企業の熱中症対策PR・販促事例まとめ|“啓発と売上”を両立した施策10選【2026年版】
猛暑対策への関心が高まる夏場は、企業にとって生活者との接点をつくりやすいタイミングでもあります。
企業による対策も多様化しており、コラボレーションやキャンペーンなどを組み合わせることで、社会的意義とビジネス成果の両立を図っています。
本記事では、企業の熱中症対策PR事例を通じて、夏商戦に活かせる企画のヒントをまとめました。
1.40℃超の地域へ直行 キリン「ソルティライチ」の熱中症対策プロジェクト

キリンビバレッジ株式会社は、「キリン 世界のKitchenから ソルティライチ」シリーズを通じた熱中症対策啓発を2026年も実施。
今年で3年目となる自治体向けクーリングシェルター支援に加え、新たに「ひと涼み応援キッチンカー」を展開し、取り組みを拡張しています。
全国47都道府県の自治体を対象に抽選で最大60自治体へ飲料提供を行うほか、6月には、前年に40℃超を記録した地域へキッチンカーを出動。屋外イベントや工事現場、小学校などにも出向き、熱中症予防の呼びかけを行います。
背景には、2025年の熱中症による救急搬送者数が過去最多の約10万人に達したことや、改正気候変動適応法によるクーリングシェルター整備の加速があります。
同社は2011年の商品発売時から「塩分・水分補給」を一貫して訴求しており、2015年の熱中症予防声かけプロジェクト参画、86名の熱中症対策アドバイザー育成など、長期的な啓発活動を実施してきました。
2011年から熱中症対策訴求を継続してきたブランド資産を生かし、社会課題と夏商戦を結び付けた事例となっています。
2.店舗を避暑地にして地域の安全を守る セブン‐イレブンの「クールシェア」と省エネ活動

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンは、厳しい暑さへの対応として、店舗を涼む場所として提供する「クールシェア」の取り組みを2026年5月18日(月)より全国で順次開始しました。生活者が店内で気軽に涼めるようにすることで熱中症対策をサポートする活動です。
最高気温が40℃を超える「酷暑日」が新設されるなど、記録的な猛暑が続く近年の気候状況を踏まえて展開されました。参加する各店舗には、専用のポスターが掲示されます。
同時に、週1回の空調フィルター清掃やウォークイン冷蔵庫の開放時間削減など、日頃から店舗で行っている独自の省エネ活動を並行して継続している点も特徴です。
全国に広がる店舗網というインフラをそのまま避暑地として開放することで、地域社会の安全に貢献しています。
既存の設備を最大限に生かしつつ、環境への配慮と顧客への還元を両立させており、日常的な来店を促しながら企業姿勢を伝える好例です。
3.ファンの反響を企画化 果汁工房果琳がVTuberと組むイオンモールの猛暑対策

果汁工房果琳は、VTuber・静馬レイさんとコラボした「イオンモールの果汁工房果琳で給水しよう!キャンペーン」を2026年6月1日(月)から開始します。全国85店舗のイオンモール内店舗で、期間限定ドリンクや限定特典を展開する企画です。
YouTubeチャンネル登録者数11万人を超える静馬レイさんが、イオンモールを巡る動画内で果汁工房果琳の店舗を「給水所だ!」と紹介したことが企画の発端。 SNS上では来店客による投稿が拡散。ファンによる自発的な投稿文化が形成されていました。
今回の取り組みでは、その自然発生的な文脈をイオンモールの「超!COOOOOOL作戦」と連動した公式キャンペーンへ発展。
コラボドリンクを1ヵ月ごとに切り替えるほか、ランダム配布の限定シールや回数券特典を用意し、複数回の来店動機をつくっています。専用カップや限定カードなど、撮影・投稿を前提とした設計も特徴です。
暑さ対策やクールシェアの文脈に、ファンカルチャーと回遊性を掛け合わせた事例となっています。
4.日傘と水分補給で啓発 「GREEN DA・KA・RA 」こども気温プロジェクト

