巨大ビルボードをハリウッドスターがよじ登る Netflix『APEX』のPR戦略

タイムズスクエアの巨大ビルボードを、ハリウッドスター本人がよじ登る。Netflixが新作映画『APEX』(エイペックス)のプロモーションとして仕掛けたのは、まるで映画のワンシーンのような大型PRスタントでした。

主人公を演じるCharlize Theron(シャーリーズ・セロン)が、Netflixの巨大OOHをロッククライミングのように登っていきます。しかも登りながら悪態をつき、頂上では観客に向かって挑発的に叫ぶなど、かなり攻めた演出です。

 

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実際の映画撮影に向けて、同氏は伝説的なロッククライマーBeth Rodden(ベス・ロッデン)のもとで数週間のトレーニングを積んでおり、本人が実際に登っているという事実自体がコンテンツになっています。

この施策の本質は、タイムズスクエアで派手なことをやったという点だけではありません。重要なのは、スマートフォンで撮られることを前提に設計されている点です。

現地にいた人々は自然とスマートフォンを取り出し、縦動画で撮影してSNSに投稿。つまりNetflixは、タイムズスクエアそのものを巨大なUGC生成の場として活用しています。

近年のOOH広告は、その場で何人に見られたかだけでなく、どれだけSNS上で二次拡散されるかが重要になっています。巨大ビルボード、ハリウッドスター本人、高所クライミング、挑発的なセリフ。これらは短尺動画で切り取られたときに強く機能する要素として設計されています。

Netflixはこれまでも、『イカゲーム』や『ウェンズデー』などでリアル空間を使った体験型プロモーションを積極的に展開してきました。広告を単なる告知ではなくSNSで拡散されるイベントへと変換する手法は、Netflixらしいデザインといえます。

実際、配信初週末に3,820万回以上の視聴を記録し、世界82カ国でNo.1を獲得しました。スタントの話題性が作品の視聴動機へと直結した点にも、この設計の強さが表れています。もはやOOHは見るものではなく、撮られるものへと進化しているのかもしれません。

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