結婚だけじゃない ジューンブライドを切り口にしたPR・マーケティング事例10選
6月は、結婚や特別な記念日をテーマにした企画を打ち出すのにぴったりなタイミングです。
近年は、結婚式やブライダル業界に限らず、飲食・ホテル・エンタメなど幅広い業界でも“誰かと過ごす特別な時間”を切り口にしたPR・マーケティング施策が増えています。
本記事では、“ジューンブライド”を切り口に、生活者の気持ちに寄り添いながら話題や来店促進、ブランディングにつなげたPR・マーケティング施策を10事例ピックアップ。
企業が季節イベントをどのように自社らしく活用し、共感やSNSでの広がりを生み出しているのか。各社の工夫から、企画づくりの視点を読み解きます。
1.“自分たちらしさ”を重視するZ世代のウエディングフォト事情を分析

ジュノー株式会社は、年間約13,000組の婚礼撮影実績をもとに、Z世代が好むウエディングフォトの最新傾向を分析。“他人と被らないこと”や“自然体であること”を重視する価値観に着目し、ジューンブライドシーズンに向けたトレンドとして発信しています。
分析によって、思い出の居酒屋や体育館での撮影、海岸や森林を活かしたロケーション撮影など、“自分たちらしさ”を表現するスタイルが広がっていることに着目。従来の“フォーマルな記念写真”から、“ふたりの価値観やストーリーを残す体験”へとニーズが変化している様子がうかがえます。
また、「韓国風フォト」や映画のワンシーンのような演出など、“思わずSNSでシェアしたくなる写真表現”もトレンドとして紹介。“Z世代がなぜその表現を好むのか”まで踏み込みながら、生活者インサイトを可視化している点が特徴です。
さらに、国際フォトコンテスト「Asia WPA」での受賞実績もあわせて紹介することで、分析内容の信頼性を補強。自社の撮影実績やクリエイティブ力を活用しながら、ジューンブライド時期に関心が高まる“結婚写真のトレンド”をコンテンツ化しています。
2.ドラマチックなプロポーズを後押しする ストリングスホテル 名古屋の特別プラン

ストリングスホテル 名古屋は、ジューンブライドや「プロポーズの日」「恋人の日」に合わせ、6つの特典が付いた期間限定プラン「June Bride Special Propose」を販売。ホテル開業10周年という節目と掛け合わせながら、“人生の記念日を演出する場所”としての価値を打ち出しています。
プランでは、チャペル貸し切り演出やフェザーシャワー、バラの花束、ルームデコレーションなど、プロポーズという瞬間をドラマチックに演出する体験を用意。「記憶に残る時間」を提供するストーリー型の商品設計が魅力です。
また、「プロポーズの日」や「恋人の日」など、6月ならではの記念日を複数組み合わせることで、“ジューンブライド=結婚式”だけに限定しない利用シーンを提案している点も特徴。ホテル側が長年培ってきたプロポーズ演出の実績を前面に出しながら、人生の節目を彩る体験として訴求しています。
さらに、フェザーシャワーやチャペル演出、客室デコレーションなど、写真に残したくなる演出を多数盛り込むことで、SNS投稿や共有も促進。ジューンブライド時期の高揚感を活用しながら、誰かと過ごす特別な時間を宿泊動機へ変換した体験型PR施策の好例といえるでしょう。
3.“カエルの結婚式”の世界観で話題化を狙う季節展示

株式会社UWS ENTERTAINMENTは、「奈良いきものミュージアム」にて、6月6日の「カエルの日」に合わせた季節限定企画「カエルのジューンブライド」を開催。“カエルたちの結婚式”をテーマに、雨や花が似合う季節感を活かした展示企画です。
本企画では、「カエルの日」と「ジューンブライド」という6月ならではの記念日と季節文脈を組み合わせ、カエルの展示を“結婚式”の世界観として演出。シャンパンタワーをモチーフにした「シャンパン水槽」や、青・紫を基調とした花材を用いることで、生きもの展示に華やかさや物語性を加えています。
また、ツノガエルやアマガエルなど、個性豊かなカエルを紹介するだけでなく、平日限定の餌やり体験や謎解きゲームも用意。鑑賞だけで終わらせず、来館者が参加しながら展示を楽しめる設計です。
さらに、SNS投稿と公式アカウントのフォローで限定ポストカードをプレゼントするキャンペーンも展開。
季節感のあるフォトジェニックな展示空間と参加特典を組み合わせることで、来館動機やSNSでの広がりにつなげた、ジューンブライドの切り口を生きもの展示へ応用したPR事例となっています。
4.結婚指輪を“買う”から“ふたりでつくる思い出”へ

