荒野を駆けるカウボーイたちが列車を追うーー米・Amazonの西部劇パロディCM

Amazonが、アカデミー賞の放送にあわせて西部劇風CMを公開しました。荒野を駆けるカウボーイたちが列車を追う――映画さながらの重厚な演出で幕を開けますが、その世界観は思いがけない形で崩されます。

長髪が顔にかかり邪魔になった登場人物が、突然スマートフォンを取り出しヘアゴムを注文。さらに乗馬中の不快感が気になったカウボーイは立ち止まり、擦れ防止バームまで購入します。舞台は砂漠のど真ん中であるにもかかわらず、商品はしっかりと届けられるのです。

本CMが巧みなのは、取り上げている課題の“サイズ感”です。髪が邪魔になる、肌が擦れて痛い。どれも日常の中で誰もが経験するような“小さな不便”です。

命に関わる大きな問題ではないからこそ、視聴者は自然と自分ごととして受け取ることができます。「Save the Everyday」(毎日をもっとラクに)というキャンペーン名が示す通り、Amazonは日常の小さなストレスを取り除く存在として自らを位置づけています。

物価上昇が続き、生活者が価格に敏感になっている今、あえて価格訴求ではなく笑いで手頃さと利便性を伝える設計が光ります。

非日常の極端な環境を舞台にしながら、描いているのはあくまで日常の課題。映画のようなスケール感とささやかな悩みのギャップが、単なるコメディにとどまらない共感を生み出しました。

アカデミー賞という映画好きが集まる場に西部劇パロディを持ち込んだ設計も含め、ユーモアを通じてブランドの価値を自然に伝えた広告です。

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