新規参入でカテゴリ第2位に躍進! 「調理時間の短さ」を訴求するクレバーなゆで団子のテレビCM

Case: The fastest dumplings

突然ですが、「ダンプリング」という食べ物をご存知ですか?
小麦粉や卵・牛乳をねってゆでた団子にしたものをシチューやスープに浮かしもので、東ヨーロッパを中心に世界各国でよく食べられています。日本ではすいとんがそれにあたるでしょうか。

ロシアでもこのダンプリングは庶民にとても人気がある食べ物で、50以上のブランドが簡単に調理できる「インスタント(冷凍)ダンプリング」をスーパーなどで発売しています。これらの商品をゆでて調理する時間は7分程度かかるそうですが、そんな競合ひしめくマーケットに、食品メーカーのCherkashinが“わずか3分で調理できる新商品”を投入するにあたってユニークなテレビCMを制作しました。

目を付けたのは、テレビ番組の間に流れる「CMの長さ」。ロシアではこのCMの最長時間(複数社のスポンサーが流すCMの合計)が3分だといいます。

今回この3分間の“はじめの10秒程度”に、男性が新商品を鍋で調理し始めて、できあがるのを今か今かと待ち望んでいる映像を流します。

その後他社のCMが2分30秒程度流れます。

他社のCMが終わるとCherkashinのCMが再度流れます。

そこには、“CMの間に調理された”ダンプリングがお皿に盛られており、先ほどの男性が美味しそうにダンプリングを口に運ぶという様子が映し出されます。ラストは「テレビコマーシャルの間に調理できるダンプリングです。」というナレーションと商品カットで締めくくられました。

このCMの結果、当初ベンチマークとしていた売上の47%増を達成し、同一カテゴリ内で第2位の売上になったといいます。

わずか3分間で調理できるという商品特長を、ターゲットの“具体的なベネフィット”に巧みに置き換えて表現していますね。恐らくは「CMの間にあまりチャンネルを変えない」というロシア国民のテレビ視聴行動が念頭にあったアイディアだと推測されます。

今回の事例と同様「他社のCMをまたぐ」からこそ意味を成すユニークなCMに関心のある方は下記記事もご覧ください。
世界初の“かぶさったまま” TV-CM

動画はコチラ

参考サイト

Ads of the World
http://adsoftheworld.com/media/tv/cherkashin_meat_factory_the_fastest_dumplings

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