誰がこんな社会にした!? 防弾公園の痛烈なメッセージ

世界的な観光地として成長しつつある南アフリカは、雄大な大自然や豊かな文化的側面を誇りつつも、過激なギャングたちによって横行する暴力や銃撃事件が社会的な問題となっています。

1日あたり34人もの命が銃撃事件によって奪われてしまっている統計データもあり、多くの国民にとって銃規制やギャングたちを厳しく罰するための手段の構築は何よりも優先すべき事項なのです。そんなメッセージを強烈に打ち出すために現地のNPO・Gun-free South Africaが公開したのは“とある公園”に関する構想でした。

“Bullet Proof Park(防弾公園)”という構想は、24時間遠隔監視されていて、顔認証システムを突破しないと入ることができない防弾ガラスで囲われた公園。ここであれば子どもたちは安心して遊べるというメッセージとともに発表されたこのアイデアは、瞬く間に南アフリカ全土で注目を浴びました。

多くのマスメディアが「こんな公園は存在してはならない」と表明しつつも、現実的な問題として普通の公園で子どもたちが遊んでいると、いつ銃撃事件に巻き込まれてしまうかわからない……この相反する状況を打破するためにはなんとしてでも銃規制に関する法律を強化しなければならないとし、最終的には政治家をも巻き込んだ議論へと発展したのです。

企画側のGun-free South Africaとしては最初からこんな公園を作るつもりはなく、あくまでも国民の意識を銃規制というテーマに持っていきたかったとしており、その効果は絶大だったと言えるでしょう。多くの人が適切な議論を通じて社会全体のあるべき姿について考え、建設的な対話を通じてよりよい社会へと発展していく兆しが生まれたのです。

重大な社会問題を解決するためにあえて強烈なアイデアを提案した、まさに社会そのものを変えようと試みた意欲的な事例でした。

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