詐欺ミームを逆手に取る アフリカで展開されたVaselineのPR施策

世界には、「ナイジェリアの王子」を名乗る有名なネット詐欺があります。

「海外の王族だが資産移動に困っている。送金を手伝ってくれたら報酬を渡す」そんなメールで金銭をだまし取る手口で、欧米圏では長年ネットミーム化するほど知られた存在です。

Vaseline(ヴァセリン)は、そんな信用できない象徴を逆手に取りました。登場するのは、実在するナイジェリア王族・Prince Chris Okagbue氏。

映像は、「私はナイジェリアの王子です。あなたに数百万ドル送金したい——そんなメールを送ったのは私ではありません」という、自虐的なセリフから始まります。

彼が本当に伝えたいのは、ネット詐欺ではなく偽造品の問題です。ナイジェリアではVaseline製品の偽造品が市場に多く出回っており、見た目は本物そっくりでも安全性が保証されていないケースもあるといいます。

 

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そこでVaselineが開発したのが、WhatsApp上で商品の真贋判定ができる「Vaseline Authenticator」。QRコードからWhatsAppを開き、商品の表裏を撮影するだけで、本物かどうかを確認できます。

 

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専用アプリのダウンロードや会員登録も不要で、普段使い慣れたWhatsApp上でそのまま完結します。アフリカ圏では、WhatsAppは単なるメッセージアプリではなく、買い物や接客、サポートなど、日常のインフラとして広く浸透しています。

新興国マーケティングにおいて、「高機能な新サービスを広める」のではなく、「すでに生活に浸透している導線に機能を載せる」という発想が、普及のカギを握ります。

文化的ミーム・ユーモア・テクノロジー・生活導線を横断しながら、“信頼”そのものを再設計したPR事例でした。

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