株式会社 一宝が運営する「工房Smith札幌本店」は、手作り結婚指輪の成約で貴金属代金が10%OFFになる期間限定ブライダルフェアを開催しました。
既製品にはない「愛着」や「共同作業としての思い出」を軸にした本施策。お互いの指輪を作り合う体験を通じて、結婚準備そのものを“ふたりでひとつのものをつくりあげる、記念に残る時間”として提供しています。
また、最新のプロジェクションマッピング演出を取り入れた空間設計や、制作過程を写真・動画として残せる点もポイント。“作る過程”そのものをSNSで共有したくなる体験へ落とし込むことで、Z世代・若年層の価値観とも巧みにマッチさせています。
さらに、ゴールデンウィークの思い出需要と、ジューンブライド前の結婚準備需要を掛け合わせることで、“旅行やデートの延長線上で参加できるブライダル体験”として訴求しました。結婚指輪を「モノ消費」ではなく「体験消費」として再定義したPR施策です。
5.重要文化財×360°演出で魅せるオーダーメイドウエディング

マンダリン・オリエンタル東京株式会社は、360°プロジェクションマッピングや重要文化財である「三井本館」を舞台に、完全オーダーメイドのラグジュアリーウエディングを展開。
ジューンブライドに向けて結婚式への関心が高まる時期に、“自分たちらしい一日”を叶える選択肢として訴求しています。
グランド ボールルームでは、36台のプロジェクターによる360°プロジェクションマッピングを導入。思い出の映像や幻想的な演出を空間全体に映し出すことで、披露宴会場を没入感のある体験の舞台へと演出しています。
重要文化財である三井本館内の会場や、挙式・披露宴に関わる主要施設を3階ワンフロアに集約した動線も、格式と快適さを兼ね備えたポイントです。
また、婚礼料理やウエディングケーキまでオーダーメイドで提供し、新郎新婦の想いやゲスト構成に合わせた祝宴づくりをサポート。
衣装、ヘアメイク、フローリストなど各分野のクリエイターが一組ごとに連携することで、パッケージ化された結婚式ではなく、ふたりの価値観や世界観を反映した体験として打ち出しています。
さらに、対象のアジアまたはヨーロッパに位置するマンダリン オリエンタル ホテルで利用できる2泊分の宿泊特典「ハネムーン オン アス」も用意し、ハネムーンまで視野に入れたプランを用意し、ブランドならではのラグジュアリー体験を印象づけています。
6.“運命の一足”を主役に据えたラグジュアリーブライダル施策

ブルーベル・ジャパン 株式会社は、「MANOLO BLAHNIK」のブライダルフェアを開催。「MARRIED IN MANOLO‘S」コレクションを通じて、花嫁の足元を彩る“運命の一足”として、ブライダルシューズの魅力を打ち出しています。
フェアでは、「HANGISI/ハンギシ」や「NADIRA/ナディラ」など、ブランドを象徴するタイムレスなシューズを展開。“Something Blue”や愛の誓いといったブライダル文脈と結び付けることで、人気ブランドのシューズを特別な一日を記憶に残す存在として提案しています。
また、GINZA SIX店、松坂屋名古屋店、阪急うめだ本店で期間限定のディスプレイも実施。
人気ブライダルシューズを一堂に集めることで、“どの一足を選ぶか”という体験そのものを高揚感のある時間へと演出し、購入者向けのブランドオリジナルギフトも用意し、来店や購買の後押しにつなげています。
ジューンブライド需要を捉えながら、“運命の一足を選ぶ時間”まで含めて価値化。定番商品を季節イベントと結び付け、来店体験へつなげた好例と言えそうです。
7.葵わかなさん起用で“ドレスへの憧れ”を可視化