サントリービバレッジ&フード株式会社は、GREEN DA・KA・RAブランドの熱中症対策として、全国6カ所のレジャー施設と連携し、親子で使える日傘を無償で貸し出す「おやこひがさ大作戦!」を開始しました。
同社は2023年から、大人よりも地面に近い子どもの環境を「こども気温」と名付け、厳しい暑さへの警戒を呼びかけてきました。
今年の独自調査では、約7割の親が暑さで外出を控えたと回答しています。日傘が有効と知りつつも活用が進んでいない実態を受け、水分補給と合わせて持ち歩ける日陰を提案するプロジェクトへと発展させました。
無償で貸し出す日傘は、太陽の光を通すと足元にブランドロゴのハートマークが映り込む仕掛けなど、子どもが自発的に差したくなる工夫が凝らされています。
商品の直接的なアピールを抑えながらも、独自の着眼点で親子の夏の思い出づくりを支援し、ブランドへの共感を生み出す活動です。
5.部活応援を軸にインフルエンサーで認知拡大 スポーツドリンク夏の販促

メロディアン株式会社は、水で割るポーションタイプの濃縮飲料「自分で作れるスポーツドリンク」の認知拡大を目指し、学生やアスリートを応援する大型プロジェクトを開始しました。
部活動やスポーツシーンを軸に、SNS企画や高校生参加型イベントを展開する夏企画。手軽に作れる利便性がある一方で、商品の魅力がターゲット層に十分に知られていないという課題から企画されたものです。
中心となるのは、高校部活動チームがスポーツ系インフルエンサーと対決する参加型イベント。TikTokクリエイターのゆうさくスポーツさんらを起用し、競技横断型の大運動会を行います。
さらに、50チームへの商品提供や、「#1秒スポドリ」を使ったSNS投稿キャンペーンも実施します。
インフルエンサーを巻き込んだリアルな体験の場を用意することで、部活動に打ち込む学生との直接的なつながりを作っている点が特徴です。
長引く猛暑の熱中症対策というテーマに対し、応援のメッセージを乗せて商品の価値を届ける取り組みといえます。
6.夕方の熱中症リスク×小腹満たし需要に着目 JR東日本がゼリー飲料を販売

株式会社 JR 東日本クロスステーション ウォータービジネスカンパニーは、acure madeブランドから「塩&柑橘ゼリー」を発売します。2023年から展開してきた熱中症対策飲料「塩&柑橘」を、2026年はゼリー飲料として刷新しました。
特徴は、“熱中症対策×小腹満たし”を組み合わせた点です。伯方の塩と愛媛県産河内晩柑果汁を使用し、水分・塩分補給に加えて、午後の間食需要にも対応。295gのペットボトル入りゼリーとして販売します。
開発背景には、自販機販売データの分析があります。同社によると、熱中症対策飲料の購入は通勤・通学時間帯の7時〜9時に集中する一方、ゼリー飲料は16時〜18時に需要が高まる傾向がありました。
また、厚生労働省データでは、職場の熱中症発生ピークは15時前後とされています。そこで同社は、夕方に残る熱中症リスクと“小腹満たし需要”を掛け合わせ、新たな利用シーンを提案。
既存商品のリニューアルにとどまらず、販売データと社会課題を組み合わせて商品形態そのものを変えた事例となっています。
7.調査データで春の対策不足を可視化 タイガー魔法瓶の熱中症啓発レポート

タイガー魔法瓶株式会社は、2023年から毎年実施している「熱中症と水筒に関する意識調査」の2026年版を公開し、専門家が推奨する水分補給法と自社のストロー付きボトルを発表しました。
気象庁が40℃以上の日の名称を公募するなど暑さへの警戒が高まる中、正しい対策の浸透を目指して全国608人を対象に行われた調査です。
結果として、3月時点で暑さを感じた人が過半数(55.1%)を占める一方で、半数以上(55.0%)が対策の開始を6月以降としており、「熱中症対策の空白期間」が存在することを明らかにしました。
さらに、約7割(65.3%)が春の脱水症予備軍に該当するという医師の見解を通じ、ストローを活用して1口15〜30mlをこまめに摂取する「ひっそり補水」という具体的な行動を提唱しています。
調査データを用いて春先の対策不足という課題をあぶり出し、自社製品の機能を解決策に位置づけた展開です。
8.敷地外の従業員へ飲料を無料配布 サントリー自販機アプリの法人向けサービス

