うずら卵を“さわって、つぶして、学ぶ” 給食接点を取り戻す体験設計
2024年の誤嚥事故以降、全国の学校給食から姿を消したうずら卵。鳥インフルエンザや飼料高騰も重なり、かつて1,500軒あった国内農家はわずか27軒にまで激減するという、産業崩壊の危機に直面しています。
天狗缶詰株式会社(愛知県)は、6月9日の「卵の日」に合わせ、2026年、世界初※となる体験型食育ツール「UZU-HABI for Kids」を開発しました。安全性の主張ではなく、正しい食べ方の教育によって事故ゼロと産業存続を同時に目指します。
※同社調べ

大正12年創業の同社は、全国の学校給食をはじめ、外食産業、大手食品メーカー、コンビニ向けに業務用加工食品を販売している食品メーカーです。
国産のうずら卵の水煮・加工品などのトップシェア企業でもある同社は、「給食から姿を消したうずら卵を、子どもたちの食卓に取り戻したい」と、体験型食育ツールの開発に着手。出張食育や1,000件近いヒアリングを経て、クラウドファンディングでの支援も得ながら完成させました。

誤嚥の危険性の高い幼児は、文字や言葉での説明が難しいため、同社は透明パウチにうずら卵を入れ、食べる教材に変換。パウチの中身は愛知県豊橋産のうずら卵が入ったスープジュレで、パウチ越しに「さわる・つぶす」という手の感覚でうずら卵の形状を直感的に感じられる設計です。
さわる、潰す、学ぶ、食べるという一連の体験で、子どもが自然に安全な食べ方を習得できるよう後押しします。

ツールは非売品で、全国の教育機関や子育て団体へ向けた無料の出張授業の参加団体を募集しています。無料にすることで、予算の限られた幼稚園や小学校、子育て団体の心理的・金銭的ハードルを下げ、接点を増やします。

また、単なる社会貢献で終わらせず、一般家庭向けの「UZU-HABI」市販用シリーズを用意。給食の食材から大人のオフィス食、防災備蓄などとしてもうずら卵の利用シーンを拡張し、自社の新たな収益源を構築します。

安全面を優先する社会風潮に対し、「排除」ではなく「教育」という付加価値に転換して体験型の商品開発に挑みました。社会課題への対応を単なる呼びかけで終わらせず、ツールを通じて事故ゼロと産業存続の導線に組み替えた事例です。
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