冒険社プラコレは、「PLACOLE&DRESSY」に俳優・葵わかなさんを起用した特別コンテンツを公開。“ウェディングドレスに憧れるすべての人へ”というメッセージを軸に、結婚式を予定しているカップルから幅広い層までドレスの魅力を届けました。
コンテンツでは、葵わかなさんが実際にウエディングドレスやカラードレスを着用し、その魅力や着用時の感情をインタビュー形式で発信。
「結婚式のためだけではなく、特別な日や今の自分を残したい時に着るのも素敵」というコメントを通じて、ウエディングドレスの価値を“結婚式専用”から拡張しています。
また、俳優を起用することによるビジュアル訴求に加え、「自分にぴったりの一着に出会う体験」や「一生の思い出をつくる時間」といった感情面を丁寧に言語化。
SNSやWebメディアとの親和性が高い世界観の設計によって、“憧れ”や“自己表現”としてウエディングドレスを楽しむ価値を提案しています。
ジューンブライド時期に合わせながら、“結婚する人だけのもの”という固定観念を広げ、ウエディングドレスへの接点を増やしたブランディング施策です。
8.“サムシングブルー”を空間全体で体感 ホテルニューオータニ幕張のチャペルプラン

ホテルニューオータニ幕張は、メインチャペル「そよ風の教会」が「日本の美しいチャペルベスト100」に3年連続で選出されたことをプレスリリースで配信。
ジューンブライド時期に高まるブライダル需要に合わせ、記憶に残る挙式空間としての魅力を打ち出しています。
“サムシングブルー”をテーマに、幕張の海を思わせるブルーの祭壇や自然光が反射する純白の大理石、木の温もりを感じる空間設計などを訴求。
さらに、アロマやフルートの生演奏も組み合わせることで、視覚・香り・音を生かしたロマンチックなチャペル体験を提案しています。
また、選出記念として、初めてブライダルフェアへ参加する新郎新婦に館内レストランのペアディナーを提供。チャペル見学に加え、“伝統の美食”まで含めてホテル全体の魅力を体験できる導線が魅力的です。
9.“料理のおもてなし”を五感で体験 明治記念館のブライダルフェア

明治記念館は、婚礼料理の試食付きブライダルフェアを開催。結婚式場選びにおいて重視されやすい料理のおもてなしを実際に体験できる場として、“食でも選ばれる式場”としての魅力を伝えています。
フェアでは、利尻昆布と枕崎産節を使用したお椀物や和牛の朴葉焼きなどの和食に加え、50年以上受け継がれるレシピで仕上げた「お祝いの金箔舞う特製コンソメスープ」、国産牛サーロインの備長炭焼きなど、和洋の婚礼料理を提供。
料理のおいしさはもちろん、香りや盛り付けまで含めて、“ゲストをもてなす結婚式”を具体的に想起させる構成となっています。
昭和22年開館、23万組以上の結婚式を見守ってきた歴史や、東京都指定有形文化財に指定された建築背景を訴求することで、伝統や格式への信頼感を補強しながら、“美しい日本の結婚式”というブランド価値を体験型で届けるブライダルPR施策です。
10.AI×伝統産業で“岡谷シルク”を再編集した地域ブランディング施策

慶應義塾大学藤田康範研究会は、「2026シルクフェアinおかや30th」にて、AI技術と学生、地域産業を掛け合わせた特別企画を実施。岡谷シルクの新たな価値発信を通じて、地域資源を次世代へつなぐブランディング施策です。
オープニングでは、学生が生成AIを活用してデザイン・型紙制作を行ったウエディングドレスを披露。ドレス制作経験のない学生が、岡谷産シルクや地域の職人技術を組み合わせることで、地域工房と協働しながら短期間で完成させたストーリーも、来場者の関心を集めました。
また、旧岡谷市役所庁舎では、学生による弦楽ミニコンサートも開催。映画『ゴジラ -1.0』のロケ地にもなった国登録有形文化財を舞台に、音楽体験を通じて建築空間の新たな魅力を発信しました。
伝統文化を“保存”するだけでなく、若い感性やテクノロジーを掛け合わせながら新しいストーリーとして届けることで、地域ブランドの新たなタッチポイントを生み出した事例といえるでしょう。
ジューンブライドを切り口にしたPR・マーケティング事例まとめ
ジューンブライドを切り口にしたPR・マーケティングでは、結婚式やブライダル商材の訴求にとどまらず、“誰かと過ごす特別な時間”や“記念に残る体験”を重視する企画が増えています。
今回紹介した事例では、フォト、ホテル、展示、ジュエリー、地域産業など、さまざまな業界がジューンブライドの持つ高揚感や祝福ムードを自社らしい形で取り入れていました。
共通していたのは、商品やサービスをそのまま見せるのではなく、生活者の憧れや思い出づくり、自己表現への気持ちに寄り添っていること。季節イベントを一過性のキャンペーンで終わらせず、ブランドへの共感や来店のきっかけへつなげるうえで、参考になる視点が詰まっています。
その他の事例集についてはこちら
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