サントリービバレッジソリューション株式会社は、2026年5月1日(金)から、自販機アプリを活用した法人向けサービス「ジハンピチケット」を提供開始しました。企業が全国の対応自販機を通じて、従業員へ飲料を無料配布できる仕組みとなります。
同社はこれまで、熱中症セミナーや専用自販機の設置などを通じ、全国15,500事業所の対策を支援してきました。
今回は、運送業などから寄せられた「敷地外で働く従業員にも対策したい」という声に応える形で開発が進められています。
既存の自販機ネットワークを活かし、場所を問わず冷たい飲料を提供できる点が画期的です。期間や金額上限をカスタマイズでき、企業の管理負担を抑える工夫も盛り込まれています。
自社のインフラを課題解決に転用し、社会的な要請に素早く応えるアプローチとなっています。従業員の健康を守る啓発の側面を持ちながら、新たな法人需要を開拓して売上につなげる展開です。
9.夏本番前に備える法人ギフト戦略 okurimono熱中症対策セット1+1キャンペーン

法人専用ギフトサービス「okurimono -おくりもの-」を運営するアディッドバリュー株式会社は、2026年5月25日(月)から6月22日(月)にかけて、「法人向け熱中症対策アイテム プレゼントキャンペーン」を実施しています。
対象の熱中症対策セットを注文すると同商品がもう1セット贈られる「1+1」形式で、経口補水ゼリーや塩分チャージタブレット、涼感タオルなど夏の現場で即使えるアイテム6種がセットになっています。
企業による従業員への熱中症対策は、労働安全衛生上の安全配慮義務として位置づけられており、対策の不備は生産性の低下や企業信頼の毀損につながりかねません。
今回特徴的なのは、熱中症対策を法人会員6,300社を抱える既存基盤を活用した“法人ギフト”として提案し、福利厚生と結びつけている点です。早めの準備を促すことで生産性低下のリスクを回避しつつ、会社から従業員への配慮を目に見える形で表現しています。
法人ギフトが、福利厚生を伴った安全管理の手段として機能している事例です。
10.福利厚生から業界全体の課題解決へ ゼネコンが開発したしおゼリーの展開

三和建設株式会社は、2026年4月10日(金)より「ゼネコンがつくったしおゼリー」の今年度の販売を開始しました。
自社の熱中症対策として2020年に開発された製品で、今年は販売6年目を迎えます。需要の増加を見込み、当初の予定に50万本を追加した計350万本を生産する方針です。あわせて社内に「猛暑対策本部」を新設し、対応強化を打ち出しています。
建設業界では2024年の熱中症死傷者数が過去最多となり、2025年からは厚生労働省による対策の義務化が進められました。炎天下での作業が避けられないなか、従業員の安全確保は業界全体の急務となっています。
このプロジェクトは、単なる福利厚生にとどめず、現場で働く人を守るという社会的な文脈で発信している点が特徴です。当初は自社向けだった製品を他社へ販売し、現在では学校や自治体など幅広い領域で活用されるまでに広がりました。
社内向け施策を社会的価値へと転換して伝えています。現場で働く人を大切にするという一貫した姿勢が、業界イメージの改善や採用活動にも貢献しているCSR事例です。
企業の熱中症対策PR・販促事例まとめ
企業の熱中症対策は、水分補給や冷却グッズの提供だけでなく、従業員とのコミュニケーションや企業姿勢の発信まで含めた取り組みへと広がっています。
全国にある自販機を活用した給水支援や、福利厚生を兼ねた熱中症対策ギフト、業界課題として継続発信する商品開発など、各社とも“暑さ対策”を自社らしい形で企画へ落とし込んでいました。
また近年は、安全配慮義務や労働環境改善への関心が高まっており、熱中症対策そのものが企業価値に直結しやすいテーマになっています。
単なる季節販促として終わらせず、働く人や利用者への配慮をどう見せるかによって、ブランドイメージや採用広報にもつながるでしょう。
夏商戦は、生活者との接点が増えるタイミングでもあります。社会性と販促を両立しながら、自社ならではの切り口をどうつくるかが鍵となりそうです。
その他の事例集についてはこちら
https://predge.jp/search/post?othres=6806
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