ストックホルムの街中で仕掛けた“オンラインセール”を告知するための広告。道路の自転車専用レーンに、同ブランドの特徴的な自転車の絵と“-10%”という文字と、セール開催中のサイトURLを描きました。

ターゲットである自転車愛好者にフォーカスした、ちょっとサプライジングな広告。こちらの広告は水溶性の塗料で描かれているため雨が降ると消えてしまいます。そして、セール期間も“そのタイミングで終了”という仕掛けだったようで、私がサイトを訪問したタイミングでは『雨によりセールは終了しました』と表記されていました。自然現象である“雨が降ることでキャンペーンが完結する”というユニークなコンセプトのストリート広告でした。

7.雨に濡れるとTシャツがすける看板広告

[国名:ドイツ/企業名:PLAYBOY]

男性誌Playboyのオンライン版ローンチにあたっての看板広告。雨に濡れると、看板に映っている女性のTシャツが徐々に透けていくという仕掛けです。

広告には「Guys, pray for rain!(野郎ども、雨が降るよう祈ろう!)」と記されており、『雨が降ると家でネットサーフィンにいそしむ機会が増えるので、そんな時はPlayboyのオンライン版も楽しんで!』という思いを表現しています。

8.“太陽光が演出する”ランチタイム限定QRコードで売上が25%増加

[国名:韓国/企業名:E-mart]

晴れて日が射している状況で機能するアウトドアプロモーション。韓国で141店舗展開する人気のスーパーマーケット「Emart」がランチタイムの売り上げ拡大を目指して実施したアイディア施策です。

屋外に“太陽の傾き加減”により、正午から午後1時までの時間帯にだけスマートフォンで読み取りが可能になるという特殊な巨大QRコードを設置。このQRコードをユーザーが読み取ると、『Sunny Sale』というページに自動で遷移し、もれなく12$のクーポンなどのスペシャルな特典をゲットすることができます。

ユーザーはそのままスマートフォン経由で、ゲットしたクーポンなども使って「Emart」に商品を注文して、自宅に配達してもらうことができるという仕組みになっています。

この取り組みはソウル市内36か所にこのQRコードを設置した結果、12,000クーポンが使用され、前月比で会員数が58%増を記録。ランチタイムの売上は25%も増加したそうです。

9.皮膚癌予防を日射しの強い砂浜で啓蒙

[国名:オーストラリア/団体名:Peter MacCallum Cancer Centre]

オーストラリアの医療団体が仕掛けたアイディア看板。ある角度から日光が照り付けることで、はじめて広告メッセージ「Take a break from the sun.(日光から一休みしましょう)」が砂浜に映し出されるという仕掛けです。

“今まさにビーチで肌を焼いているターゲット”に向けて、一枚の穴あきパネルと日光、砂浜を用いて“日光に肌を晒させ過ぎることにより生じる皮膚癌の予防”を訴えています。

10.美しく日焼けするための雑誌広告

[国名:USA/企業名:Hawaiian Tropic]

サンオイルブランド・Hawaiian Tropicの体験型雑誌広告。テーマは「Enjoy The Sun(太陽を思う存分楽しんで)」。

誌面に太陽光を反射させるコーディングがほどこされており、より綺麗に効率的に“肌を焼けるように”というアイディアクリエイティブです。ブランドの遊び心を顧客に上手に表現していますね。

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