日常に存在するホームレスへの“追い打ち”とは? 英・代理店の社会派広告

“意地悪ベンチ”や“排除アート”といったホームレスが寝転がれないように工夫が施されたベンチや地面は日本に限らず、世界中の国や地域で課題となっています。イギリスでもさまざまな街の中に見受けられる“意地悪ベンチ”は、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の蔓延以降、増加傾向にあるホームレスを排除する意図があるとされ、多くの人から反対の声が上がっているようです。

そんな状況を受け、世界的な広告代理店TBWAグループのマンチェスター法人TBWA MCRは“意地悪ベンチ”の残酷さをビジュアルで表現したOOHを公開しました。

現地でホームレス支援を行うHostile Designとの協業施策として打ち出されたビジュアルは、印刷されたホームレスの人の写真をあえて“意地悪ベンチ”の上に置き、突起物が紙を貫通している様子を見せるという内容です。

ビジュアルには「ただでさえ家もないのに、こんな仕打ちまで」や「ホームレスであること。それは、心も身体も痛めつけられるということ」というフレーズが書かれており、社会的に追い込まれてしまった人々をさらに追い詰めるものとして“意地悪ベンチ”を描いています。

行政目線ではホームレスの人が公共物を占領しないよう配置したものが、結果としてその場しのぎの対策にしかなっていなく、また困難な状態になった人々に追い打ちをかける落穽下石(らくせいかせき)なのは事実です。大きな問いかけをすることで社会全体を前進させようと試みた力強い事例でした。

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